名古屋ご当地麺の最終兵器「好来系」の名店
台湾ラーメンや台湾まぜそばは、名古屋発祥の麺料理としてすっかり定着した。しかし、他にも名古屋には面白いご当地麺がいくつかある。その一つが「好来系」だ。かつて千種区にあった「好来」を祖とするラーメン店の総称で、愛知を中心に20店ほど存在。
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好来の店主が独学で、様々な具材を寸胴に全て入れてグツグツ煮たところ、とても旨い白濁スープが出来たのが始まりだと聞く。漢方薬の素材も寸胴に入れるため「薬膳らーめん」と看板に掲げる店もある。この唯一無二の味にファンも多い。
藤味亭のご主人は、大曽根にある好来系の老舗「陣屋」で修業。好来系の店ではトッピングの量を「松」「竹」「寿」で表すことが多いが、こちらは普通にらーめん、メンマらーめん・チャーシューめんと表記する。また味噌らーめんやカレーらーめんも提供するなど、やや独自色が濃い。
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店頭に『秘法和漢根菜汁』と記されたそのスープは、鶏ガラ、豚骨、魚介、根菜などを煮込んだもの。ご主人の動きを見ていると、釜にスープを継ぎ足す「呼び戻し」方式のようだ。日によって味の強弱がありそうだが、この日は鶏が前面に出ていた。
卓上には好来系定番のラー油と高麗人参酢。またニンニクパウダーを置く店が多い中、こちらではおろしニンニクを置いている。塩味を控えた優しい味わいのため、濃い味を求める方は、途中で味に変化をつけながら啜っていくと良い。
なお、この日は18時30分の段階で「メンマらーめん」と「チャーシューめん」が売り切れ。どちらも結構な量を盛ってくれるので楽しみにしていたのだが…。お好きな方はランチタイムに行かれるのが良いだろう。
<店舗データ>
【店名】 藤味亭
【住所】 愛知県名古屋市中区富士見町15-21
【最寄】 地下鉄名城線「東別院駅」徒歩5分