名物チャーシューにぎりと幻の銘酒でご機嫌な夜を
いま、赤羽は清野とおる『東京都北区赤羽』で人気上昇中だが、その隣駅・東十条も負けず劣らず良い町だ。活気ある商店街をすり抜け、昭和の香り漂う居酒屋で十条名物「からし焼き」を肴に一杯やると、もう日を跨ぐまで帰れない。懐も罪も深い町だ。
東十条には「ほん田」「燦燦斗」などラーメンの名店も多いが、その激戦区で30年以上も愛されているのが「マリオン」だ。創業は1984年。ご主人は東京會舘のご出身で、店名は同じ年に誕生した有楽町マリオンからもらったと聞く。
ラーメンは鶏と魚介のスープで、醤油のカエシがキリっとたった黒めの清湯。表面に少し浮かせた背脂がよいアクセントになっている。そこに食べるたびに表情の変わる、手揉みの平打ち縮れ麺が泳ぐ。チャーシュー、メンマの具合も非常に良い。
麺も旨いが、こちらの名物は「にぎり」だ。無論、海の幸を握ったものではない。チャーシューの煮汁で炊いたご飯にチャーシューを乗せた逸品。まろやかなバラ肉とご飯の相性は抜群で、これを目当てに訪れる客も多い。テイクアウトが出来るのも嬉しい。
実は、マリオンはお酒の品ぞろえも抜群で、焼酎なら「森伊蔵」、日本酒は「十四代」「飛露喜」など、巷では幻の銘柄と言われたお酒も取り揃えている。閉店は深夜1時。どこまでも呑兵衛に優しい。途中下車する価値ある名店。
<店舗データ>
【店名】 東京ラーメン マリオン
【住所】 東京都北区中十条3-18-1
【最寄】 JR京浜東北線「東十条駅」西口徒歩3分