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肥宝館 -貧すれば丼する-

【徳島 北島町】 いもお「中華そば肉入り(700円)」

徳島「黄系」の実力店で絶品チャーシューを

JR高徳線の吉成駅から歩くと20分ほど。県道29号=徳島環状線沿いにある「いもお」へ。店舗の建つ北島町は徳島市のベッドタウンとして発展。シネコンを併設した商業施設「フジグラン」もあり、徳島の中では店舗の多いエリアである。車の往来も多い。さて、今回訪れた「いもお」は1996年創業。徳島ラーメンの「黄系」の人気店だ。

「徳島ラーメン」に明確な定義はなく、県内にハム工場があり豚骨が安価で手に入った関係で、基本的にスープは豚骨がベースである。そして、これは後付けの分類だが、カエシが濃口醤油やたまり醤油の「茶系」、薄口醤油や白醤油の「白系」、豚骨のほか鶏ガラを使い薄口醤油で味を整えた「黄系」の3系統に大別されている。

歴史的には、戦後すぐに生まれたのが「白系」で、その後「黄系」「茶系」が派生したと言われる。ただ、1999年に新横浜ラーメン博物館に出店した「いのたに」が茶系だったため、観光客が「徳島ラーメン」という場合は、茶系のラーメンを指すことが多い。また、甘辛い豚バラ肉と生卵のトッピングが有名だが、必須ではない。

黄系の「いもお」で啜れるのは、いわゆる「すき焼きラーメン」と呼ばれるような、イメージ通りの徳島ラーメンとは違う。しかし、これはこれで絶品である。メニューはシンプルに「中華そば」の一本勝負。プラス150円で肉入り、50円で玉子入り、30円でニンニク入りにグレードアップできる。今回は中華そばの肉入りをオーダー。

スープはカエシが控えめで、鶏と豚骨の旨味がダイレクトに伝わる濃厚な飲み口だ。麺は小麦の風味が良い中細ストレート。その上に茶系でおなじみの甘辛豚バラ肉ではなく、バラ肉チャーシューが鎮座する。これが厚切りで脂たっぷりの逸品。しっかりと味が付いているので、思わずライス(小 120円)を追加し一緒に掻き込む。

これだけ厚切りのチャーシューが乗って700円というのは嬉しい値段設定だ。昼営業終了間際の14時台に、ひっきりなしに客がやって来るのも頷ける。様々な系統の徳島ラーメンを食べ比べたいという方には、鳴門「三八」と並び黄系の名店としてリストに加えておいて頂きたい。ただ連食を考えている人には、肉入りは少々重いか…

<店舗データ>

【店名】 中華そば いもお
【住所】 徳島県板野郡北島町鯛浜字西ノ須68-18
【最寄】 JR高徳線「吉成駅」徒歩25分

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