注目の「葱師」が手がける極上ラーメン
千代田線・新御茶ノ水駅のB3b出口を上がってすぐ。三井住友海上ビル脇に2019年1月にオープンした「初代 葱寅」へ。こちらは山形県天童市の葱農家「ねぎびとカンパニー」が手がける、葱をフィーチャーしたラーメン店である。社長の清水寅(つよし)氏は、都内で7社の社長を務めたのち葱農家に転身した異色の経歴の持ち主だ。
自らを「芸農人 初代葱師」として、ブドウやメロンを超える最高糖度21.6度を記録したネギ「寅ちゃん葱」の他、「恋するかぼちゃ」「キスよりあまい ほうれん草」といったブランド野菜を次々と世に送り出し、農業界に一石を投じる人物である。この「葱寅」は飲食店としては天童市「寅ちゃん餃子」に次ぐ2店舗目で、都内初店舗となる。
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店内はカウンターのみ10席ほど。今回訪れた昼間は中華蕎麦メインの「昼寅」、夜は立ち呑みの「夜寅」というスタイルで営業している。夜も中華蕎麦は啜れるが、葱トロ、葱鮪鍋と言った寅ちゃん葱を活かした料理や、ホタルイカのアヒージョ、山椒オイルサーディンといった豊洲直送の魚介類を使ったおつまみも楽しめる。
さて、気になる中華蕎麦だが、スープは塩と醤油の2軸。雲呑入りや味玉入り、オープン当初には無かった「特上」も用意されている。また「昼寅」でもサイドメニューとして寅ちゃん餃子(5個350円)、初代葱寅肉饅頭(250円)、丼ものなどを注文可能である。今日は、多少値が張るが、塩蕎麦を全部のせ「特上(1300円)」をオーダーした。
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葱を推してはいるが、山盛りという訳ではなく散らす程度。上品な丼相となっている。さっそく葱をひとつまみ。正直、フルーツほどでは無いが、甘くみずみずしい良い葱である。そこに豚肩ロースと鶏の2種の低温調理肉とトロトロ豚バラチャーシュー、エビと生姜のみを使った雲呑、穂先メンマ、味玉が乗る。値段相応の豪勢な盛りだ。
スープは牛アキレスと利尻昆布、広島の牡蠣、鯛煮干しなどを煮込んだ清湯。塩蕎麦には高知の天日塩「海一粒」を使用したタレを、醤油蕎麦には天童市「テンスイ醤油」の天然醸造醤油などを使ったタレを合わせている。塩蕎麦はタレのインパクトが強くない分、牛を中心に出汁の旨味をジンワリと感じられるのが魅力だ。
合わせる麺は足立区「享屋」特製のしなやかな細ストレート。食感の良さもさる事ながら、スープをよく拾うので旨い。途中、別皿で提供された刻み新生姜を麺に絡めて変化をつけていく。葱と生姜の相性の良さは言うまでも無し。満足度の高い一杯だった。次回は醤油スープも啜ってみたいし、ぜひ一杯ひっかけたいところだ。
<店舗データ>
【店名】 初代葱寅 御茶ノ水店
【住所】 東京都千代田区神田駿河台3-3-3
【最寄】 東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」徒歩1分
★2020年8月に閉店。残念…