喜多方ラーメンの代表格「坂内食堂」
JR喜多方駅から歩いて15分ほど。市役所の西側、御清水公園の目の前にある「坂内食堂」へ。言わずと知れた喜多方ラーメンの代表格である。創業は昭和33年。終戦後に満州から引き揚げてきた長島ハル氏が営む「上海食堂」で修業した坂内新吾氏が妻・ヒサ氏との結婚を機に独立してオープンしたのが、そのはじまりである。
なお全国でチェーン展開する「喜多方ラーメン坂内」は、坂内食堂に惚れ込んだ中原明氏が1988年、日参の上で暖簾分けを許され創業。運営するのは東京・大森に本社を置く株式会社麺食で、この大手チェーンはいわば分家にあたる。一方の本家は、新吾さん・ヒサさんご夫妻は既に他界。現在は二代目の章一さんを中心に店を切り盛りする。
また、新吾さんの孫で三代目にあたる章史さんは麺食の「喜多方ラーメン坂内」で5年間修行。店長を務め組織マネジメントを学び、2021年7月に喜多方へ戻りバトンを繋ぐ。さて、その喜多方本店だが、休日の昼ともなると1時間待ちは当たり前。今回は客の少ない真冬の閉店60分前を狙って滑り込み。行列どころかガラガラだ。
店内はテーブルと小上がりで合わせて60席弱。先にカウンターで注文を済ませてから席に座るシステムだ。麺メニューは「しなそば」「冷やしそば」の2択で、麺量を大盛にしたり、肉とネギを追加することが出来る。ビールのほか、夢心や吉の川、ほまれといった地酒も飲める。今回はシンプルに「しなそば(700円)」を注文した。
丼の底が覗ける程に透き通ったスープは豚骨をじっくりと炊いた清湯で、薄口醤油でほのかに風味付けされている。塩味はしっかり効いており、豚骨のコクも出ていて旨い。そこに平打ちで縮れた中太麺が泳ぐ。多加水でモッチリとしてコシも十分。スープとの絡みも抜群だ。こりゃ箸もレンゲも止まらない。雪の日は体の芯まで沁みる。
チャーシューは厚切りでバラ肉で、脂身がトロッとして美味。醤油ダレが染みているので、空腹の方は肉そばとライス(200円)を合わせるのも良いだろう。ほか、香り良いネギ、メンマがトッピングされる。卓上にはGABANの白と黒があるのでお好みで。なお、店内にはお土産カウンターもあるので、気に入った方はお土産にどうぞ。
<店舗データ>
【店名】 坂内食堂
【住所】 福島県喜多方市字細田7230
【最寄】 JR磐越西線「喜多方駅」徒歩15分