なんでんかんでん由来、都内屈指の「豚骨アロマ」は健在
西武新宿線「下井草駅」徒歩10分。新青梅街道沿いに立つ「御天」は、本格的な豚骨ラーメンが食べられると人気だ。店に入るとクラクラするほど強烈な豚骨アロマ。どの程度かと言えば、平安貴族が着物に香を焚き染めたがごとく、帰宅後も服にニオイが残っているほどである。
ご主人の岩佐氏は、90年代の豚骨ブームを牽引した「なんでんかんでん」で、かつて店長を務めていた。その後「自分のラーメンを追及する」と、95年に今の場所に『御天』を創業した。住宅街での出店が不安で「ラーメン居酒屋」としてオープンしたため、今でも芋焼酎やおつまみメニューが豊富だ。
麺料理も変わっていて、カレー味の「インド式」やトムヤンクン味の「タイ式」、キムチ冷麺、トマトラーメンなど様々な種類がある。だが人気なのは、やはりド直球の豚骨ラーメンである。中でも「生にんにくラーメン」は2種類のアロマを浴びることができるのでリピーターも多い。
スープは頭骨とゲンコツを強火で炊いた濃厚なもので、少し甘味も感じられる。唇が脂でカピカピに。一方、麺は低加水の極細麺。小麦の味がかなり立っている。替え玉必至なので、最初の一杯でスープを飲み干さぬよう注意されたし。
替え玉はカウンター越しに、テボザルから直接ドンブリに入れられる。この時、かなりの確率でスープが跳ねるので、スッと身を後ろに引くのが大人の対応。このアロマ、袖口に付くとなかなかニオイが取れない。ファブリーズ必携。ここでデートが出来るようになれば、君も一流である。
<店舗データ>
【店名】 御天(ごてん) 井草本店
【住所】 東京都杉並区井草1-29-3
【最寄】 西武新宿線「下井草駅」北口徒歩10分