地元で愛される老舗のあっさり中華そば
JR牟岐線・中田(ちゅうでん)駅から北東方向に歩いて12分ほど。県道120号沿い、中田町原の下交差点そばにある「松本中華そば店」へ。こちらは1957年(昭和32年)頃に屋台からスタートした老舗で、昔ながらのアッサリした一杯は今も地元で親しまれている。木造で年季の入った、味のある店構えもまた魅力のひとつだ。
こじんまりとした店内は4人掛けテーブル3卓の計12席。麺メニューは「中華そば」一本で、肉入り、麺大盛にすることも出来る。また、白めし、ギョーザも提供。ご夫婦2人で切り盛りしているが、近所であれば出前にも対応してくれる。このあたりも地元で人気の理由である。今回は「肉小(650円)」をオーダーすることに。
白濁したスープは豚骨と鶏ガラに、玉ネギ、生姜などの野菜を加えて炊いたもので、粘度は低くアッサリした飲み口に仕上がっている。脂もカエシも控えめで、塩味も甘味も強くない。濃い味の、いわゆる徳島ラーメン「茶系」に慣れている人には、物足りなく感じるほどである。合わせる麺は柔らかな中太麺。スープとの相性は抜群だ。
そしてピンクがかったチャーシューは豚モモ肉の煮豚だろうか。薄切りだが食べ応えのある肉が7枚。ほか、やや甘めのメンマ、モヤシ、小ぶりな海苔、ネギが乗る。丼全体に強い味付けが無い反面、卓上の壺には女将さんお手製の塩気の強いキムチが。中華そばと対照的な味で、つい手が伸びる。地元で愛される名店、長く続いて欲しい。
<店舗データ>
【店名】 松本中華そば店
【住所】 徳島県小松島市小松島町馬場ノ本71
【最寄】 JR牟岐線「中田駅」徒歩12分