野菜の旨さを再認識させてくれるラーメン
東京メトロ・赤坂見附駅から歩いて2分ほど。赤坂みすじ通りに野菜が主役の旨いラーメンを提供する店がある。店主は農家を兼任するシェフで野菜のプロ。夜は「野菜と酒 Sprout」の看板で旬な野菜の料理と酒を楽しめるが、昼12時から2時までは「野菜と麺 Sprout」に屋号を変えて数量限定でラーメンを提供しているのだ。
スタイリッシュな店内はカウンターとテーブルで20席ほど。お昼は有難い事に「原価率度外視」だそうで、ご主人がワンオペでお店を回している。そのため基本はセルフサービスに。テーブルにはそれぞれ野菜の名前が付けられており、その名前を呼ばれたらカウンターに丼を受け取りに行く。丼を下げるのもセルフである。
そして作るのも1度に2杯まで。そのため3人以上のグループは時間差での提供となる。メニューは「ラーメン」一種類のみ。麺の固さ指定や大盛は不可。入口脇の壺に「千円」を入れて会計を済ませるシステムだ。カウンターにはデトックスウォーターのサーバーがあるので一杯頂きつつ、待つこと8分ほどで丼が完成した。
10数種類の野菜を盛り付けた彩り鮮やかな丼相に、啜る前から心が躍る。薄濁りのスープは、夜営業で人気の「名物!塩麹のスープ」をベースにしていて、鰹、鯖、アゴ、羅臼昆布、干し椎茸などから抽出した出汁に塩麹、オリーブオイル、椿茶、柚子などを配合しているそう。素材に塩麹の風味が重なり、じんわりと旨味が染みわたる。
そこに合わせるのは、愛知県岡崎市の製麺所「時麺」製の細ストレート麺。北海道産小麦を使用した全粒粉入りで、少しゴワっとした食感で麦の香りもよく、スープとの相性は抜群だ。そして麺の上には旬の野菜がたっぷりと。ジャガイモ、大根、レンコン、ニンジン、ゴボウ、赤玉ネギ、カボチャといった根菜類に白菜、小松菜の葉物。
そして赤と黄色のパプリカ、ズッキーニ、インゲン、舞茸、柚子、さらに野菜のだし巻き卵もトッピングされている。野菜ひとつひとつが丁寧に調理されており、旨みや甘味たっぷりだ。卓上にはフレッシュな柚子胡椒とペッパーミルがあるのでお好みで。最後の一滴まで美味しく頂いた。こりゃディナータイムの料理も絶品だろうな。いずれ。
<店舗データ>
【店名】 野菜と麺 Sprout
【住所】 東京都港区赤坂3-19-1
【最寄】 東京メトロ銀座線「赤坂見附駅」徒歩2分