脂の旨みに頼らない、毎日啜れる一杯を
門前仲町から首都高速深川線の高架をくぐり葛西橋通りへ。界隈で評判の高い「こうかいぼう」は、お昼時を外しても先客10名の混雑ぶりだ。こちらのラーメンは、ご主人が毎日食べられる味を追及し辿り着いた「味噌汁のように栄養になりつつ、クセになる」「脂の旨味に頼らず、ダシの旨味で食べられる」一杯とのこと。
外の丸椅子で待つ間も、店の中からは煮干しフレバーがふわり。メニューは「らーめん」「つけめん」の2軸で、値は張るが私はチャーシュー麺をオススメしたい。らーめんのスープは豚ゲンコツ+鶏ガラの動物系と、煮干し、サバ節、鰹節の魚介系を合わせたもの。カエシには醤油と天然塩を使用している。
POPの「脂の旨味に頼らず…」の言葉通り、脂控え目でアッサリした飲み口だが旨味は十分。そこに合わせる麺も、また秀逸。菅野製麺所の特製たまご麺なのだが、これがモッチリしっとりとして、スープを存分に吸って旨いのだ。ホロホロのチャーシューも、肉の風味を損ねない、しかし不足もない、絶妙な味付けになっている。
そして、脂・塩分が控えめなので食べ疲れをしない点も嬉しい。これは確かに、毎日食べられる一杯だ。ちなみに、店名は広く皆に望まれる店を目指し「広皆望=こうかいぼう」と付けたそう。味はもちろん、丁寧な接客が光る奥様とご主人の阿吽の呼吸も気持ちがいい。まさに広皆望を全身で体現している名店である。
<店舗データ>
【店名】 こうかいぼう
【住所】 東京都江東区深川2-13-10
【最寄】 東京メトロ東西線「門前仲町駅」徒歩6分