つくば屈指の名店「鬼者語」は替玉必須
つくばエクスプレス・万博記念公園駅から南東方向へ約4.5キロ。車なら10分程度、歩くと1時間ほど。国道408号=牛久学園通りの果樹試験場入口信号を西に折れた道沿いで2016年5月から営業する行列店「つくばらーめん 鬼者語」へ。ご主人の大久保陽介氏はバックパッカーとしてアジアを巡った後、総合格闘家として活動。
その後、川越のつけ麺の名店「頑者」で修行し独立創業したという異色のキャリアの持ち主である。修行元とはまた違う、独創的で美しい丼相のラーメン、そして単体でも一品料理として成立するハイクオリティの替玉で人気を博している。つくば「芛堂寺」、坂東市「論露に不二」、我孫子「与しおか」など出身・系列の店も多い。
メディア露出も増え、つくばを代表するラーメン店と言えよう。店内はL字カウンターに9席。特に休日ともなると大行列で30分~1時間待ちは当たり前という人気ぶりだ。行列時は先ず店内で食券を購入してから、順番に並ぶルールである。過去に違法駐車による近隣トラブルがあったので、車で訪問する場合はくれぐれもご注意を。
麺メニューは、基本の「鶏と水」が醤油、塩、濃厚の3種あるほか、淡麗つけ蕎麦と濃厚つけ蕎麦も提供。また日替わりメニューも豊富で、訪れた日は「鬼者語ブラック」「キノコとコーンクリーム」「豚骨と水」の3品もラインナップしていた。それぞれ味玉、鶏むね肉、窯焼き肉、メンマ、のり、キャビア、トリュフ、鴨焼きを追加可能だ。
そして「鬼者語」といえば前述の通り、単体でも一品料理として成立する豪華な「替玉」が名物だ。値段により3段階あり、この日は230円の替玉①がシンプルな「味付き替玉」、360円の替玉②が「ジェノベーゼ」「トムヤンクン」「海老と黒胡椒」「牡蠣のソース」、そして460円の替玉③が「紅ずわい蟹のミソのソース」を用意していた。
今回は「鶏と水 醤油 特製盛(1350円)」と「替玉②(360円)」の「海老と黒胡椒」を注文することに。休日のお昼時とあって24人待ちで着席までは70分。でもスタッフが事前に食券を回収してくれるので、着席からは5分と立たずに「鶏と水」が着丼した。特製トッピングはすべて別皿に盛りつけられての提供である。実に美しい丼相だ。
スープは水と鶏だけで炊いた清湯。熊本の幻の地鶏といわれる天草大王がベースとなっており、スッキリした飲み口ながら鶏の旨味とコクがたっぷりで実に良い味である。そこに鬼者語系列御用達の菅野製麺所特製の中細ストレート麺「翁千歳三番叟」が泳ぐ。ツルリとした麺肌とパツっとした歯触りでスープとの相性は抜群である。
麺の上には鶏むね肉1枚と、炙った窯焼きの豚肉が3枚分ほど。さらに紫玉ネギ、分葱、菊の花が盛り付けられている。そして別皿トッピングには鶏むね肉2枚、窯焼き豚、甘みある黄身がトロリと溶け出す味玉が1つ。ピンクソルト、抹茶、ワサビ、バーニャカウダソース、バジルソースがあしらわれていて目でも舌でも楽しめる。
8割ほど啜ったところでスタッフに「替玉」の食券を。3分ほどで大皿に美しく盛られた一杯が到着した。オイルで和えた麺に小エビ、玉ネギ、刻みチャーシュー、黒胡椒。皿の淵には山椒粉も。そのままでも、残ったスープに浸けても絶品。最後まで美味しく頂いた。行列必至だが、良い食体験を楽しめるので是非一度訪れてみてほしい。
<店舗データ>
【店名】 つくばらーめん 鬼者語
【住所】 茨城県つくば市榎戸685-5
【最寄】 つくばエクスプレス「万博記念公園駅」徒歩60分(4.5km)