野田醤油で出汁の旨味を活かした一杯
東武野田線・初石駅から歩いて1分ほど、初石商店街で営業する「麺屋あじくま」へ。コチラではお隣・野田市の名物である醤油を使ったラーメンを提供。現在はここ初石本店のほか、柏インターそばにも支店を展開している。店内はカウンター6席とテーブル8席ほど。混雑時はウェイティングボートに記名して待つルールだ。
麺メニューだが、創業当時から引き継ぐ『原点の味』という白醤油の「中華そば 白」を筆頭に、再仕込み醤油を使った「中華そば 黒」、花椒と胡麻の効いた「赤ラーメン」、そして野田・窪田味噌醤油の二六味噌を使った「味噌ラーメン」の4種のラーメンをラインナップ。また「つけ麺」も白、黒、胡麻、味噌の4種がある。
なお麺を太麺と細麺から選べる上、プラス30円で豚骨ベースのクリーミーなスープ「トクマロ」に変更も可能だ。ほか、白醤油味のスープで炊き上げた「くまごはん」をはじめ、玉子かけご飯や、それぞれ高菜、チャーシュー、チャーシューカツ、唐揚げ、メンマを乗せたミニ丼も用意。餃子や手作り杏仁豆腐も提供している。
今回は原点の味という「中華そば 白(860円)」を細麺で注文することに。着丼までは12分ほど。澄んだスープは鯖の焼干しや削り節などの魚介出汁と、鶏ガラ主体の動物系出汁を合わせたもの。そしてカエシに使っているのは天保元年(1830年)創業、野田市の老舗・キノエネ醤油が国内出荷量No.1を誇る「白しょうゆ」だ。
白醤油は小麦を主原料に少量の大豆を加え、色の濃化を抑えて作った醤油で、糖分は高いが旨味は抑えてあるので、料理の素材の味や彩りを活かすのに丁度良い。脂肪分の混ざりこみを抑えてアッサリと仕上げたこの出汁との相性は抜群だ。そこに鯖の焼き干しや削り節の風味を移した香味油が重なり旨い。沁みるスープだ。
そこに泳ぐのは少し縮れた中細麺。粉や製法を指定した店のオリジナルでコシがありスープとの絡みも良い。チャーシューは脂身がトロけ赤身はホロホロの三枚肉が2枚。香ばしく絶品だ。ほか黄身が舌で解ける味玉、生姜香るメンマ、海苔、貝割れ、刻みネギが乗る。じんわり旨い一杯、美味しく完食した。次回は味噌を啜りたい。
<店舗データ>
【店名】 麺屋あじくま
【住所】 千葉県流山市西初石3-98-22
【最寄】 東武野田線「初石駅」徒歩1分