昨日、診察室の電灯がひとつ壊れて点かなくなっってしまったので、その工事の手配をしに出かけた以外は、秋分の日は、読書の秋、勉強の一日にしました。
先日の国際鼻科学会で、自分の知識の足りない部分が分かったからです。耳鼻咽喉科の患者さんの病気は、中耳炎や副鼻腔炎、咽喉頭炎といった感染症が圧倒的に多いのですが、感染症には免疫が大きく関係します。もちろんアレルギー性の炎症は免疫によって起こります。免疫には獲得免疫と自然免疫とがあります。獲得免疫とは、一度ウイルスや細菌に感染すると、それらの外敵に対して戦う準備ができることです。自然免疫とは、はじめから皆が持っている、外敵と戦う仕組みです。この自然免疫についての研究が、この10年間急速に進歩しているのです。
断片的な知識は得ていたのですが、学会で全体像が分かると、知っておくべきことが見えてきました。こういう基礎的な知識によって、すぐ診療のやり方が変わるわけではありません。でも病気は、マニュアルどおりにやれば皆同じように治るわけではなく、その患者さんひとりひとりの症状に合わせた、工夫が必要です。基礎的なことを理解することは、より正しく判断し、少しでも良い治療法を選択することにつながるのです。