ここしばらく忙しかったのですが、今日は何も予定のない休日、午後に久しぶりに映画を観ました。あれほど頻繁に行っていた映画なのに、3月11日以降ほとんど行っていませんでした。TOHOシネマズ横浜が、震災後かなり長い間閉館していたこともありますが、他の映画館で観ることもできたのに、あまり観に行く気になれなかったのです。
”親愛なる君へ(Dear Jhon)”。”君に読む物語”のニコラス・スパークスの小説を原作に、ラッセ・ハルストレムが監督。“ギルバート・ブレイク”、“サイダーハウス・ルールズ”などの傑作に比べると、最近調子を落としていたラッセ・ハルストレム監督が、久々に彼らしい作品を撮りました。米国では、それなりにヒットしたのですが、評論家の評は辛く、日本での公開のされかたもかなり冷遇されたものです。しかしこの映画は、愛を描いた佳作です。
ラッセ・ハルストレム監督が、単なる若い男女のラヴ・ストーリーを撮るわけがなく、愛といっても若い男女の幼いが純粋な愛から、二組の父子の愛、隣人への愛まで、2時間に満たない時間の中で描かれ、すべてが心に迫ります。若い主人公たちも、つらい経験を経て大人になりますが、この映画は若い人たちより大人の方が、感銘を受けるかも知れません。米国の評論家は、類型的なストーリーに盛り上がりのない演出と酷評したと伝えられますが、否応のない孤独や、苦痛を伴っても持ち続ける愛が、静かに描かれ、わたし的には、かなり評価の高い映画です。
主役のふたりは、チャニング・テイタムとアマンダ・サイフリット。チャニング・テイタムは戦争アクション映画などで主役もやっているようですが、わたしの守備範囲ではなく、はじめて見ました。この映画の彼は、強靭な兵士の肉体の中のナイーブで純粋な精神を、みごとに体現していました。ソダーバーグ監督の彼の次回作が楽しみです。アマンダ・サイフリットも初見です。