朝のニュースで知って驚きましたが、考えてみれば予想できたことかも知れません。今年で契約の切れるマリナーズは、今期も最下位が決定的で、イチローも絶不調で限界説も出て、チームは変革が必要な時期を迎えています。一方、好調ヤンキースは、優勝、ワールドシリーズ制覇に向けて、さらに戦力補強をしたいところ、守備走塁に秀でた外野手ガードナーが手術をして今季絶望なので、年俸の一部をマリナーズが負担してくれるであろうイチローが、マイナーの若い投手ふたりと交換で獲れるなら、大歓迎でしょう。
イチローにとっても、マリナーズでは引退するまで無理であろう、念願のワールドシリーズ出場のチャンスとなります。もちろん、ヤンキースではレギュラーが保証されているわけではなく、今季のマリナーズでの成績のままでは、それも絵に描いた餅になりかねません。またどんなに活躍しても、来期ヤンキースがイチローと契約することは、まずないでしょう。イチローはあくまで、今期の優勝、ワールドシリーズ制覇のための助っ人の扱いでしょう。
イチローは、トレードが発表されて即その日の試合、それも昨日まで在籍したマリナーズとの試合に、ヤンキースの背番号31を付けて出場しました。イチローの背番号31はなんだか違和感がありますが、オリックスでもマリナーズでも付けていた51番は、イチローが昔から尊敬するバーニーウィリアムスの番号です。イチローは現時点では、この番号を付けるわけにはいかないと、51番以外の番号を希望したとのことです。
後半戦、ヤンキースのイチローはどのようなプレーを見せてくれるのか、ワールドシリーズを花道に引退することになるのか、たいした活躍もできずにフェードアウトしていってしまうのか。それとも、ヤンキースの期待を大きく上回る活躍をして、さらに新しい活躍の場を勝ち取ることができるのか。そうあって欲しいものです。
ガードナーが遅れたときの保険として、イチローに大幅減棒の1年契約を提示する可能性はありますが、それではイチローの方が受けないでしょう。ヤンキース以外に、イチローをもっと必要としているチームはあるでしょうし。
もともと、マリナーズの広いセーフコフィールドと違い、ヤンキースタジアムのライトは狭いので、守備と走塁のイチロータイプの選手よりも、ホームランバッターが活躍しやすい球場です。(ライトに比べ左中間は広いので、昨日の一試合目は慣れたライトでしたが、レフトを守るようになる可能性はあります)
でも、残り3ヶ月で、イチローがかつてのように3割5分の打率をあげ、いいところで好守備や好走塁を何回も見せれば、全く状況は変わります。現在とそう変わらない年棒の複数年契約を勝ち取るぐらいの活躍を、期待していますし、彼自身もそうしてみせるという決意の、移籍と思います。