食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

助け合い

2011-03-29 06:23:39 | 日記
 今回の大震災において、現在、劣悪な環境と戦われている方々を、我々は、泣きの涙で見守り、応援するしか術はない。


 NHK 経由で、ささやかながら義援金を出した。 


 海外メディアで繰り返し報道されているように、日本人の助け合いの心は、美しい。


 アメリカの精神が自由で、フランスの精神が平等・博愛、ならまさに日本の精神は「助け合い 」といっても過言ではないと思う。


 英訳するなら、cooperation charity mutual aid help each other のようになると思われるが、一連のアルファベットは、感傷的な響きをもって心の隅にはとどかない。 日本人の琴線にはふれないのである。


 「 助け合い 」 、( 私のようなものでも、お役に立てれば ) といった恥じらい、謙虚さ、我が国の歴史が育んできた文化がそこにある。


 日本には、愛はなく、恋しかない。というのと同じ感情が込められている。


 そもそも、我が国は、信頼関係を基盤にし、強い地域コミュニティーを形成してきた。


 古くは、「 無尽 」 「 頼母子講 」 などがあり、これらは、地域内における人々の信頼関係の上につくられた、金銭的な相互扶助システムである。


 やがて、それが明治以降の金融制度改革の変遷を経て、無尽会社、相互銀行になるのである。


 格差社会に入り、貧困者の数が増加し、無縁社会に入り血縁、地縁が希薄となってきた現在、あらためて地域コミュニティーの強化を思う。


 地方銀行や信用金庫など、地域密着型の金融機関には、メガバンクではできない役割が多分にある。 


 地域経済の活性、環境保護、 子育て支援、などへの寄付を盛り込んだ定期預金商品の販売など、積極的に事業展開してほしい。


 地域コミュニティーの強化、馴れ合いから生まれる既得権益ではない助け合いの精神が底流にある街づくり。


 犠牲になった多くの尊い命と共に、我々は、一人一人の熱意と執着により、日本が再建する道を進む。