歴史好き歯医者のひとり言~ 鮎川儀介という大物がいました。今、タイムリーなので出したのですが、日産コンツェルン、日立グループの創始者です。 伊藤忠商事のドンで戦後日本政治の参謀と呼ばれた瀬島龍三(山崎豊子原作、不毛地帯の主人公)や、戦後政財界の裏の怪物、児玉誉士夫と時代を同じくして、戦前、旧満州国で暗躍した中のおひとりです。 鮎川氏も満州で築き上げた人脈を生かし、戦後日本の政財界ににらみを利かせておりました。 ただ、児玉誉士夫を筆頭に、「満州で暗躍」の文字からはイコール、アヘン利権という裏の側面が浮かび上がるのですが、鮎川氏に関しては、頭脳明晰、敏腕経営、きな臭さがなく、物語に凹凸がつけづらいのでしょうか、これだけの人物なのに、彼をモチーフにしたドラマ・映画・小説を、僕は寡聞にして知りません。(もちろん、ノンフィクション系で、彼の生涯を描いた本は無数あるでしょう) 話を現実に戻して~ ルノーはフランス政府が大株主であり、経営統合は「日産がフランスの企業になる」ことを意味するのは、僕でもわかります。 日産とルノーの関係は、個人と個人との関係にも当てはまり、非常にわかりやすいのですが、もともとは、日産の経営危機をルノーの出資、ゴーン会長の指導力が救ったのは厳然たる事実です。 しかし、近年はむしろ、ルノーが日産株の配当で食いつないでいるようです。 今更言うまでもなく、ゴーン会長の入り口にすぎない、巨額な有価証券報告書の虚偽記載。 そして、先日のフランス経済省だか何とか省だかわすれましたが、大臣が記者会見しておりました。「フランスは推定無罪の国であり、日産の対応に不快感を覚える。日本政府もこの件に対し、適切な対応を望む」 おいおい、ちょっと待ってくれ。 市場に国が口を挟むって、基本、してはいけない、禁じ手じゃないですか。 これじゃあ、中国と同じでしょうが。 大株主がフランス政府だとしても、政府高官が言うべきではないでしょう。 これでは、憎しみの矛先がフランス国になってしまいます。 まあ、フランスはフランス革命を起こした社会主義の国ですから仕方がありませんが。 ボルボの株もルノーが(フランス政府がと言っても過言ではない)20%持っており、その株もルノーの売り上げではなく、日産株の配当、日産技術者の英知で買っていることを考えると胸糞悪い。 日本国のプライドにかけて、日産社長、東京地検特捜部にエールを送ります。