食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

黄金のリンゴ

2014-06-11 07:16:11 | 日記
 wikipedia で今日、6月11日を検索すると、「 紀元前1184年、トロイが滅び、トロイヤ戦争が終結する 」とある。

ギリシャ神話に「 黄金のリンゴ 」という物語があります。ご存じない方のため、僕のたどたどしい記憶を思い起こしてみます。 女神と人間(ギリシャの王様)の結婚式があり、一人だけ、披露宴に呼ばれなかった女神がいました。嫉妬と争いの女神エリスです。嫉妬と争い、なんて結婚式には縁起悪いから故意に呼ばれなかったんです。エリスは嫉妬します。「 よし、披露宴で争いをおこし、めちゃくちゃにしてやろう 」宴会場に黄金のりんごを投げ込みます。突然、宴席者の前に転がり込んできた黄金のリンゴには、「 最も美しい女神がこれをもらえる権利を有する 」と書かれてあります。黄金のリンゴの獲得に、三人の女神が名乗りを上げ、大ゲンカになります。ゼウスの妻ヘラ、ゼウスの娘アテネ、そして美の女神ビーナスです。ゼウスは恨まれたくないので、ジャッジをトロイの王子パリスにゆだねてしまうのです。逡巡したあげく彼は、ビーナスに黄金のリンゴを渡しました。そのお礼にと、ビーナスは絶世の美女ヘレネをパリスに引き合わせるのです。ヘレネを一目みたパリスは恋に落ち、彼女を連れてトロイに戻りますが、実は、このヘレネ、ギリシャのスパルタ王妃だったんです。当然、スパルタ王は激怒します。ギリシャの大群を引き連れトロイに攻め込みました。その中にはあのアキレスもいたんですよ(アキレス腱の語源となった英雄)。これが、トロイの木馬で有名な「 トロイヤ戦争 」です。黄金のリンゴも、トロイの木馬も、完全な神話かもしれません。けど、この物語は古代ギリシャ時代の戦争で、策略がいかに重要かを示しているように思われます。さて、時代はとんで、東ローマ帝国時代。皇帝のお妃選びのため全国から選りすぐりの美女が宮殿に集められました。皇帝が指名したその中の一人に「 黄金のリンゴ 」が渡されたのです。そう、現在さかんにおこなわれている美人コンテスト。祖形は東ローマ帝国のお妃選び。さらにさかのぼると、ギリシャ神話にあったのです。