数日前、川島なお美さんが亡くなられた。感性の鋭い方で、もっと本を書いていただきたかった。エッセイのようなものを読みたかった。 残念というより、悔しくてならない。僕は子供のときから、なんとなく自分は死なないと思っていた。それでもこうして誰かの突然の訃報を受けとると、それが自分の身にふりかからない保証はまったくないと感じるようになった。おそらく、僕だけでなく、たいていのひとが、自分だけは死なないと思って生きているにちがいない。 正直、死ぬのは怖いし、受け入れたくない。 けど、生と死は対極にあるのではなく、生老病死はすべて自然に連なっている、と思うようにすると、楽にそして慎重に生きられるような気がする。