昨晩の、BS-NHK「偉人たちの健康診断」は、葛飾北斎でした。人生50年と言われた時代に、90歳まで生きた葛飾北斎、長寿の秘訣・秘密は、適当に自由に生きる、だったようです。当たり前と言えば当たり前ですよね。ストレスがたまりませんから、人間関係に悩まず、自由気ままに、みんなそんな風に生きていきたいのですから。一芸に秀でた大天才だからこそ、成しえた生き方でありましょう。うらやましい! ひとつ、獲得できた知識があります。彼はいつも、布団をかぶってうつぶせで絵を描くという物臭な姿勢に徹していたようです。この姿勢、実は、腸内細菌を活発にさせ、腸内環境を良好に保つのに最適なものなのだそうです。それも長寿の秘訣だったのですね。葛飾北斎と同じように、偏屈で、自己中心、他人に迷惑ばかりかけ、引っ越しばかりしている孤高の大天才芸術家に、ミケランジェロがいます。いや、葛飾北斎というと、ミケランジェロも同一線上に思い浮かべてしまいます。彼もまた、88歳まで生きておりますから、いかに、他人に気を遣わず、勝手気ままに生きることが、ストレスフリー、長寿の秘訣かがわかります~~ 社会生活を営んでいく上で、そんなことできっこないし、みんな、そのように生きてゆきたいんです!!! せっかくなんで、ちょっとした蘊蓄にお付き合いを~~ ミケランジェロが教皇ユリウス2世に頼まれて、嫌々ながら描いたバチカン・システィーナ礼拝堂の天井壁画。壮大な旧約物語の展開が手に取るように分かります。その中のワンシーンに、神が右手の人差指を差し出し、生命を吹き込む有名な「アダムの創造」というのがあります。映画、E.T の異星人と、少年エリオットが、指を付け合わせる有名な場面は、それをモデルに発案されたようです。 あしからず。 おとといの深夜、BS-NHK を何げなくつけると、「太平天国の乱」を放映しておりました。 歴史に興味をお持ちでない方には馴染みのない語句ですが、中国が、数千年続いた王朝国家から、共和制、現在の共産主義に移行する過程において、非常に重要なターニングポイントとなった出来事です。 一般に、孫文が、アジア初の共和制国家樹立、中国の父、と呼ばれておりますが、彼さえ、この「太平天国の乱」なしでは、革命を起こすきっかけすら作れなかったのですから。清朝末期、洪秀全という男がいました。幼い頃よりかなりの秀才、家族の期待を一身に背負い、三年おきに行われる科挙の試験を受験し続けますが受かりません。合格すれば高級官僚としての輝かしい未来が約束されます。4回目の合格発表時、悲しいかな、彼の名前はありませんでした。番組のコメンテーターは、科挙の不正、汚職、その怒りが洪秀全に気持ちの変化をもたらした、と述べられていましたが、一般的な、そして自分の管見を述べてみます。 科挙に落ち、憤懣やるかたない彼は、妄想を膨らませてゆきます。ある夜、熱病でうなされていると、夢の中に老人が現れ、「汝は現世の妖魔を取り除くために派遣された人間である」とのお告げを聞きます。キリスト教に改宗した洪秀全、全ての人間の絶対平等をかかげ、「太平天国」という組織を作り、各地で反乱を起こすに至ります。自らを天王と称し、世直し活動に突き進んでいきます。世にいう、「太平天国の乱」です。「官僚になれないなら、システム自体を変えてしまえ!」大物なのか、狂人なのか、超自己中心なのか、とにかく、数千年続いた中国王朝システムを180度変える、起爆剤になったことは、まぎれもない事実なのです。 そこから、上記した孫文が影響を受け、「辛亥革命」を起こすのですから~ (映画、1911、は非常によくまとまった内容です) 歴史の大変動、時代の大変革が、たった一人の人間の私情に端を発して起こることがありますが、まさにその典型例だと思います。 さてさて、時代を同じくして、アメリカでは、モートンという歯科医が世界で初めてのエーテル麻酔による、頭頚部腫瘍の摘出術に成功しました。 このエピソード、モートンの寂しい余生なども、先日、NHKで放映されておりました。 歴史好きにとって、NHK、特に、BS は宝がぎっしり詰まった玉手箱のようなものです~~ あしからず。