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テレビっ子のひとり突っ込み

『リボルバー・リリー』感想(ネタバレ注意) ①

2023-09-30 23:52:55 | 日本の映画


2023年 日本

◆おススメ度
★★★☆☆


◆キャスト
・小曾根百合:綾瀬はるか
・岩見良明(元海軍将校の弁護士):長谷川博己
・細見慎太(欣也の息子):羽村仁成(Go!Go!kids / ジャニーズJr.)
・津山ヨーゼフ清親(陸軍少佐):ジェシー
・山本五十六(海軍大佐):阿部サダヲ
・滝田(テーラーの主人):野村萬斎
・細見欣也/水野:豊川悦司
・植村(内務省役人):吹越満
・小沢(陸軍大佐):板尾創路
・升永達吉:橋爪功
・筒井国松:石橋蓮司
・暗殺者X:鈴木亮平
・平岡:佐藤二朗
・奈加(カフェー「ランブル」の従業員で百合の右腕):シシド・カフカ
・琴子(カフェー「ランブル」の従業員):古川琴音
・南始(謎に百合を追ってくる幣原機関の元諜報員):清水尋也


◆感想

かなり前からムビチケ買ってたにも関わらず、初日の舞台挨拶落選してちょっとやる気が落ちてたせいで放置してたら
今日が都内での上映最後っぽかったので、慌てて観てきた。
(あ、一応新宿バルト9だと、まだミッドナイト上映はしてるみたいです。ただ、その上映時間だと終電過ぎに終わるので
家に帰れません。)

放置してた間にネットニュースとか、見た人のレビューとか見てたら、かなーり酷評されていて、上映館もどんどん
減っていくし、あー、これはクソ詰まんない映画なんだなーってちょっとショック受けつつさらに意欲がなくなってた
だけども、まー、ムビチケ買っちゃってたしね、ってことで寝るの覚悟で観に行った訳です。

結果、期待値がダダ下がりしてたせいか、意外と面白かった。


◇◇

内容をちょっとご紹介

ヒロインは綾瀬はるか演じる小曾根百合。

彼女は、明治時代の終わりに台湾で設立された幣原(シデハラ)機関という特殊な戦闘能力を持ったスパイ養成所機関で
諜報員として育てられる。
冷徹非情な美しき諜報員としてアジア各国で活躍するも、10数年その世界から姿を消しているっていう・・・その辺が
冒頭サラサラーっと説明されるんですがほとんど頭に入ってこない。

(まず、幣原(シデハラ)機関って何?っていうのと、何所属で何のための諜報員かが良く分からない。何で台湾なの?
っていうのもね・・・。)

で、場面は秩父に移る。

自然豊かな場所にある、大き目の洋館。

カンカン帽被ったマフィアっぽい人々と、椅子に縛り付けられたそこの家に住む住人ぽい人たちが、細見欣也の居場所
を問い詰められ拷問の末殺される。

ちなみに、このマフィアっぽい人たちのトップっぽい感じでジェシーが登場。



そして、流れる少なくない量の血の描写。流れた血は床に滴り、さらに床下まで漏れ伝っていく・・・と、その床下には
その家の主人の息子と思しき少年、細見慎太(羽村仁成)の姿が。

この少年に血がドバァっと降りかかる描写がちょっと秀逸でもあり、凄惨な感じでもある。

床上の出来事を察した少年は、暗い林の中をとある山小屋に向かって逃げていく。


そっから場面変わって、東京玉の井にあるカフェー「ランブル」。
ここで綾瀬はるか演じる小曾根百合登場。彼女はこのカフェーの女店主っぽい感じ。
ちなみに、カフェー「ランブル」は、ちょっとライトな娼館っぽいお店。
そして、百合を訪ねてきた岩見(長谷川博己)。岩見は、近くに弁護士事務所を構えている元海軍将校だってことが後に
分かる。ここでは、惜しげもなく高級菓子を差し入れする、百合と仕事上良い関係を保つ羽振りのいい人っていう印象。
(個人的にはこの人とこの先、どうラブコメ展開になるのかちょーっとだけ期待。)



(酷評レビューでは、なぜ去年大コケした映画「はい、泳げません」の主演カップル二人をまたキャスティングしたのか、
だったら長谷川博己よりも「奥様は、取り扱い注意」の西島秀俊の方が良かったんじゃないか、とかさんざんな言われ
ようだったけど、私的には長谷川博己でよかったかなーと思った。元海軍将校の敏腕弁護士感は彼でこそ出せる業かな。)

百合は、新聞に載った秩父の細見家惨殺記事にちょっとした違和感を覚え、急遽秩父へ向かうことに。

(ここで百合が気にしているのが、「国松がこんなことするはずない・・・」っていうものなんだけど、国松が何者なの
かも、国松って人のこの事件との関りがどう報道されているのかもよく分からない。聞いてなかっただけで、国松が犯人
で自害したとかいう新聞の見出しだったのかも・・・?)

百合が秩父で向かった先は、少年が逃げ込んだと思われる山小屋だったが、百合が到着した際はすでに山小屋が半壊し
廃墟のような、瓦礫(壊れた木材)の山のような状態になっているのがここでは謎。

そこに多分ジェシーたちが大勢の部下たちを引き連れてやってくる。マフィア感のあったジェシーたちは陸軍の兵士たち
だってことが判明。

存在を悟られないよう、山小屋を後にする百合。

帰りの汽車の中、百合はカンカン帽の男たちに追われ拘束されそうになっている少年(細見慎太)に遭遇し、成り行き上
彼を助けることに。

そうして行きがかり上、汽車から飛び降りた百合と少年の逃亡劇が幕を開ける。



まー、こっから(正確には汽車の中)から、ネット上で酷評されてたレビューの感想の一つ、綾瀬はるかのプロモーション
ビデオって言われる彼女の独壇場のアクションシーンが矢継ぎ早に展開される訳ですが、単純にキャスティング見て
観に来た世の女性たちは、このストーリーが良く分からないまま逃亡劇の中で繰り広げらるアクションシーンの連発に
くじけちゃうのかも・・・?。

中国ドラマで逃亡&アクションシーン見慣れている自分からしたら特にそこはフツウ(笑)。

この少年との逃亡中、百合は慎太がなぜ陸軍に追われているのかが気になって訪ねると、慎太はお腹に巻いた書類と共に
父親に「玉の井の小曾根百合って人を訪ねろ」と言われたことを話す。

自分と関りのないはずの細見欣也がなぜ自分に息子を預けようとするのか・・・謎が深まっていく。

◇◇

長引きそうなので、疲れたので一旦ここまで。

(②に続く。)
コメント (4)
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『ジョーカーゲーム』感想

2022-03-31 23:59:36 | 日本の映画


2015年 日本


◆おススメ度
★★☆☆☆


◆キャスト
・青年/嘉藤次郎 : 亀梨和也
・リン : 深田恭子
・結城中佐 : 伊勢谷友介
・三好 :小出恵介
・小田切 : 山本浩司
・実井 : 渋川清彦


◆感想

柳広司の「ジョーカー・ゲーム」が原作の映画です。

原作の小説が好きで、それが映画化される!しかも主演は亀梨!!そして深きょんまで!!!
ってなったら見ない訳には行かないでしょ!

って思ってたけど、結局ずーっと映画館で見損ねて以降見れてなかった作品。

これ、ほんと好きなシリーズの小説なので、映画もシリーズ化して欲しいなって思ってたんだけど、今回見ようと思った時にふと出演
俳優陣を見て愕然とした・・・。

結城中佐が伊勢谷友介だし!
小出恵介も出てるし。

そして、これ、深田恭子と亀梨和也がラブラブだった時の映画だし!!!!

みたいな。

もう、続編はないな、ってがっかりしながら見たんですけども・・・。



ちょーっとねー、いや、カナーリ微妙でした。

原作をはっきり覚えてるかって言われると自信がないんですが、まず、深田恭子の役みたいなヒロインいないから。
で、このお話って、なるべく痕跡を残さず消えるっていうのを教え込まれているD機関のメンバーが活躍するハナシなのに、主演の
嘉藤次郎(亀梨)がハニートラップなんかにひかかってたりなんだりして、台無し。

原作はオムニバス形式な短編集的な感じなので仕方ないっちゃあ仕方ないんだろうけど、色んな話を組み合わせてる感じでちょっと
結果的にまとまりがなくなっちゃってるなーと。

で、ストーリーもあってないような感じな映画になっちゃってた気がします。
(原作に忠実なアニメの方が面白かったかも。)


一応概要の紹介。

舞台は第二次世界大戦に突入するかしないかくらいの時代の日本。陸軍の結城中佐は、スパイ組織・D機関を創設。

そして、ここに軍の規律を破ったために銃殺刑が執行されようとしていた士官兵の青年(亀梨和也)が結城中佐にスカウトされ、D機関
訓練生となるところから物語が始まります。



D機関では、青年がそれまで陸軍で受けた教育がすべて覆され、「死ぬな、殺すな」の精神を叩きこまれます。

訓練生たちは互いの素性を知らないまま様々な訓練(ピン一つで錠前を解錠する方法、一瞬見ただけで机の上に載ったものを正確に
記憶することなど様々)を受け、やがて嘉藤も優秀なスパイへと成長していきます。
(軍人は、軍人として体に叩き込まれた姿勢や歩き方などのクセなんかがつい出てしまうので、本来D機関のメンバーは民間から採用
されている人々だったりします。)

ある時、結城中佐は参謀本部に呼び出され、新型爆弾の製造法が書かれた極秘書類・ブラックノートの奪取を命じられます。
(そもそもこれが、結城中佐の部隊を快く思わない参謀本部などの軍幹部たちの結城中佐を潰すためのトラップだったりもするん
ですが。)

ブラックノートはアメリカ大使アーネスト・グラハムの手にあり、2週間後には帰国するというグラハムと共に、アメリカ本国へ
引き渡されることになっていました。

このノートの奪取を命じられた青年は嘉藤次郎という身分を与えられ、チェスの腕前を利用してグラハムに近づき、招かれる形で
グラハム邸への潜入に成功。

しかし、彼はそこで激しく叱責を受ける中国人メイドのリン(深田恭子)に遭遇します。

彼女がきになっちってしまう嘉藤は、その夜ブラックノートのありかを探すために再度グラハム邸を訪れますが、そこでグラハム
から性暴力を受けようとしているリンをコッソリ助けちゃってリンに顔バレしちゃいます。

その後、街でバッタリ会ったリンに声をかけ、自分が偽装で営んでいる写真館に誘い、写真撮ったりなんかしてちょっとだけ心
が通じてリンをグラハムの元から連れ出そうと誘いをかけちゃったりしちゃう嘉藤。
(ここで、リンは偽名で実際は日本人だっていうことが判明。)

グラハム退任パーティーに潜入し、そこでうまいことブラックノートが写る写真のネガを手に入れた嘉藤は、英国諜報機関の
キャンベルに見つかりちょっとした乱闘になるも、なんとか抜け出すことに成功。

その姿を見たリンは、嘉藤の後を追い、グラハムのところから抜け出して嘉藤と共に行くことを告げます。
それを聞いてテンション上がっちゃう嘉藤。
リンと見つめ合っていい感じになってキスして・・・なんか路地裏でその辺に干してあったシーツが絡まっちゃって牛小屋で
ラブシーンが始まっちゃいます。



しかし、隙を見せた嘉藤の上着から、ブラックノートのネガを奪い取ると、嘉藤を置いて逃げ出すリン。

実はリンはお金で動くスパイなのでした。

しかし、そこに英国諜報機関の追っ手が迫り・・・・




原作レイプって言葉をたまに聞きますが・・・もしかしてコレがそうかも?って思ってしまった作品でした。

原作に思い入れが強すぎるっていう訳じゃないと思うんですけどねー。「永遠の0」とか「図書館戦争」「大奥」(ニノが出てる方)
とか、原作読んで好きになってそっから映像化作品観たけど、フツウに楽しめたけどなー。

まぁ、でも結城中佐に伊勢谷友介の配役ははまり役と当時思ったんだけど、意外と結城中佐の妖艶な感じも全然出てないし、そも
そも本編に出てこないし、やっぱイマイチだったかなー。


ちょっとねー、なぜか高度な訓練を受けて仕上がってるはずの嘉藤が、そんな2、3回会っただけの女に骨抜きにされちゃうって
いう映画オリジナル設定っぽいとこに軽く失望しました。

まー、ヒロイン不在な原作を手っ取り早くエンターテイメントに仕上げるためにこうなったんだと思うんですが・・・

ちょっと、ルパンと不二子とその仲間たち、みたいなテイストになっちゃってました。
(ヘタに原作に拘らず、そういうやつだと思えば行けるのかも。)

もしかして、この映画のルパン三世感が後のルパンの娘の構想に繋がってたりするとか?



あ、それからラストの危機脱出劇部分、気の遠くなるような螺旋階段に穴の開いた火薬の袋引きずって導火線みたいな仕込みを
するんですが、その仕上げをする前に追っ手につかまっちゃって銃で撃たれて絶体絶命って時に英国諜報部のマークス中佐から
くすねたライターで命拾い、からのそのライターを適当に階段方面に投げ、ライターがあちこちにぶつかって着火スイッチ押さ
れた感じで火薬ラインに落下。で、いい感じに火がつくんだけど、ドミノ倒しの失敗みたいに火薬が途切れてる部分があって、
やばい!ってところにうまい具合に嘉藤が撮ったリンの写真がパサーっとかぶさっていい感じに途切れた火薬の橋渡し。

で、予定通りの爆発。

あり得ないだろー、っては思うけど、ここだけなんかコナンの劇場版の最後部分みたいで笑っちゃいました。

ずっとこの作品観てなかったのが心残りだったので、結果はどうあれ観れてよかった。









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『薔薇とチューリップ』感想・あらすじ(ネタバレ注意)

2021-08-24 23:56:48 | 日本の映画
       
2019年 日本の映画

◆おススメ度
★☆☆☆☆


◆キャスト
・デウォン/ネロ:ジュノ(2PM)
・かおり:谷村美月
・ミョンア:玄理
・悦子:ふせえり
・ジンイル:チャンソン(2PM)


◆感想・あらすじ(ネタバレ注意)

"2PM・ジュノが天才画家とピュアな留学生の一人二役に挑んだ胸キュン・ラブコメディ"っていうキャッチコピーなんだけど・・・・ナニコレ?

全然ラブコメじゃねぇ!!!!!

びっくりです。
あまりに衝撃的だったので、珍しく、昨日見た映画の旬な感想です。
(もう、過去に見終わった韓国ドラマ、中国ドラマが溜まりすぎて、全部処理しきれるのかって感じ・・・)

うーん、内容としては、けっこう単調系な映画にはありがちな、モラトリアム期における青年の成長を描いた作品、みたいな?

この映画向けのコピーと予告動画作った人すごいわ。ダマされて見ちゃったよ。

あらすじとしては、
          
現代アートのカリスマと言われる韓国人画家、ネロ・パーク(JY・Park的な?)が、イベントのために日本に来日する。ネロは世界的に人気があるため、
コピー(偽物)画も多く出回っていて、ファンがそれを見つけてはSNSに投稿するっていうのも流行っている様子。そこで、ネロはふと、ある地方の温泉
旅館にあった絵をネロのコピーだとする投稿に目を止める。

時を同じくして、日本に留学中の大学生デウォン。友人ジンイル(チャンソン。ここでしか登場しない。)とどっかの食堂でランチタイム。テレビで
ネロ来日のニュースを見てジンイルが、「あいつ、お前に似てないか?」というが、興味のないデウォンは「現代アート?現代(ヒュンダイ(ヒョンデ))
の車に絵でも描いてるの?」と聞き返す。デウォンがテレビに目を向けると、ちょうど痛車にスポットを当てたニュースに切り替わっていて、勘違い
しちゃうデウォン。(「あれは"痛車(イタシャ)"だ」と説明するジンイル。韓国でも痛車はイタシャらしい。)
そしてデウォンは、アキバで握手会に行くというジンイルと別れて大好きな温泉旅館へ。
       
実家の旅館で母親の葬儀を行うかおり。かおりは、花が好きで数年前に家を出て東京で花屋のアルバイトをしている。いつか自分のお店を持つのが夢
らしい。
母親が一人で切り盛りしていた旅館をどうするか問われ、戻ってきて続けるのは無理だと告げると、とりあえず、今の予約がある分だけでも営業しないと
と中居頭の悦子に諭され、若女将的な仕事を始める。

悦子に言われ、お風呂掃除をしていたかおりは、休館日のはずなのに温泉に入っているデウォンと出会う。
男湯にいる女性にびっくりし、慌てて湯から上がったデウォンは、落ちていた石鹸を踏んで滑って転び、気を失ってしまう。

自分がそのままにしていた石鹸で足を滑らせてしまったデウォンに謝り、好きなだけここにいていいよと話すかおり。
喜ぶデウォンはまたお風呂へ。

そこに、SNS投稿にあった絵画を求めてやってきたネロ。
お風呂でデウォンに会ったネロは、デウォンに100万円で入れ替わりを提案し、ネロの服を着て歩いていたデウォンは、たまたまいいタイミングでネロ
を探しにやってきたマネージャのミョンアに連れ去られてしまい・・・・。

残ったネロをデウォンと信じて接するかおり。ネロは、目的の絵を見つけるとかおりに商談を持ち掛ける。
札束をぽんぽんと出すネロに、これで借金が返せると喜ぶ悦子だが、ネロにはある目的があり・・・。


◇◆◇

掃除中のかおりとデウォンがお風呂で出会ったり、その後裸でデウォンが気を失ったり、かと思ったらネロと入れ替わった瞬間デウォンにとっては
見知らぬ人に連れ去られてしまう・・・・っていうここまではほんとコメディって感じで面白く、期待値大だったんですが、待てど暮らせどかおり
とのラブに発展する場面がやってこない・・・。

最初の内はデウォンとのラブコメ展開かなと思ってたのに、あっさり連れ去られて離れて行ってしまうし、かおりは入れ替わったことにすら気づか
ないし、だったらネロ路線かと期待して、ようやく信頼関係を築き始めたかなって時に、ネロが改心してマネージャのミョンアに電話したかと思ったら
ミョンアに対する「サランヘ」の言葉で絶望に・・・。

そしてその後特にかおりとの接点もなく終盤へ。
けれど、ようやく最後の最後にデウォンがかおりの旅館で働かせてほしい!って言ってきて、即採用されたはいいが、そのままオワリって言うね。
        

東村アキコが、2PMジュノのために描いたマンガをそのまま脚本に起こして映画化したみたいなんだけど・・・うーん、海月姫とかタラレバ娘とかで
実績積んだからけっこうすんなりジュノ映像化の希望が通ったみたいな?ほんとに東村アキコの趣味の映画なのかも。
(でも、ジュノのために書き下ろし、って言ってるから、先に企画ありきで書いたものなのかな?テルマエロマエ要素も入れてみてー、みたいな。)


この映画公開の年に同じく東村アキコ原作の「偽装不倫」のドラマやってたけど、そっちは主人公の相手役は原作の韓国人設定からフツウに日本人
(宮沢氷魚)になってたけど、映画製作途中で、あ、これ駄作だわ、って誰かが気づいたんだろうか(笑)それとも国家間の情勢的な問題かなー。

この映画、「日本人が作った反日映画だ!」ってネット上で煽ってる人いるけど、主人公はちゃんと日本語を話せるし、日本の温泉が好き!っていう
設定だし、日本の画家の才能を見抜いて盗作してしまう、っていうストーリーなので、ほんと、東村アキコがただただ2PMのジュノが大好き!ってだけ
で、特に反日的な不快感とかは感じない作品ではあります。


薔薇     → 天才(飾り立てた完璧な美しさ)
チューリップ → 凡人(素朴なありのままの美しさ)

って感じで対比構造になってるっぽいんだけど、全然その例えが上手くない・・・・。
そしてラストの方で、ミョンアがチューリップの花束を持って、「満開のチューリップってこんなにきれいだったのね」的なセリフがあるんだけど、
そのチューリップがあまりきれいに見えない・・・。

あ、あと、ネロが温泉旅館に土足で入ってくるシーン。誰か気づいて、コメディ要素入れて注意するんだろうと思いきや、スルー。土足ってとこだけ
原作に忠実で、注意するシーンはカットって、なんか、ただただもやっとする。


原作の東村アキコはCookie(その前身の「ぶ~け」からだけど)を購読してたので、「きせかえユカちゃん」の頃から作品読んでますが、個性的で
多才な漫画家さんです。わりと私生活というか、普段のオフの遊びの部分もおまけマンガにしたりするので、親しみ出ちゃう。(それが行き過ぎて
「ママはテンパリスト」って、おまけマンガのスピンオフ的な本編マンガになっちゃったりしてますが。)

以前、新井祥っていう漫画家さんの「性別がない!」ってマンガ読んでたら、そのマンガの中で彼(彼女?)がIKKANていう演出家と結婚してたけど
円満離婚したっていう話が載ってて、IKKANて誰よ?って思ってたら「ママはテンパリスト」に東村アキコの別居婚相手として登場して、めっちゃ
驚いたっていうことがありました。

結局東村アキコもIKKANとは離婚して、「海月姫」でデザイン系のお話描いてたかと思ったらデザイナーと再婚してまた別れたりしてるし、けど、
そういう生活のすべてが作品や才能として昇華されて行っているようですごいなと思います。
ちなみに、弟は「となりの関くん」の作者らしいです。



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『水曜日が消えた』感想・あらすじ(ネタバレ注意)

2021-08-13 23:30:16 | 日本の映画
      
2020年 日本の映画

◆おススメ度
★★☆☆☆


◆キャスト
斎藤数馬(僕):中村倫也
一ノ瀬(僕の友人):石橋菜津美
安藤(主人公の主治医):きたろう
瑞野(図書館で働く女性):深川麻衣
高橋(月曜日の僕の友人):休日課長
新木(安藤の助手):中島歩


◆感想・内容紹介(ネタバレあり)

最近、字幕に慣れてたので、たまに邦画を見るとセリフがめっちゃ聞き取りにくい。かといって音量上げると、突然の効果音が大音量で響いたりするし。
(単純にサウンドバーの設定をもっと調整すればいいだけの話かもしれないけども・・・。)

去年、中村倫也がこの映画のプロモーションのためによくバラエティ番組出てたのはみかけていて、タイトルだけは知っててちょっと観てみたいなとは思って
たんだけど、コロナでなかなか映画館へ行くことができなくて、今回プライムになってたので見てみた。
中村倫也のプロモーションは流し見してたので、内容は知らず。ただ、断片的に「月曜から日曜までがいて、その中で水曜日がいなくなっちゃって・・」そうすると
秩序がどうのって言ってたような気がしたけど、よく覚えてない。
月曜から日曜までの日替わりの恋人がいるのかなー、くらいに思ってたら・・・


月曜から日曜日までそれぞれの曜日に出現する7人格を持つ、解離性同一性障害を患う青年の話だった。

物語は火曜日だけ目覚める僕の起床から始まる。

中村倫也演じる僕が、火曜日にの7時に目覚めると、寝間着はひどいタバコ臭、サイドテーブルには「後はよろしく」のメモ。そして、タバコの吸い殻や酒の空き缶
などが部屋に散らばり、おまけにベッドの隣には知らない女が寝ていたりする。火曜日の朝は、そんな状況の片付けから始まる。

タバコの吸い殻や空き缶を捨て、冷蔵庫の賞味期限切れの食品を片付け、他の曜日からの伝言を確認し、他の曜日の1週間の出来事、例えば日曜日が遺した釣果の
記録(でかい魚の魚拓)なんかを確認し、ゴハンを食べて研究施設へ向かう。
         
主治医との面談の後は、家に帰り、テーブル代わりになっている卓球台の上を片付け、トレーニング代わりに卓球の壁打ち。
その間に、友人の一ノ瀬が家に訪ねて来て、愚痴を言うのがどうやら火曜の僕のルーティーン。

火曜日担当の「僕」は言う。目が覚めたらいつも火曜日だし、1年は52日しかないし、朝の音楽はバッハで帰りの音楽はドヴォルザーク。(小学校の登下校の放送音楽
かな?)図書館はいつも休館日。1週間で一番つまらない日だ、と。


あー、なるほど!「水曜日が消えた」って言うのは、火曜日しか生きられない僕が、火曜日の不満を言ってたら、水曜日の人格がいなくなっちゃって、火曜日の僕が
火曜日と水曜日を生きることになっちゃうって話か!あ、ついでにどんどん他の曜日の人格も統合されていって、統合失調症が治るって話かな。

なんて思ってたら、次に僕が目覚めたのは予想通り、水曜日の朝。
火曜の僕は、目覚めるといつものルーティーンでシャツの臭いを確かめるが臭くない。テレビを見て、慌てて燃えるごみを出しに行くも、タッチの差でゴミ収集車が
去ってしまう・・・。

訳が分からず、火曜日の僕がごみ袋を持って立ち尽くしていると、自分を知ってそうな雰囲気の女性に会釈される。いつもと違う朝に、火曜日の僕は自分が水曜日に
目覚めたことを再確認し、嬉しくなる。早速、いつも閉まっている図書館に出かける火曜日の僕。

そして、火曜日の僕はそこで、今朝会った女性に再会する。
いつも火曜日の枠に閉じこもってた僕は、そこから外に出られたこと、そして、初めて知り合った女性と声を交わしたことでテンションが上がり、その女性に恋を
してしまう。

そして翌週の火曜日。シャツは臭く、タバコの吸い殻と空き缶だらけの部屋。いつもの火曜日。ベッドの隣には・・・ヒゲ面のオッサン!!
「続き、やる?」
と言われ、驚き、オッサン(休日課長)を追い出す。
「昨日はあんなに盛り上がったのに・・・」とつぶやくオッサン。

オッサンを追い出し、月曜日はバイなのかと驚く火曜日の僕(と視聴者)。気づくと、僕はスカート履いてイヤリングにメイク。(なんじゃこりゃー!!)と思うも、
月曜の残した活動の証跡をみると、バンド衣装コンセプトとして、今の自分の格好。(つまり、あのヒゲのオッサンは音楽仲間で、昨日はセッションかなんかで盛り
上がって、その続きをやろうって言われたってことですね。ちょっと一安心。)

そして、いつもの火曜のルーティーンをこなす僕。
研究施設で、主治医に「何かあった?」と聞かれるも、何もないと誤魔化す僕。けれど、安藤先生が見てたのは日曜日の釣果の記録。ちっちゃい魚の絵(?)。「今週は
調子悪いみたいだ、日曜日君。」(ひょっとして、他の曜日も別の曜日に統合されつつあるのかな?と思う場面。)

火曜日の世界が水曜日にも広がったことにちょっとだけ喜びを感じる火曜日の僕は、先生にこのことがバレて今の生活が崩されてしまうことを恐れ、必死に隠す。

いつものように、一ノ瀬が遊びにやってくるが、図書館で借りた本について言及され、水曜日のことがバレるんじゃないかと、言い訳で口数が多くなってしまう
僕に疑いを持つ一ノ瀬。

そして、翌水曜にまた目覚める火曜日の僕。図書館の女性に言われたので、水曜日のクローゼットからシャカシャカ素材の服を選んで着るも、一ノ瀬に会い、あっけ
なくバレてしまう。
         
一ノ瀬は、僕のことを心配し、先生にちゃんと言うべきだと話す。(ここがちょっと謎な部分ですが、理由があったことが後ほど判明。)
しかし、水曜日を手に入れた火曜日の僕は、もうちょっとだけこのまま生活したいと、秘密にしてくれと懇願する。

そこから、色々あって、図書館の女性に告白されてしまう僕。一瞬浮かれるが、女性が好きになった僕は、火曜日の僕でもあるが、元々の水曜日の僕であり、月曜日
の僕でもあることを知り、困惑(軽い失望?)すると同時に、話の途中でブツブツ記憶が途切れていく現象が起こる。

異変はその後何度かあり、自宅で倒れ、携帯の着信音で意識が戻ると、今日が木曜日だということに気付く火曜日の僕。イラストレーターっぽい木曜日に、発注相手
から締め切り催促の電話があり、木曜の仕事の状況を知らない火曜日の僕はパニックに。

そうして最終的に、各曜日それぞれ自分の世界があり、やっぱり各自に彼らの世界を返すべきだと考えた火曜日の僕は、研究施設に連絡することにするが、またも
記憶が途切れ、途切れた時間の間に、月曜日の僕からの動画メッセージが再生される。
金、土、日もいつの間にか消え、それが月曜日のものになっていたと・・・。
         

まぁ、ここがこの映画の一番の盛り上がりのところなのですが、果たして結末は・・・。


多重人格のお話って、大概複数人格が最終的に善人の主人公と悪人の2人格になって、その2人格で戦いの末、悪人の人格に虐げられた何人目かの弱い人格がちょっと
出て来て善人の主人公の見方をして消滅する、みたいな、その戦いが周りの人々を巻き込んで壮絶なものになる、みたいなストーリーが多い気がしますが、今回の
ストーリーはちょっと新しい。

なんか、最初に、「水曜日以外の他の曜日の人格も統合されていって、統合失調症が治る」っていう、この治るって言う状態を決めつけてた自分をちょっと反省しま
した。(あと、多重人格と統合失調症と解離性同一性障害の違いがイマイチ分かってないです。)

主人公の夢?なのかときどき再生される記憶の中に、ちょいちょい小学生の時の事故の光景が出て来て、その光景から想像される

「小学生の僕が、転校することになって、好きだった女の子に頑張って声をかけて、お別れの記念に何か君のものを貰えないかっておねだりして、キーホルダー状の
防犯ブザーを貰うが、引っ越しする車の中でその防犯ブザーを鳴らした直後に事故に遭う」

っていうストーリー。
それが何度も繰り返されるので、いろんな想像が膨らんでしまう。

①事故の原因が、このブザーの音にびっくりした親のハンドル操作誤りだったことがわかり、主人公に罪悪感と少女に対するなんらかの感情によって精神分裂

②この事故で、実は好きだった少女を巻き込んでしまい、その少女が亡くなった。そしてその少女が実は一ノ瀬で、一ノ瀬は実は僕にしか見えていない存在

③この事故は、実は6人の人を巻き込んだ大事故で、その亡くなった6人が一人生き残った僕の体に入り込んで今の状態になっている

とか。そういうことを色々想像しながら見てたわけですが、まぁ、全部違いました(笑)


まー、よくある気怠い系の邦画の一つって感じでした。
悪くはないんだけど、盛り上がりに欠けるし、多分何年後かには内容覚えていない系の。

ただ、この映画の秀逸なところが一つ。エンディングロールの演出。
エンディングロールの背景に、各曜日の交流メモが映し出される。
ぶっちゃけ、ここがこの映画で一番面白くて何度もプレビューして見ちゃいました。

映画の最後の方で、土曜日の僕が金曜からのメッセージを受け取っている場面で、机の端に車のキーを見つけ、「え、車買ったの?てか、免許いつ取ったの?僕」って
セリフが出て来て、釣り好きの日曜日がその車で釣りにでかけようとする場面に引き継がれる。

それが、エンドロールの付箋メモに引き継がれてる演出。

水:「すみません、今朝車をガレージでこすってしまいました・・・。(へたくそな車の絵と傷の箇所)」
木:「あ、オレもです。(めっちゃうまい車の絵と傷の箇所)」
金:「同じく。バンパーの下の部分を少し傷つけてしまいました。(正方投影図っぽい車の絵と傷の箇所)」
土:「すみませーん。夜中にこっそり練習しようとしてやっちゃいました・・・(ヘタな車の絵と傷の箇所)」
日:(魚が泣いてる絵と傷の箇所)
月:「ごめんちょっとこすったかも?(てきとーな車の絵と傷かもしれない箇所)」
火:「一週間でボコボコじゃん!!」

で、火曜日の僕が買った車だってことが判明、みたいな。c(それぞれの絵がまたキャラを表してるのも)
そして、次の会話は虫歯の話。虫歯ができて、歯医者行かなきゃいけないね、早めに行った方がいいよね、って会話する各曜日、
で、火曜日の僕が歯医者に行くことを引き受ける、みたいな。

この、ほのぼのしたやりとりとツッコミみたいなのが一番だったかなー。


中村倫也のふとした表情が、ときどきユチョンに似てる気がした映画でした。

中村倫也を初めて認識したのは「高校入試」っていうドラマでした。その後「下町ロケット」で、あ、「高校入試」に出てた人だ、って思って名前を憶えて、そっから
まさかここまで認知度が上がるとは思ってなかったなー。手放しで「イケメン」って誰もが思う俳優さんではないけど、なんかクセになるよねー。けっこう好きです。

登場人物が少なく、中村倫也のセリフが8割方を占めるので、中村倫也好き、そしてこういう自分再発見系な映画好きにはまぁまぁおススメな映画です。



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