2013年 韓国
◆おススメ度
★★★★☆
◆キャスト
チョ・ミニョク(Kグループ御曹司):チソン
カン・ユジョン(ヒロイン):ファン・ジョンウム
アン・ドフン(ユジョンの恋人、検事):ペ・スビン
シン・セヨン(ミニョクの婚約者で国会議員の娘):イ・ダヒ
ソ・ジヒ(交通事故で亡くなったミニョクの元恋人):ヤン・ジンソン
イ・ヘジン(ユジョンの刑務所仲間):ムン・ジイン
◆感想・あらすじ
「彼女はキレイだった」のファン・ジョンウムつながりで見てみた作品。
ヒロインのユジョンはいくつもバイトを掛け持ちしながら検事を目指す恋人ドフンを(金銭的な面でも)献身的に支えていた。
そんなドフンも晴れて検事になり、欲深いドフンにの母親にユジョンとの交際を反対されながらも、ユジョンはドフンにプロポーズされる。
幸せいっぱいの2人だったが、サプライズでのプロポーズイベントの帰り道、大雨の降る中、対向車線から飛び出してきた大型トラックを
急ハンドルで除け、そのままスリップした勢いで工事現場に激突。
何かにぶつかった感覚はあったものの、何にぶつかったのかと車を降りて確かめに行くドフン。そこでドフンが見たものは、血だらけになって
横たわる女性の姿だった。
ドフンが戻るのが遅いと、ユジョンも車を降りるが、戻ってきたドフンに、ぶつかったのはドラム缶だと誤魔化されてしまう。
後日、車のワイパー故障のためにドフンの車を修理に出したユジョンは、ひき逃げ事件を調査しに来た刑事たちに、事件の日に運転をしていた
のは君かと尋ねられ、事情も知らずにワインを2杯飲んで運転していたドフンを庇い、警察に連行されてしまう。
自分がひき逃げの容疑を掛けられていることを知るユジョンだが、何かの間違いだとドフンの代わりに必死に当日の状況を説明するも、状況
証拠が揃っている中、あれよあれよという間にユジョンはドフンの身代わりとなり、実刑を食らってしまう。
また、成り行きとは言えユジョンに自分の身代わりをさせてしまったドフンは、罪の意識に苛まされながらもどうしても自分が犯人だと名乗り
出ることができずに、担当検事としてユジョンに求刑を言い渡す。
4年後、ひき逃げに会った女性ソ・ジヒの恋人だったチョ・ミニョクは、出所したユジョンになにかとつきまとって嫌がらせをする。
彼は、ユジョンに自分と同じ大切な人を失う苦しみを味合わせてやろうと復讐に燃えていた。
しかし、もともと善良で優しく働き者のユジョン。彼女を追えば追うほど、恋人を轢いておきながら瀕死の被疑者を見殺しにするような女性には
思えず、ミニョクは違和感を覚えていく。
一方、お互いに気がねしながら傷つき合うユジョンとドフンは、このままではお互いに良くないと、父親の死をきっかけに、ユジョンの方から
別れを切り出す。しかし、ドフンには、ユジョンに言えないもう一つの秘密があって・・・。
ユジョンを追いかけているうちに、彼女が気になりだし、いつしか恋心を抱くようになるミニョク。亡くなった恋人ソ・ジヒに悪いと思いなが
らも、あの夜車を運転していたのはユジョンではなく、ドフンだと確信し、独自に調査を進めながら、ユジョンに気持ちを伝える。
複雑な思いを抱えながらもミニョクと接するうちに、自分もミニョクに惹かれていくユジョン。
しかし、やっぱりそこは大企業の御曹司。
政略結婚のための婚約者の存在や、庶民の女との付き合いを反対する家族、そして会社を狙って色々仕掛けてくる面倒な人々など、御曹司特有の
障害が待ち受ける。
ユジョンとミニョクの愛の行方は。そして、真の悪人となっていくドフンの行く末は・・・。
◇◆◇
東野圭吾原作で、広末涼子と小林薫、そして駆け出しだった伊藤英明の棒演技がすごい、あの「秘密」(もしくは佐々木蔵之介&志田未来の)のリメイク
かと思って見たら、全然別物でした。
けっこうストーリー展開がスピーディーでかつ、話数も16話と短い方なので、中だるみせずに見れたドラマでした。
オープニングですでに法廷の場面が軽く展開されるので、その後のドフンに対するユジョンの愛情が全く入ってこない。ただただドフンがどこで
モンスターになっていくのかそればかりが気になる。
けど、恋人に罪を着せながらも、ここでもめっちゃ子供の負担になる毒親の母親のせいで、検事の夢を諦めてまで自首ができないでいるドフンは、
意外にも娘が刑務所に入れられたことがきっかけで認知症になってしまう、ユジョンの父親をかいがいしく面倒を見てあげてたり、刑期を終えた
ユジョンを真っ先に迎えに行ったりと、ただただ気が弱いけれども優しい人で、見てるこっちは困惑してしまう。
(ただ、ちょっとドフンの髭剃り跡が気になって、早くユジョンはミニョクとラブラブな関係になって幸せになってくれないかなーと思うんだけども。)
そして、それが6話辺りから一変して不穏な空気に。
ドフンがどんどん嫌な人になっていきます。なのに、ミニョクと仲良くなっていくユジョンは気に入らず、人のいないところに何かとユジョンの
手を乱暴に引いていっては、怒るっていうのがまたイライラします。
とにかく、ユジョンの健気っぷりがすごい。
恋人の代わりに罪を着ちゃうなんてとこはちょっとやりすぎですが、いろんなことの結果を自分のせいだと謝ったり、自分が運転してなくても見殺し
にしたのは同じだと、罪の意識を持ったり、なんかすごく良く分かります。多分、これHSPの典型的な「他人の言動や感情への共感性が高い」っていう
特性なのかなと。
人生にはたくさんの岐路があって、最悪な結果を招く前にできたであろう分岐点がたくさんあると思うんですよね。
ユジョンにとって、結果的にソ・ジヒをひき殺したのは運転していたドフンかも知れないけど、「ワイン飲んだのに運転するっていうとき止めてれば」、
「代行を呼んで帰っていれば」「ただでさえ大雨で視界も悪い中、何度も運転中に話しかけていなければ」「ドラム缶にぶつかっただけだって言われた
時に、もっとちゃんと自分でも確認していれば」って、いろんなタラレバと可能性があった訳で、そんな選択肢を見過ごしたことい後悔は尽きない
わけです。
でも、犯した罪に対し、自分で責任を取らせてあげる、っていうドフンに対する責任もユジョンにはあったんじゃないかなと。少年犯罪を犯した
少年をちゃんと罪を犯したことを自覚させて反省させないと、成長しないまま同じことを繰り返して取り返しがつかなくなるって言うのにちょっと
似てますよね。
主演のチソンは、このドラマが初見の方。いつも見るドラマの出演者よりちょっと年齢が高めな感じですが、アップになるとときどきパク・ヒョンシク
に似てる気がします。
ドフンの母親は、「上流社会」で善良そうなジュンギの母親役をやってた人なんだけど、今回は脇役なのにかなりの悪女。すごくやな人です。
あとは、「僕が見つけたシンデレラ」でイ・ミンギの義理の妹だったイ・ダヒが、ミニョクを追い求める婚約者役で、その父親でイ・ミンギの母親の
再婚相手だったカン・ナムギルって俳優さんが今回はユジョンの父親役になってます。(ドラマの年代的には逆ですが)あ、あとムン・ジインも。
「僕が見つけたシンデレラ」とスタッフが同じなのかな?出演者がけっこう多い?
ドフンの父親も、めっちゃ色んなドラマで色んな人の父親役として見かけます。
ミニョクの元カノ役のヤン・ジンソンは、この作品で見かけるの3作目ですが、このころはまだまだ駆け出し女優だったんですね。ファン・ジョンウム
とは、まだだいぶ女優としての格が違うんだなって言うことを知りました。
後は、素朴な疑問なんだけど、ジフンもミニョクも、ユジョンの火傷痕に驚いたなら、整形手術とか受けさせてやれよ。せめて提案とかだけでもでき
なかったものなおだろうか。
ミニョクの秘書(側近?)のグァンスの忍耐力と仕事の調査能力っぷりが凄い。ちょっとだけいつか下克上があるんじゃないかとハラハラはしちゃい
ましたが。
でも、前半はキレながらも自分の気持ちに気付かず、ちょい見当違いの方向の行動に出ちゃう、ミニョクのどこか抜けた感じの人間らしさを吐き出す
場面でもあるので、なんか、全然ラブコメとかのコメ部分がない作品の唯一ちょいほっこりする場面がグァンスとミニョクのかけあいだったりしました。
最近よく見てたラブコメや宮廷系の時代劇とは違った想定のドラマで、なかなか面白かったです。
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