気功を受けに行ってた話 ②

（前回の続きです。）


吉祥寺の本屋でちょいぽちゃのお姉さんにナンパされ、気功を受けに行くことになった私。


無事に予約が取れはしたけど、いかんせん人見知りな私は初めての場所に行くこと、初めての人に会うことが苦手。
メールで指定された場所に近づくにつれ心臓がバクバク。緊張を和らげるための無意識の行為なのか、独り言が増える。
(と言っても、完全に人がいないって分かっている場所でしか言えないんだけども。。)

行きついた先は、フツウの住宅街にある、どっからどう見てもただの民家。(表札はどうだったか覚えてないけど、目立つ
看板とかは一切なかった気がする。)

初回は緊張しすぎてどうやってその場所に招き入れられたか覚えていないが、一旦通されたのはほんとにフツウの民家の
2階の座敷。畳敷きで隣に襖で仕切られた部屋っぽいのがある感じ？

紹介してくれたちょいぽちゃのお姉さんともうちょい年齢が上のおばさんがいて、電気式ではない昔ながらのポットから
直接出てくる冷たい麦茶を湯呑に入れて出してくれた。(季節、夏だったので。)

ちょっとしたシステム(最初に誰に料金支払って、だとか順番になったら呼ばれるので1階の部屋に行き、椅子に座って
気功を受けるだとかトイレの場所はどこだとかそういったこと)の説明を聞きながらなんとなく部屋を観察。

その部屋は、和風の座敷用テーブルがあって、居間っぽいんだけど流し台がついてるのでダイニング的なところなのかも。
廊下からの入り口は、上半分がすりガラスになってる形式のそれも座敷にはよく用いられる4枚仕様の(ちゃんと閉めないと
ズレて隙間ができちゃう系の)引き戸になっていって、入って正面左手が簡易キッチン(ちゃんとしたキッチンは1階にある
ので、当時の二世帯住宅な作りの家だったのかも)正面右手には低い戸棚。


問題はこの戸棚の上のもの。
なんか見るからに霊感商法的なものが値段とともに陳列されている。

他に何があったか覚えてないけど、とにかく私が気になったのは水。
※下記は詳細うろ覚えなので、雰囲気だけ受け取ってください。今考えると写真とか撮っとけばよかったかも？

ラベルのない2Lのペットボトルに、いかにもPCで手作りしたような印刷具合のシールが貼られていて、
それぞれ

・恋愛成就
・学業成就
・金運アップ
・健康運アップ

って感じの4つくらいの種類の水がある。で、その何本かのペットボトルが置かれている後ろの壁に、それぞれの効能(？)
と、1本5000円ていう値段が書いてある紙が貼ってある。
しかも、その4つが全てこの1本に詰まっているっていう2Ｌペットボトルがあってそれがなんと2万円！

なんで？？
なんで4つ合わせたら5000円×4本でフツウに2万円で8Lになるはずなのに、6L減るのかここが私的にはめっちゃ謎だった。

あれかなー、リポDとかチョコラBBとか、安いやつの方が量が多くて、ちょっと金額あがってグレード高くなると量が少し
減って、少ない量に成分がぎゅっと詰まってる感のある、そういう演出？


で、私がめっちゃ水を見てるのを察知したおばちゃんが、水の説明をしてくれる。

「あれはねー、位の高い気功師さんが(実際に誰がって言ってたかは忘れましたが)水に波動を入れてくれてるもので、ここ
に事情があって通えない時はあれを買って飲めば直接受けるよりはちょっと効果が下がるけど、気功受ける代わりの効果が
あるものなのよー。

でね、misoさんが今飲んでるこのお茶、これもね、あの全部が詰まった水と同じ効果があるのよ。
ここに来ればね、それがタダで飲み放題なの。すっごくお得よ。」

って。

へー。

って、一瞬ちょっとだけお得感を感じてしまうが、いや、コレ絶対ただの水でしょ。

誰かが、そこの水道で汲んだお水と飲み比べしちゃわないように麦茶パック入れて誤魔化してるんじゃない？
しかし、ウォータービジネスってこういうことなのかなー、確かにツボ売ったりするより消えモノで証拠も残らないし、
それなりに一生懸命水飲めば代謝は上がって少し健康になったり肌がきれいになったり、ダイエット効果も出たりするから、
信じちゃう人は信じちゃうのかもなー、とか、笑っちゃいそうになりながらも妙に感心したことを覚えてる。


ちなみに、何回か通ったうちの数回は、その待合室的な部屋に誰もいない日もあって、そんな日に限ってポットのお茶が
なくなって、仕方なく、ふたを開けると氷と麦茶のパックが入ったそのポットに、フツウに水道水入れたりしてました。
（次の人のことを考えてね。）


っていう、怪しい民家に気功を受けに行ってた時の話なんですが、次回、いよいよ気功編です。

(つづく)

※そんな引っ張る話でもないんですが。