退職女のアメリカ便り

オーストラリアンシェパード、ジュンタのマミーのアメリカ、セントルイス生活

#554:ガンコントロールと思想の自由

2015-10-03 23:09:04 | アメリカ便り
オレゴン州で起きた大量殺人、オバマの怒りが先日の会見に現れていました。
“ガンコントロールが必要なのに、馬鹿な政治家のおかげで前に進むことができない”と。
最近、日常茶飯事におきている大量殺人の後は、いつも言われることです。
でも今回の会見は、オバマの焦りと苛立ちがいつも以上に感じられました。
そりゃそうでしょうね。
こんなに大量殺人が日常茶飯事になってしまったら。

私は確かにガンコントロールは必要だと思います。
でもガン所持をコントロールしなければいけない、アメリカの現代社会というのも不思議な社会です。
ガンなんて、日本人の常識で考えると、所持してはいけないのが当たり前のはずなのですが。
だってガンの目的というのは人殺し以外の何者でもないはずです。

この21世紀の先進国のアメリカで、どうして一般人が人殺しの道具を所持しなければならないのでしょうか。
そういう社会になったことがわかりませんね。
やはり、肉食主義と草食主義社会の違いでしょうか。

保身のために拳銃を持つというけど、どうして保身=拳銃になってしまうんでしょうか。
もう何回も言っていますが、単純なんです、アメリカ人の考え方が。

法律で、ガンをコントロールしたからといって限度があるのです。
今、ケンタッキーの市役所で働いているキム デーヴィスという女の人が、法律で同性結婚が認められているのに、同性愛の人が出した婚姻届をリジェクトし、問題になっています。
関係ないのですが、私たちで話題になったのが、この人の給料がなんと年8万ドル(約900万円)だったということでした。
この事件で、キムは、“私の信仰が婚姻届を受理することを許さない”といっています。
すったもんだで、キムは留置されましたが、1週間もしないで、保釈され、また元の仕事についています。
そしていまだに、同性愛者から婚姻届が出されると拒否しています。
自分の仕事をサボタージュするなんて、普通だったら首なんでしょうが、キムは首になっていません。

ケンタッキーは保守的なところなので、キムは英雄扱いをされています。
おまけに、訪米したポープが秘密でキムに面会するなんてことも起きたし。

この場合、宗教への信仰心がアメリカの法律よりも強力になっています。
このように思想の自由が重大視されているアメリカでは、法律が存在する意味がない場合が発生します。
だから、私はガンコントロールが法的に定められても“ガンコントロールのキム デイヴィス版”が現れると思います。

おまけに、今、行われているガンコントロールはガンの所持を禁止するものではなく、買う人のバックグラウンドチェック行使ぐらいのもんです。
今までに起きた大量殺人で使われたガンの80%は合法的なものだそうです。
ということはガンコントロールをしても何にもならないということです。
大量殺人を起こす人たちはほとんど何らかの精神病を患っています。
そういう人たちがガンを容易に手に入れることができるという現状を変えなければだめでしょう。
コントロールではなく、禁止にしなければならないと思います。
そんなことこのアメリカ社会では絶対ありえないですが。

アメリカ人の素養を高めることしかないと思います。
つまり教育が法律以上に鍵だと思います。
人種差別も教育でしか正すことができないと思います。

ハブグレジュンタのマミー