細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

ラン   森絵都

2009-07-30 18:48:25 | 読書メモ ま行
ラン   著者 森 絵都

《内容》
走らなくちゃ…一歩でも前に進むために―― もしもあの時こうしていたら…環の心は、突然家族が亡くなったあの日から止まってしまっていた。もう一度家族に会いたい。ある日、自転車を走らせたその先に待っていたものとは?出会いと別れ、誰の人生にも必ずついてくる喜びと悲しみ。せつなさとあたたかさ溢れる森絵都ワールド。一歩踏み出す勇気をくれる一冊です。



―――あのときはちっとも気がつかなかったよ。あれがあんなに幸福ですばらしい光景だったなんて。


―――一歩一歩、前進するのはあんなにしんどいのに、あともどりするのはなんて楽なんだろうね。


―――この冥界へ迎え入れられるまで、私はあとどれくらいこんな身を裂くような、心が飛び散るような別れを経なければならないのだろう。溶かすことも忘れることも許されない生者たちの世で、どれくらいの出会いと別れに翻弄されるのだろう。


―――死は美化できるけど老いは美化できない、ということです。美化する余地のない冷酷な、そして強烈な「生」に僕は今、打ちのめされるくらい圧倒されながら毎日を生きています。

寂しい写楽   宇江佐 真理

2009-07-30 15:50:15 | 読書メモ あ行
寂しい写楽    著者 宇江佐 真理

《内容》
葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴など当代きっての戯作者の生き方を大きく変え、世界の芸術家を後世、興奮と熱狂の渦中に巻き込んだ幻の絵師の創作の夢と絶望―。それをとりまく戯作者たちの見果てぬ情熱をふますところなく描き、江戸という時代の本質に迫った、時代小説の第一人者による長編小説の意欲作。ついに刊行。
             (紹介文より)