細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

眠れる旅人 池井 昌樹

2009-08-27 08:29:21 | 読書メモ あ行
眠れる旅人  著者 池井 昌樹

《内容》
詩歌文学館賞受賞の『童子』より二年、あらたな境地を拓く新詩集。



―――
       むこう

そりゃさびしいさ
ごちそうが
たべられなくなる
したしいともとも
あえなくなる
だいいちつまを
あいせなくなる
そりゃさびしいさ
    
そんなさびしさならけれど
これまでだってなめてきた
ぼくがうまれたときだって
むすこがうまれたときだって
ちちとわかれたときだって
ぼくはそのたびしんできた
そりゃさびしいさ
  (略)




被匿  堂場 瞬一

2009-08-16 21:23:55 | 読書メモ 
被匿  著者 堂場 瞬一

《内容》
西八王子署管内で代議士が不審死。ろくな捜査もないまま事故と断じられる。苛立つ鳴沢に地検から、死んだ議員が近々大規模収賄で事情聴取される予定だったとの裏情報が入る。捜査を始めた鳴沢は議員が当夜女と一緒にいたことを突き止めるが…自殺か?それとも他殺か?事件は思いがけず旧知の人物へとつながっていき―。書き下ろし長篇。
           (紹介文より)

K

風待ちのひと  伊吹有喜

2009-08-16 20:34:31 | 読書メモ あ行
風待ちのひと  著者 伊吹 有喜

《内容》
“心の風邪”で休職中の男と、家族を亡くした傷を抱える女。海辺の町で、ふたりは出会った―。心にさわやかな風が吹きぬける、愛と再生の物語。第三回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。
        (紹介文より)


――― 感謝しなきゃ。頑張り屋は人間の限界をあっさり超えるからね。それ以上やったら、あんた死んじゃうよっていう警告だよ。

―――リラックス、リラックス。おおらかにいこうよ、ね。小さくまとまっちゃ駄目。

血烙  堂場 瞬一

2009-08-15 23:03:00 | 読書メモ 
血烙  著者 堂場 瞬一

《内容》
NY市警で研修中の鳴沢の元にもたらされた凶報―勇樹がバスジャックに巻き込まれた。現場に駆けつけた鳴沢が見たのは射殺された犯人の遺体、そこに勇樹の姿はなかった。見え隠れするチャイニーズマフィアの大物マシンガン・トミーの影。勇樹の行方は。NY、アトランタ、マイアミ―かすかな手がかりを追い、鳴沢が爆走する。
          (紹介文より)

K

オールド・フレンズ(下) 浅倉卓弥

2009-08-15 20:25:17 | 読書メモ あ行
オールド・フレンズ 下   著者 浅倉 卓弥

《内容》
第1回「このミス」大賞受賞作家が描くガールズ・ラブ。著者特有の繊細な描写で、9歳から24歳までの、ふたりの女性15年間の交流を鮮やかに描き出します。彼女たちの生き方は不器用かもしれませんが、思い通りにはいかない人生を前向きに生きようとするふたりの姿に、読者は必ずどこかで共感するはず。女性同士の恋や、実母による養育ネグレクト、義父からの性的虐待がなどが描かれていきますが、性について、生きることについてを考えさせられ、読み終わったあとには、自分の大切な人に会いたくなる作品です。
        (紹介文より)


―――近頃何故あの時違う決断ができなかったのかと考えてしまうことがある。どうにも心のどこかが痛くてたまらなくなるとこがあるんだ。


―――誰もがきっと、自分のことなのに自分ていうのが全然わからなくてさ、時にそれがどれほどあやふやで頼りないかを思い知っては幻滅したりしてるんだよ。あたしなんてずっとそんなことばかりだった。結局私たちはみんな似たような道を歩いているんだ。誰も彼も手探りで、初めて生きる一回きりの人生と向き合わなくちゃならなくてさ

オールド・フレンズ(上)  浅倉卓弥

2009-08-15 20:14:35 | 読書メモ あ行
オールド・フレンズ 上    著者 浅倉 卓弥

《内容》
「はるか、元気にしていますか―」15年のときを経て、ふたりがみつけたもの。認知症の父親の介護をしながら、先の見えない不倫にはまりこんでいるはるか。自分勝手で暴力的な母親との確執を抱えながら、愛を求めてさまようまこと。離れていても、ずっと忘れられないのは、あなたの姿だった。
           (紹介文より)


―――欲しかったのは温もりだった。守られているという安心感だった。


―――ともすれば目を開いているだけで実際は何も見ていない自分がいた。