宗教には、伝道という言葉がよく使われます。浄土真宗の教えは、他力の救いですから、道を伝えるではなく、道は伝わっていくと解釈するのであります。道を伝えることの出来るのは、阿弥陀如来だけです。住職は、自分が阿弥陀如来の救いに、出会えた喜びをお伝えする以外にはないのであります。昔、お寺を継いだら、一生懸命、阿弥陀如来の救いを、門信の皆様に伝道しますと申しましたところ、阿弥陀如来の救いを邪魔するなよ、言われました。お浄土への道は、阿弥陀如来のはたらきによってのみ、伝わっていくものなのです。住職は、共によろこばせて頂くだけで良いのです。今日も、お通夜をお勤めさせていただきました、よく導師という言葉が使われます。浄土真宗は導師という言葉は、使わないのです。お坊さんは、お浄土へ亡き方を導くことはできないのであります。阿弥陀如来のはたらきによってのみ、導かれるのであります。阿弥陀如来は、既に、はたらいてくださってますから、住職は阿弥陀さまのはたらきを、有り難いとお伝えするだけ、余計な事をすると、阿弥陀さまのはたらきを邪魔するだけです。
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