浄土真宗本願寺派 法徳寺ブログ

神奈川県厚木市にある浄土真宗本願寺派(西)のお寺です。
永代供養墓10万より受付中です。

3月の法話

2013-02-28 23:15:32 | 法話

白骨の御文章

室町時代に活躍された本願寺第八代宗主・蓮如上人は、独創的な伝道で今日の本願寺教団の基礎を築き、「中興の祖」と仰がれています。





その蓮如上人伝道の功績で外すことができないのが「御文章」です。「御文章」は浄土真宗教義の要を、平易なお手紙として書かれたもので、日本各地の有力な僧侶や門徒に送られ、多くの門徒の前で読み聞かされたそうです。約80通が発布され今に伝わっていますが、中でも一番有名なのが「白骨の章」です。その中にある下記の部分はベストセラーになった「声に出して読みたい日本語」とうい本に取り上げられたくらいです。



「朝には紅顔ありて夕には白骨となれる身なり」(朝には元気な顔を見せていた人が、突然の死を迎え、夜には火葬されて白骨となってしまうように、今どれだけ元気だと思っていても、命はいつどうなるかわからない)

ちなみに現代日本では、死亡確認後24時間以内に火葬をしてはならない、という法律があるため上記は当てはまりません(゜д゜)!

 蓮如上人は後述し勧めます

「誰の人も早く後生の一大事(私が死んだ後どうなるのか)を心にかけて、阿弥陀仏を深くたのみまいらせて、念仏申すべきものなり」と・・(注、解りやすく漢字で多く表記)

これは決して「人生は、はかないものだから、早くこの世は諦めて死んだあとで良いところに行こう」と言っているのではありません。必ず救うぞ、といつも呼びかけてくださる、阿弥陀如来さまにお任せして、念仏を申す私たちの人生は、決してはかなくありません。寿命の長短や、亡くなりかたの良し悪しなどに縛られることなく、一人ひとりが、生まれや成長、出会い、自分の身体の縁の中で、精一杯人生を生き抜く。そして後生の一大事は阿弥陀さまが救って下さり、必ず仏にならせていただくので安心できます。その人生は阿弥陀さまやご先祖に見守られ、励まされ、毎日を充実し、精一杯頑張ることのできるものになるはずです。



参考文献・・浄土真宗必携 み教えに学ぶ

法話担当 伊東知幸


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2月の法話

2013-02-01 13:31:45 | 法話

聞くことは信心なり

「きくというは、本願をききて疑うこころなきを「聞(もん)」といふなり。またきくというは、信心をあらわす御(み)のりなり」 

「一念多念文意」親鸞著

11月の法話で「聴聞の心得」について書きましたが、今回はその続きを書きたいと思います。その法話で述べたように「浄土真宗の門徒の行いとして最も大事なことは聴聞です」と書きました。改めてこれは驚くべきことに感じるでしょう(゜д゜)!修行でも精進でも、毎日の読経でも、お念仏でもないと言うのですから。私が勝手に思っているのではありません。「浄土真宗必携」という公式の本にはっきりと書かれています(^O^)  


ではなぜ聴聞・・聞くことが大事なのでしょうか?

その前に聞く・・と言うと「えっ法話会に沢山参加することが大事なの?」と思ってしまうでしょう。確かにできるだけお寺の法話会に参加したほうが、より信心が深まって良いとは思います。でも仏教行事に参加しなくても信心は頂けるのです。冒頭の御文にあるように、聞くということは如来の本願を疑いなく信じるということ、もっと言うと、お念仏の教えを疑いなく受け止めることです。

よく私は、「お念仏は報恩感謝の意味です」と言いますが、それは自分の口から発した時の意味でして、その前に私に「ありがたいなぁ」と思わせた仏の願力としての意味は「必ず救うぞ、私に任せなさい」、優しく言うと「いつでも見守っていますよ」との阿弥陀さまの呼び声があったからなのです。


つまりは、お念仏が自然に口から出たときにはもう既に、阿弥陀さまの慈悲を頂き疑いなく信じているというわけです。これが自然かどうかは結構重要です。「周りの人が称えているから」とか「お坊さんが声に出せと言うから」とか「どうせ作り話だろ」とか思っているならば、残念ながら「聞く」ことができていません。そんな方々に自然に受け止めてほしいから、この法話や毎月の法話会を開催しているのです。



「でもなかなか具体的に感じられなくて」とお思いでしょう。そんな時は皆さんの往生なさった大事な人を思い出してください。故人は仏となり阿弥陀さまと一緒に「私の生まれた浄土の教えを信じてくれ」とおっしゃっています。ですから「あの人の一番喜ぶ事」だと思い、まずは素直にお念仏を称えてみてください。そして(本来とは逆ですが)仏教の教えを少しずつ聞いてみてください。(*⌒0⌒)

 

伊東知幸


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