Romarin フランスの草の根となって

住み始めた時は腹がたち、住み慣れると離れがたいフランスにすみ、45年の年月がたちました。日々のことなど綴ります。

病院での演奏会

2007年07月06日 | 生活
Garçon d'orchestre(直訳するとオーケストラの少年)といわれる人がいます。
オーケストラの譜面台を置いたり、打楽器、コントラバスなどを配置する人たちです。

その仕事をしていたアンドレが停年を数ヵ月後に迎えて脳溢血を起こし、意識不明に陥りました。
それを知った私たちの驚き、悲しみは大変なものでした。
よく怒鳴ったりして、てきぱきと仕事をしていたアンドレはみんなに頼りにされていたからです。

インスペクターが、彼の病状を練習前に報告してくれて、「意識が戻った」と聞けば喜び、「右が麻痺している」と聞けば心配していました。

彼の努力と奥さんの力で、かなり回復し、奥さんが、彼らの結婚30周年記念に何か演奏をしてくれないかとの依頼をしてきました。
希望者を募って、病院で演奏をする事にしました。

先日それが実現し、演奏が始まると、車椅子に乗ってつれてこられたアンドレが涙がとまらない・・・私たちも涙で楽譜が曇る・・・・という感動的なものとなりました。

その後に奥さんと友人たちが用意したシャンパン、おつまみ、デザートなどでお祝いをし、和気藹々とした中で、アンドレも本当にうれしそうでした。

彼の回復を心より望みます。一時は生か死か、という状態だったのに、ここまで回復した事は素晴らしいことです。

日本に出かける前にまたお見舞いに行こうと思っています。
私のことをいつも「Mon rayon de soleil(僕の太陽)]と言ってかわいがってくれていましたから。