天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

The last leaf

2019-09-02 15:20:55 | 日記
 ハリケーン「ドリアン」の襲来によってフロリダが大変なことになりそうだとか。台風の風速40メートルでも強烈なのに、80メートルを超す超大型というから恐ろしさが想像もつかない。核兵器を使ってでも何とか抑えられないのかという気持ちに誰でもなりそうや。原子力開発だ、月に居住空間だ、と科学の力を喧伝する割には、こういう喫緊の課題には科学は無力やなあ。北朝鮮の核実験やタリバンの動きは逐一探査できるなら、台風のメカニズムを解明し、衛星監視により台風の目が発生した時点で誘導、壊滅できないとは、学者の怠慢ではないのか。それくらいのレベルなら国家予算など注ぎ込まずに、好事家の道楽に科学全般を任せた方が、地球住民福祉に効率的だと思う。
 去年の3月下旬、フロリダ州ホームランドから国道1号線に乗って島伝いにキーウエストまで往復し、まるで天空を走破するような痛快な思い出を作ったけれど、今やその橋がぐらぐら揺れそうな恐怖の岬になっているのやろうな。そのあと、名前が可愛らしいのでオケチョビー湖に寄ったけれど、今日はさぞ波が高く、展望ポイントの中之島なんかに渡れるはずもないと危惧してしまう。人生と自然の絡みでは、昨日と今日どころか、一瞬の違いで一変することをよく見聞きし、神を呪う不条理を感じる。川の氾濫で床上浸水され、死の恐怖も感じたのに、一瞬で水が退き出し、空が晴れ、何事も無かったかのように静寂が戻る時ほど、口惜しく、腹立たしいことはない。
 プライム・ビデオの名作劇場で『人生模様』がタダで見れた。O・ヘンリーの短編小説を原作に5話で構成されていた。オー・ヘンリーといえば、2年ほど前にラジオ英会話で、前の講師の遠山顕氏の時に、<英語劇場>として「警官と讃美歌」「賢者の贈りもの」の2話を放送していた。1行ごとに知らない単語が5つほど出てきて、聞く気を失くした。でも、映画だと字幕が出て、筋が分かった。「警官と讃美歌」にはマリリン・モンローが街の女のチョイ役で出てきて、予備知識がなくても一発で魅せられた。自分にもJ・F・ケネディー並みの眼力が備わっていることが確認できた。当時、外国女優で知っている名前はエリザベス・テーラーと2人だけだったけれど、セックス・シンボルとして名を轟かせた後の金髪モンローより、好ましい美しさだった。英語劇場の2話以外にも、「クラリオン・コール(新聞)」「最後の一葉」「赤い酋長の身代金」の3作が撮られていて、このうちクラリオン・コールでは若き日のリチャード・ウィドマークが小狡い悪党役を憎々しげに演じ、強烈なインパクトを受けた。栴檀は双葉よりと言えるけれど、後の大物も雑巾がけ時代があり、運に見放されればそのまま埋もれていたかもしれず、壁に後世まで名を残す偉人でも、元の葉はとっくに風に舞う風来坊が本人かも知れない。

風が来て 大き爪痕 残せども
水洗ひ去り まちの静けさ