死闘の結末は？

　現下の政局の焦点は岸田文雄政権と自民党最大派閥・安倍派との死闘となっているが、勃発の銃弾は馳浩石川県知事が放った。突拍子もなく東京五輪誘致に絡む官房機密費工作を暴露したのは、あからさまな倒閣運動であった。その裏で糸を引いているのは陰の安倍派会長、森喜朗元首相であることが見え見えなので、売られた喧嘩は買うとばかりに死闘のゴングが鳴った。
　倒閣すれば自派に政権が転がり込んでくると読むのは欲目の浅ましさで、首相は直属機関に検察を持っている。かつてキングメーカーと恐れられた田中角栄でもロッキード事件で逮捕された。当時捜査を直接指揮した法務大臣は稲葉修。今の法相は二階派の小泉龍司だが、稲葉も首相とは他派閥の中曽根派だった。小泉の評判をネットで見ると、『逮捕』と縁付けられている。しかし、過去に逮捕された経歴は見当たらず、変な噂が流れたものだと不審がられていたが、実は逮捕する側だったのである。
　『五輪』で火が噴いたこの死闘、その頭目にまでたどり着けるか、地味に終わった東京五輪競技よりも見ものである。