大山鳴動鼠一匹か？

　派閥パーティー券売上金キックバック問題で安倍派の幹部連が辞職だ、政治資金規正法違反で逮捕だと、新聞・テレビやSNS民の声が盛り上がっているけれど、補正予算を通すだけで臨時国会が、統一教会汚染議員を淘汰する解散・総選挙を実施せず、何事もなく13日に閉幕する茶番劇に終わることを憂慮せざるを得ない。統一教会被害者救済法が成立しても、日本国および国民に害を及ぼす統一教会と結託し国家反逆罪に抵触し得る国会議員に選挙の洗礼を受けさせずに国民の忘却を待つ、政界、メディア、隠れ統一教会派ネット民に検察も加わった、集団的陰謀ではないのか。
　今国会閉幕後、岸田文雄政権が内閣改造を断行し、いわゆる安倍派５人衆をいったん閣僚・党役員から退けても、定期的改造と何が違うのか。会期中は検察特捜が空騒ぎしても、政治資金規正法の闇に踏み込めば全議員が怪しくなるとの理由で、形式的な警告にとどめて秋霜烈日の刃を鞘に納めれば、結局は岸田首相による今国会解散を封じるための、「目眩まし」に過ぎなかったことになる嫌な予感がする。
　松野博一官房長官を含めた主要６議員のお尋ね者のような顔写真が同規正法違反疑惑の代表者として新聞、ネットを賑わせているのに、野党第１党の立憲民主党・泉健太代表は、自主的辞職や検察の捜査にお任せするだけで、内閣不信任案を突き付けないのはどうしたことか。汲々と議員職に居座りたいだけなら、相手に辞職を迫るのでなく、自ら責任を取って辞任し、憲政の常道を迫る気概のある者に代わるべきである。
　とにかく、大山鳴動して鼠一匹に終わるシナリオがちらついてくる。増税メガネの退陣だ、安倍派の解体だと威勢が良かった人たちも、内閣改造後の人事の品定めに目が移り、任期満了近くに先送りされる総選挙時点では、統一教会にがんじ搦めの国賊議員も、政治資金疑惑の５人衆もサラッと再選されて、日々是好日になっていくのだろう。所詮、選挙民以上の選良は生まれないのだから、、、。