3月8日は国際女性デー。ロシアでは極めて大切にされる日だと、20年ほど前に偶然知り合った人に教えてもらった。確か東京都写真美術館で上映されていたチェルノブイリ原発事故をテーマにした映画を一緒に見に行った記憶がある。ディーバちゃんだったかなあ。余裕ができたらシベリア鉄道にでも乗って会いに行こうと思っていたけれど、こんな時節柄、ますます絶望的になってしまった。人間は希望の万分の一も叶えられないものである。
ウクライナのゼレンスキー大統領がロシア侵略軍の最終殲滅作戦が迫っているのにもかかわらず、首都キエフに留まると表明したのに対し、英米は国外退避と亡命政権の準備を進めるなど、対ロ戦略がちぐはぐとなっている。
2月19日にバイデン米大統領が「プーチン氏がウクライナ侵攻を決定」と見通しを明らかにしたのに対し、『1945年以来の雌雄を決する時が来たか?!』と書き送り、同日ジョンソン英首相が「ウクライナを支援しなければ、台湾も脅威にさらされる」と述べたのに対し、『さすがに視野が広い! 首相によく言って聞かせてください』と頼んでおいたけれど、厳しいのは口先だけのような気がする。
とうとう同24日にロ軍の侵攻が開始され、G7が厳格な経済・金融制裁の実施を決めたのに対しては、即座に『秀吉の高松城攻めのように水も漏らさぬよう封鎖し、袋の鼠にして締め上げなくてはならない。連帯がなければ効果が上がらない』と檄を飛ばしておいた。しかし甘い対応にプーチンが付け上がり攻勢を強めたため、27日になってようやくバイデン大統領がSWIFT(国際決済システム)からのロシア排除に言及したので、
In this case, prudence means a mere Chamberlain diplomacy.
と、ホワイトハウスに優柔外交の不可なることを書き送った。この点はむしろジョンソン首相の方が
Boris Johnson pledges to 'strangle' evil regime of vile tyrant Putin.
と、厳しい姿勢を示していたので、私の方から
Get him cornered like a rat in a trap!
と激励しておいた。しかし、ロシア軍は原発施設まで攻撃対象に入れる無法ぶりだったので、バイデン大統領の初の一般教書演説を前に、私は dePutinization という新語も交え、次のように注文を付けた。
It is essential Mr. President should declare dePutinization in the peace process in Ukraine in his State of the Union address.
しかし、彼は人の話を聞いていないし、NATOもゼレンスキー大統領から要請された同国上空の飛行禁止区域設定に対し拒否した。このような生温い対応ではナチスドイツが周辺国侵略をほしいままにした悲惨な歴史の轍を踏み返すことを恐れ、バイデン大統領に対し次のように書き送った。
U.S. President Biden called Putin a dictator in his State of the Union address. Excellent! The actions must follow along. Good words without deeds cannot prevent him from doing evil. Don't tell me you are intending to leave Ukrainian people to their fate?
このような弱腰では、もう誰でも言う事ではあるけれど、ロシア国内でプーチンを抑える勢力が立ち上がるしか侵攻を止める手はない。私が素手で乗り込んでも歴史を変えるのに何の役にも立たないだろうから、中国の故事に倣って自壊を願うしかできない。
大義のない戦争を起こすことを中国の古典では『無名の師』と言って、無理が祟って最後には敗れる運命にあると戒められた。大軍を擁する袁紹は、重臣の諫めにもかかわらず、小勢の曹操討伐に打って出て、官渡の戦いで撃退され、のち滅んだ。
今、酒を断っている。ウクライナ平和の日に祝杯を挙げる。
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