夏の甲子園大会の第3日目が2日続きで順延されるほどの異常な梅雨のしつこさには参る。そういえば東京オリンピック閉幕の翌日に予定されていた同大会初日も、台風9号接近により10日に延期された。いくら気軽に楽しめるスポーツ物でも7月23日の東京五輪開会式からテレビ・新聞を席巻する連日熱狂の商売魂には辟易するので、豪雨災害の発生は止めてもらいたいけれど、高校野球の中休みは天の配剤とも言える。ただでさえ、今夜からプロ野球の後半戦も始まるのだから、その合間を縫って少しは現実も見直さなくてはならない。といっても、コロナしかないのが悲しい。
いや、コロナ以外にも、日ハム・中田翔の暴行事件という、悲しい現実があった。プロ野球関係者は口を開けばすぐに、子供たちに見習ってほしいプレーとか、子供たちのお手本というけれど、実態は暴力といじめと金権差別のオンパレードではないかと疑われ兼ねない有名選手の不祥事である。恐らくは契約金の序列で物事が決まっていくむごたらしい世界なのだろう。日ハムと西武の2対2の電撃トレードが発表され、被害者と同じ20代の投手が含まれているから、苦悶の決定かと勘違いしたけれど、球団発表でないニュースによると、同一選手ではないらしい。経緯をはっきり公表しないと二次被害も起き兼ねないので、日ハムにはしっかりした対応をしてほしい。
いくら余生を家でぷらぷらしながら過ごし、お上からはステイホームと言われ、見聞きする物といえば、期間中にテレビ、新聞を占拠した東京オリンピック競技だったのに、やっと終わっても何をいまさら後日談まで垂れ流すメディアに付き合わなければならないと飽き飽きしていたところ、オリンピック回想物で1つ目に付いたのが、夢と消えていたかもしれない金メダル奇譚である。
男子110メートルハードルで金メダルを獲得したジャマイカのハンスル・パーチメント選手の陰には、心優しい救いの女神があったと報道されている。オリンピックスタジアムでの準決勝戦に出るためバスに乗ったものの、水泳競技会場に着いてしまった。乗り間違えに気が付いて、バス運行担当者にスタジアムに連れて行ってもらえるよう依頼したけれど断られて、大ピンチに陥った。藁にもすがる気持ちで大会スタッフのウエアを着ていた女性に、恐らく英語で声を掛けたところ、窮状を察してタクシーに乗れるお金を渡してくれた。お陰で、準決勝戦に間に合い、決勝戦で優勝することができた。パーチメント選手は感謝を伝えるため、後日その女性を探し出し、お礼と金メダル報告を行う動画が公開されている。その女性はティアナさんといって、髪の色は秋田小町や薩摩おごじょのような黒髪でなく、英語で対応し、容貌も明らかに西洋人風であった。最初に読んだ記事では出身国名が記していなかったけれど、別の記事では「金メダル選手を救った日本人女性」と書いてあって、当惑した。しかし、新横綱に昇進した照ノ富士が日本国籍を持っているので、別に不思議ではない。けれど、記事にするなら、その辺りのことについてティアナさん本人の言葉が欲しかった。親切な日本人といっても、最初のバス担当者は、あなたが間違った尻は拭えないと断ったのだから、全然釈然としなかった。
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