読売を始め自民党政権幇間新聞・テレビ等のマスメディアを総動員して『接戦』、と危機感を煽った企みが成功して、総選挙は予想通り保守の圧勝となった。小選挙区で落選した甘利明自民党幹事長が責任を感じて辞意を表明しているのに、惨敗野党の枝野幸雄立憲民主党代表がのうのうとしているは天下の奇観である、などと大仰な評価を下すのは無駄で、通常の人間の感度、感性を失っているだけなのだろう。
ここまでは読み通りなので大した感慨はないけれど、一番の奇観は大阪の当落地図である。小選挙区が府内に19有って、そのうち15区を「維新」が制覇し、残り4区は「公明」が埋め、対決構図のはずの自民と立憲がどこかに消し飛んでいた。大阪府民の感性は全く分からない。だいぶ前に維新が政治生命を賭けた『都構想』は否決して潰した。なのに『パンパカパーン』と開いたこの選挙結果は、どう理解していいのか。ノック・アウトされそうになる。
結局は関ケ原の戦いで大勢が決した後の、大坂の陣のような状況が16、7世紀から連綿と続いているのが日本の政治風土ではないかと思えてくる。大御所政治が健在なうちは浮かばれない連中が一発逆転を狙うこともあるけれど、結局は長い物に巻かれて、内向きの人事政策が中心の鎖国体制が、太平の世を醒ます蒸気船が現れるまで続いて行くのだろう。産業も政治もガラパゴス島で満足しているなら、どうこうする意欲もなくなり、ガラパゴス島が誰にも発見されない楽園であり続けることを祈るばかりである。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます