私は今回の方法書に意見することより、それ以前の手順に問題があると思い、それに関する明確な答えを探してきました。政府も乗り出すと報じられているリニア静岡県問題と似たような、事業プロセスでの瑕疵が、この事案にも感じられると書きました。未だに答えは見つかりません。
都市計画道路として指定する計画は、いつ、どのような経緯で始まったのか。道路は(仮称)韮崎都市計画道路1・4・1号 双葉・韮崎・清里幹線 と命名され、それは中部横断自動車道(長坂~八千穂)であり、その事業主体の国土交通省による環境影響評価配慮書(検討書)は環境大臣に提出されて環境大臣意見も提示されています。【編注01】
環境影響評価の次の段階が今回の方法書です。しかし、その方法書は(仮称)韮崎都市計画道路1・4・1号 双葉・韮崎・清里幹線のそれであって山梨県の名前で公開されましたが、これが環境大臣意見に基づくものかどうかは記載も説明も無いと思えます。
確認した長野県での審議資料によれば、この方法書は国土交通省関東地方整備局の作成によるものと思えます。
それでも山梨県政による環境影響評価手続きの公文書として有効なのでオオヤケの場で縦覧・説明が実施され、山梨県行政はもとより議員・県民の皆様もこの環境影響評価法制度を良くご承知なので疑問とされる事は無いのかと思います。それならそれで良いのです、単にドシロウトな私の疑問に過ぎません。
すでに述べましたが、私は中部横断自動車道は全線開通してこそ役立つと思っています。
しかし何事も実施プロセスにおかしな点があると無事完成したかにみえて必ずトラブルが発生しがちなものだと、自分の経験から感じるのです。
専門外である当該法制を私は全く理解していませんので、無知を曝け出すのみですが感じた疑問をメモして駄文ブログを書いてきました。いつの日かきちんと学習しておくつもりです。
この記事も長文になりましたので関連記事共に後日Webサイトに移行して整理保存しておく予定です。【2019-09-11 記】
【編注01】 「環境影響評価法」及び「長野県環境影響評価条例」により、対象事業が市街地開発事業として都市計画法の規定により都市計画に定められる場合又は都市施設として同法の規定により都市計画に定められる場合については、
都市計画決定権者が都市計画決定又は変更と併せて環境影響評価を行います(都市計画に定められる対象事業等に関する特例)。本県では、現在、下記の対象事業について、都市計画に定められる対象事業等に関する特例が実施されています。(
都市計画における環境影響評価手続について(長野県 2019年8月1日 下線は引用者による)
長野県が別記道路の都市計画決定権者であり法例に従い環境影響評価を行うのだとしても、今回の方法書に山梨県内が含まれている理由は理解不能ですが参考として記録しておきます。環境影響評価方法書の行政施設での縦覧は2019年9月2日で終了しました。方法書について環境の保全の見地からの意見は 2019年9月17日(火)17時15分までに 下記広報に記された方法で提出できます。縦覧期間中に閲覧していなくても下記ページにPDFファイルとして公開されています。
山梨県・(仮称)韮崎都市計画道路1・4・1号 双葉・韮崎・清里幹線の都市計画決定及び環境影響評価について
長野県・(仮称)佐久都市計画道路1・4・1号南牧佐久線(中部横断自動車道(長坂~八千穂))環境影響評価方法書の公表について
中部横断道佐久ルート2011-03-05 国土交通省関東地方整備局・資料6 (仮称)佐久都市計画道路1・4・1号南牧佐久線に係る環境影響評価方法書の概要(PDF:10,203KB)(長野県が受領した資料を公開)【同文書を山梨県も受領しているかどうかは不明です 2019.09.02】
いみじくも縦覧期間が終った後で山梨県と長野県の議会が開会します。
中部横断自動車道(長坂~八千穂)=(仮称)**都市計画道路 の名称から(仮称)が消える手続きについて県議会で何かあるかも知れないと思っている私は無知蒙昧な一匹ネティズン。
◇ 山梨県議会・令和元年9月定例会会期並びに議事予定(会期17日間)(予定) 9月18日(水) 本会議(開会)/9月24日(火) 本会議(質疑・質問)~9月27日(金)/9月30日(月)~10月2日(水) 常任委員会/10月4日(金) 本会議(閉会)
令和元年6月定例会(代表・一般質問項目一覧) 自民党誠心会 浅川力三議員 「3.中部横断自動車道の整備促進について」、質問はお一人だけでした。下記、長野県同様に質疑応答を確認しておきたいと思います。
山梨県議会 会議録、本会議質疑応答とは別に委員会審議の方が情報としては重要です。
山梨県の場合は北杜市議会審議、長坂が起点と決定した時期から事業経緯を確認することは大切ですが後日にします。
◇ 長野県議会・令和元年9月定例会日程 9月19日(木)開会/10月7日(月)閉会/ 長野県議会 会議録検索システム
2019年6月定例会で「中部横断自動車道について」 依田明善(よだ めいぜん)(自民党)議員の質問がありました。中部横断自動道についてはこの1件のみです。
長野県議会 本会議中継(令和元年6月25日1/9 依田明善議員)YouTube がありますが時間が無いので、会議録が公開されたら確認しておきたいと思います。依田議員は南佐久郡南相木村ご出身で選挙区が南佐久郡です。おそらく今回の事案にもお詳しいと思います。この質疑応答の中で長野県庁が (仮称)佐久都市計画道路1・4・1号南牧佐久線 を予定している件があるかどうかがポイントです。
電子政府の総合窓口(e-Gov)
都市計画法(都道府県の都市計画の決定)
第十八条 都道府県は、関係市町村の意見を聴き、かつ、都道府県都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定するものとする。
縦覧中の方法書には以下のように記されていますので、
山梨県都市計画審議会での審議が気になっています。
第2章 都市計画決定権者の名称
(仮称)韮崎都市計画道路1・4・1号双葉・韮崎・清里幹線
山梨県 代表者:山梨県知事 長崎幸太郎
韮崎都市計画道路1・4・1号・・・は(仮称)ですから山梨県としては計画段階で、都市計画道路としては決定では無く審議前なら、審議はいつ頃でしょうか。
ちなみに、方法書には次のような意義が説かれています・・・
第4章 都市計画対象道路事業の目的及び内容(事業特性)
4-1.都市計画対象道路事業の目的
(中略)
以上の課題と当該道路に求められる機能から、政策目標は以下に示すとおりとします。
○高速道路までの移動時間短縮
○救急医療施設への移動時間短縮
○主要な観光地等の連携向上
○地域の生活交通の円滑化
○災害時の代替路確保
○現道の走行性・安全性の向上
○企業誘致・雇用の促進
○公共交通の利便性の向上
○環境・景観の保全
どこかに書きましたが、私は中部横断自動車道の北区間建設に反対しているのではありません、プロセスが何かおかしいという、いつもの勘働きだけです。 上記の政策目標は開通している南区間でも同じと思います。それをまっとうする為に山梨県庁様は都市計画道路決定をされているのでしょうか。不勉強なのでこれまで考えたことがありませんでした。地域活性化、街づくりの大きなテーマだと今頃気が付いたのです。 その南区間の一部を含む
新山梨環状道路と都市計画についても知っておきたいと思います。
蛇足ですが、
京都府福知山市の都市計画道路、このページに 計画道路1・4・1号 の数字 1・4・1 の意味も解説されています。福知山市が掲載していましたので、山梨県の知事決定都市計画道路や市決定都市計画道路の一覧表を確認しておきたいと思います。まさにネットは宝の山!
◇ 勉強会
「環境保全と環境影響評価」~八ヶ岳南麓での高速道路建設計画に関連して
日時 2019年8月28日(水)13:30~16:00
場所 大泉総合会館 2階会議室4(山梨県北杜市大泉町谷戸3025)
講師 辻村ちひろ氏 自然保護アナリスト。専門は地理学、地生態学
環境法制度の改良や国立公園などの保護地域で活躍中
主催 中部横断自動車道八ヶ岳南麓新ルート沿線住民の会
◇ 長野県環境影響評価制度-長野県環境影響評価技術委員会、「長野県環境影響評価条例に基づく委員会等について」 の 「委員会の開催状況」 を開くと・・・
◇ 長野県環境審議会の審議内容について のページです。「令和元年度」をクリックして・・・
◇ 令和元年度技術委員会 このページの第2回・・・
◇ 令和元年度第2回技術委員会(更新日:2019年8月23日)これが信濃毎日新聞が報じた委員会です。
令和元年度第2回技術委員会
議題 (5) (仮称)佐久都市計画道路1・4・1号南牧佐久線に係る環境影響評価方法書について
会議録(現在調整中です)
【再確認 2019-08-29 未掲載ですがフォローするつもりです】
この委員会が審議する方法書は山梨県・長野県の連名で公開されたものです。公開後に検討するのは異常であり、原案の段階で精査し委員会が了承した後で公開されるのが当然だと私は思います。この点は山梨県でも同じです。それが分からない長野県ではないはずなので、今回の手続きそのものが異常であり無効だと考えるのです。
◇ 第2回技術委員会・資料6 (仮称)佐久都市計画道路1・4・1号南牧佐久線に係る環境影響評価方法書の概要(PDF:10,203KB)、大変貴重な資料だと私は思いましたので、表紙と本文の数点をご紹介します。
◇ 2014年12月26日
中部横断自動車道(長坂~八千穂)の環境影響に関する検討書(国土交通省 関東地方整備局) 【検討書 とは 環境影響評価制度の配慮書】
◇ 2015年03月05日
中部横断自動車道(長坂~八千穂)の環境影響に関する検討書に対する環境大臣意見(環境省)
『環境省は、5日、「中部横断自動車道(長坂~八千穂)」の環境影響に関する検討書に対する環境大臣意見を国土交通大臣に提出した。』◇ 方法書の 「第4章 都市計画対象道路事業の目的及び内容(事業特性)」 に以下の記載があります。
4-6-2. 計画段階環境配慮書以降環境影響評価方法書までの経緯
関東地方小委員会等におけるこれまでの検討結果を踏まえ作成した「中部横断自動車道(長坂~八千穂)の環境影響に関する検討書」(平成26年12月発行)を、環境影響評価法第3条の3 第1項の計画段階環境配慮書とみなされる書類として作成し、平成27年3月26日の国土交通大臣意見をもって、配慮書の手続きを完了しました。
その後、平成27年4月に対応方針が決定しました。
検討書は上記リンクのように確認できましたが、「平成27年3月26日の国土交通大臣意見」 は国土交通省サイトでは探し出せませんでした。この項には対応方針の決定後、長野県区間では住民を交えた行政活動が行なわれ1km ルート帯が決定した事が記録されています。山梨県区間についての記載はありません。
【上図から判明したのですが、この大臣意見は関東地方整備局への内部文書とも言えるものでした。】長野県環境影響評価技術委員会、2019年8月20日の第2回で使われた資料6の文書は、国土交通省から方法書が届いた時、それに含まれて長野県に届いたものと思えます。長野県が「資料6」と書き加えて作成したPDFファイルが印刷されて委員会資料として使われたのでしょう。PDFファイルがアップロードされて拝見することが出来ました、感謝。
同じものが山梨県にも届いているはずですから、山梨県環境影響評価委員会が開催される時に公開されると思います。
しかし長野県委員会開催について述べたように、方法書の概要説明は関東地方整備局がお書きになったので、山梨県・長野県が整備局と協働して作成されて両県連名で公開されたのでしょう。その方法書について公開後の県内審議会はおかしいですから、その点はどのようにクリアーされるか注意したいと思います。
私が勘違いしていたこの高速道路区間の都市計画決定権者は、検討書(環境影響評価配慮書)を作成した関東地方整備局だと思います。
国土交通大臣の意見と都市計画決定権者の考え方が併記されているのは、その意味で理解できるのです。
事業の実質的な実施者は関東地方整備局であり、環境影響評価を配慮書(検討書)~方法書~調査実施~準備書~評価書と進めるのは関東地方整備局のはずです。
その評価書に基づき国土交通大臣が事業認可するのはリニア中央新幹線事業のときと同じでしょう。ですから検討書への大臣意見書はその事業主体に送付されたのです。
検討書(配慮書とみなされる)に対する環境大臣意見は国土交通大臣に提出されたのです。その後に方法書が作成された、それは国土交通大臣の傘下で作成され、その組織からの公開・説明であるべきはずなのです。
従って、都市計画道路決定権者としての山梨県・長野県共同作成と理解できる今回の方法書公開、説明会は無効ではないかとの私の思いは変わりません。都市計画道路決定者が関東地方整備局から長野県、山梨県に代った理由を明確にしてから、修正された方法書の公開、説明会を始めるべきと思います。
(もしかすると二区域にわたる事業ではあっても関東地方整備局としては都市計画道路指定をする予定は無かったのかも知れません、私には未だに謎です)◇ 「より厳しく環境評価を」 県の技術委 中部横断道アセスで(2019年8月21日 信濃毎日新聞)
(長野)県環境影響評価技術委員会は(2019年8月)20日、県庁で開き、中部横断道で事業化されていない八千穂高原インター(南佐久郡佐久穂町)―仮称・長坂ジャンクション(山梨県北杜市)間を巡り、環境影響評価(アセスメント)の手法などを示した
国の「方法書」について議論した。委員からは厳格な調査を求める意見が出た。
国土交通省長野国道事務所の担当者が1キロ幅ルート帯を定めた計画の概要や、想定される調査手法を説明。片谷教孝委員長(桜美林大教授)は「計画地は自然豊かな場所で、より厳しく評価する必要がある」とし、同省に対し「事業者として環境により配慮した姿勢を出してほしい」と求めた。
同事業を巡っては環境影響評価法に基づき、周辺の都市計画の決定権者である県が環境影響評価を行う。県は今後2回ほど開く同委員会の議論を踏まえ、より環境に配慮した事業とするための「知事意見」を年内にまとめる。
同委員会はこの日、JR東海のリニア中央新幹線建設工事で発生する残土についても議論した。下伊那郡大鹿村の残土の仮置き場を拡大する計画を巡り、富樫均委員(元県環境保全研究所専門研究員)は、現在使用している仮置き場より土を高く盛ることについて「土地の安定性の面で不安を感じる」と指摘した。
◇ 山梨県の環境アセスメント > 環境影響評価の手続状況 > 仮称)韮崎都市計画道路1・4・1号双葉・韮崎・清里幹線他に係る環境影響評価手続 更新日:2019年8月1日
山梨県・長野県連名の方法書にその県知事が意見するのはおかしいのです。自分達の名で公開した文書です。『国交省長野国道事務所の担当者が説明。』も本来ならあり得ません。ですから全てご破算にして最初から真っ当な手順でやり直すべきです。
【追録 2019.09.01】 都市計画道路とする決定過程を確認しておくべきだと思い、以前書いた記事を見ていた。
2014-07-10
山梨中部横断道、Bルートの決定、北杜市のリスク大きい、5年前の記事だが、北杜市と市議会と国土交通省と住民の会の間でのおかしな部分を書き残していた。
この記事で 「北杜市議会議員中部横断自動車道推進の会」 の検索設定してあり、
北杜市議会議員中部横断自動車道推進の会(2015年11月26日 北杜市議会議員 内田俊彦氏のブログ)、最近では 2019年6月5日
中部横断自動車道長坂〜八千穂の早期整備を求める会 を確認できた。都市計画道路指定はどのような経緯で決められたのかを理解できる情報が山梨県庁のみならず北杜市からも発信されることを期待したい。