2024年3月2日 06:00 山梨県とメディアの戦いに出口見えず、「取材規制」への抗議に当局は〝事実誤認〟の反論(産経新聞)【文字の赤はページ作成で付けたものです】
山梨県の長崎幸太郎知事へのインタビューを巡る「取材規制」の問題が泥沼化している。県側が長崎氏自身の政治資金収支報告書への不記載問題について質問しないよう求めたことが発端で、山梨県政記者クラブの抗議に対し、県側は質問事項に関する「調整の提案」などと反論。県側の要請に応じず、実際にインタビューが実施されなかった社もあり、記者クラブが再抗議する可能性も高まる。問題収束の道筋は全く見通せない事態に陥っている。
「報道側は理解」 県側の不可解な主張
県側の回答は2月27日に、県地域ブランド・広聴広報統括官の小林徹氏の名で文書で出された。そこではインタビューは「限られた時間内で、その年の県政方針を取材いただく」という趣旨を強調。長崎氏の政治資金収支報告書への不記載問題など「県政に関する内容以外の質問は定例会見で質問するよう調整を提案し、この点を理解いただいたうえで取材をしていただいたものと理解する」とした。
だが、実際には報道各社は長崎氏が知事就任6年目に入る節目でのインタビューだと、県の広聴広報グループから説明を受けていただけ。インタビューを行った社を含め、「県政以外の質問は定例会見で」との認識はなかった。こうした「取材規制」とも受け取れる要請を報道側が了解していたという事実もなく、「報道側が理解していた」という県側の主張は全くの事実誤認といえる。
局長が議会でも答弁
記者クラブ加盟のある記者は「もはや妄想レベル」と批判し、別の記者も「事実誤認じゃなく完全に虚偽、捏造(ねつぞう)という次元だ」と怒りを隠さない。
さらに2月28日に県はこの回答をホームページで公開。同日行われた2月定例県議会の一般質問で、志村直毅県議がこの問題について質問。これに対し、石寺淳一知事政策局長が「調整を提案し、この点を理解いただいたうえで取材をしていただいた」と答弁するなど、事実誤認のままで、県の公式的な見解としている。
ローカルな問題が全国的なニュースに
この「取材規制」を巡る問題は山梨県内にとどまらず、全国的な関心事となっている。国内の新聞社などの労働組合でつくる 日本新聞労働組合連合(新聞労連)が、今回の問題を受け、別の自治体でも首長への取材で同様の事象が起きているとして、「言論の自由を保障した憲法に違反する悪質な行為」と、抗議声明を発表した。
日本の新聞、放送、通信の企業・個人で構成する 日本新聞協会も「会報に今回の問題を掲載する」と記者クラブに連絡してきた。また、全国ネットの民放の報道番組でも、この問題を取り上げる予定で取材を進めているとされる。
こういった形で問題が大きくなっている最中に、県側がさらに事実誤認に基づく見解を示したことに、記者クラブは対応を協議しており、再度の抗議や質問状を出し、報道側が事前了承していたとの県の認識の撤回を求める方向だ。(甲府支局 平尾孝)
山梨県知事インタビューを巡る「取材規制」の問題
長崎幸太郎知事の就任6年目入りのインタビュー取材に際し、自らが代表である資金管理団体でパーティー券のキックバック1182万円の不記載があったことについて県側がメディア側に質問しないよう求め、質問項目から削除しない場合は取材に応じられないと「圧力」をかけたことをきっかけに始まった問題。2月5~14日に記者クラブ加盟の11社が取材し、産経新聞を含め、数社は不記載問題を質問し記事化した。
一方で質問しなかったケースや、不記載問題関連を記事にしなかった社もあった。さらに地元民放のテレビ山梨は、質問削除の要請に応じないことを通告したためインタビューは実施されなかった。
一連の事態を受け、山梨県内の14社の報道機関が加盟する山梨県政記者クラブは臨時のクラブ総会を開催し、「県の対応が意に沿わない報道に圧力をかけ、取材活動を規制するもの」として抗議し、一連の対応についての経緯などを質問する文書を県側に提出した。これに対し、県側が2月27日に文書で回答していた。
山梨県の長崎幸太郎知事へのインタビューを巡る「取材規制」の問題が泥沼化している。県側が長崎氏自身の政治資金収支報告書への不記載問題について質問しないよう求めたことが発端で、山梨県政記者クラブの抗議に対し、県側は質問事項に関する「調整の提案」などと反論。県側の要請に応じず、実際にインタビューが実施されなかった社もあり、記者クラブが再抗議する可能性も高まる。問題収束の道筋は全く見通せない事態に陥っている。
「報道側は理解」 県側の不可解な主張
県側の回答は2月27日に、県地域ブランド・広聴広報統括官の小林徹氏の名で文書で出された。そこではインタビューは「限られた時間内で、その年の県政方針を取材いただく」という趣旨を強調。長崎氏の政治資金収支報告書への不記載問題など「県政に関する内容以外の質問は定例会見で質問するよう調整を提案し、この点を理解いただいたうえで取材をしていただいたものと理解する」とした。
だが、実際には報道各社は長崎氏が知事就任6年目に入る節目でのインタビューだと、県の広聴広報グループから説明を受けていただけ。インタビューを行った社を含め、「県政以外の質問は定例会見で」との認識はなかった。こうした「取材規制」とも受け取れる要請を報道側が了解していたという事実もなく、「報道側が理解していた」という県側の主張は全くの事実誤認といえる。
局長が議会でも答弁
記者クラブ加盟のある記者は「もはや妄想レベル」と批判し、別の記者も「事実誤認じゃなく完全に虚偽、捏造(ねつぞう)という次元だ」と怒りを隠さない。
さらに2月28日に県はこの回答をホームページで公開。同日行われた2月定例県議会の一般質問で、志村直毅県議がこの問題について質問。これに対し、石寺淳一知事政策局長が「調整を提案し、この点を理解いただいたうえで取材をしていただいた」と答弁するなど、事実誤認のままで、県の公式的な見解としている。
ローカルな問題が全国的なニュースに
この「取材規制」を巡る問題は山梨県内にとどまらず、全国的な関心事となっている。国内の新聞社などの労働組合でつくる 日本新聞労働組合連合(新聞労連)が、今回の問題を受け、別の自治体でも首長への取材で同様の事象が起きているとして、「言論の自由を保障した憲法に違反する悪質な行為」と、抗議声明を発表した。
日本の新聞、放送、通信の企業・個人で構成する 日本新聞協会も「会報に今回の問題を掲載する」と記者クラブに連絡してきた。また、全国ネットの民放の報道番組でも、この問題を取り上げる予定で取材を進めているとされる。
こういった形で問題が大きくなっている最中に、県側がさらに事実誤認に基づく見解を示したことに、記者クラブは対応を協議しており、再度の抗議や質問状を出し、報道側が事前了承していたとの県の認識の撤回を求める方向だ。(甲府支局 平尾孝)
山梨県知事インタビューを巡る「取材規制」の問題
長崎幸太郎知事の就任6年目入りのインタビュー取材に際し、自らが代表である資金管理団体でパーティー券のキックバック1182万円の不記載があったことについて県側がメディア側に質問しないよう求め、質問項目から削除しない場合は取材に応じられないと「圧力」をかけたことをきっかけに始まった問題。2月5~14日に記者クラブ加盟の11社が取材し、産経新聞を含め、数社は不記載問題を質問し記事化した。
一方で質問しなかったケースや、不記載問題関連を記事にしなかった社もあった。さらに地元民放のテレビ山梨は、質問削除の要請に応じないことを通告したためインタビューは実施されなかった。
一連の事態を受け、山梨県内の14社の報道機関が加盟する山梨県政記者クラブは臨時のクラブ総会を開催し、「県の対応が意に沿わない報道に圧力をかけ、取材活動を規制するもの」として抗議し、一連の対応についての経緯などを質問する文書を県側に提出した。これに対し、県側が2月27日に文書で回答していた。
2024年2月28日 18:28 山梨県の長崎幸太郎知事「趣旨伝わってなかったこと遺憾」 インタビュー質問規制に言及(産経新聞)
山梨県の長崎幸太郎知事のインタビューに関し、県側が報道各社に対し、政治資金収支報告書不記載関連の質問を規制した問題をめぐり、長崎氏は28日に行われた2月定例県議会の一般質問の答弁で、「インタビューの趣旨は県政の中長期的方針を県民に知らせるためと、あらかじめ報道機関に伝え合意を得ていたと考えていたが、その趣旨が伝わっていなかったことは遺憾だ」と語った。
この問題をめぐっては、山梨県政記者クラブが質問制限への抗議・質問状を県側に提出。これに対し27日に県側が回答を出し、「限られた時間内で県政方針を取材いただくため、それ以外の質問は定例知事会見で質問いただくとの理解だった」として、「取材活動の規制ではない」と主張していた。
今回、質問制限問題について長崎氏が言及したのは初めて。さらに「今後は報道機関とコミュニケーションをとるべく一層職務に遺漏なきよう(担当部署に)指示した」と続けた。
一方、記者クラブの中では、27日の県側の回答を了承できないとの意見もあり、今後対応を協議する予定だ。
山梨県の長崎幸太郎知事のインタビューに関し、県側が報道各社に対し、政治資金収支報告書不記載関連の質問を規制した問題をめぐり、長崎氏は28日に行われた2月定例県議会の一般質問の答弁で、「インタビューの趣旨は県政の中長期的方針を県民に知らせるためと、あらかじめ報道機関に伝え合意を得ていたと考えていたが、その趣旨が伝わっていなかったことは遺憾だ」と語った。
この問題をめぐっては、山梨県政記者クラブが質問制限への抗議・質問状を県側に提出。これに対し27日に県側が回答を出し、「限られた時間内で県政方針を取材いただくため、それ以外の質問は定例知事会見で質問いただくとの理解だった」として、「取材活動の規制ではない」と主張していた。
今回、質問制限問題について長崎氏が言及したのは初めて。さらに「今後は報道機関とコミュニケーションをとるべく一層職務に遺漏なきよう(担当部署に)指示した」と続けた。
一方、記者クラブの中では、27日の県側の回答を了承できないとの意見もあり、今後対応を協議する予定だ。
山梨県議会の確認
令和6年2月26日(月曜日)代表質問
未来やまなし 清水 喜美男 【この方はWebページ無いらしい】
1.長崎知事の政治資金収支報告書の不記載問題について
令和6年2月28日(水曜日) やまなし県民会議 志村 直毅
質問・10.政治資金に対する知事の考え方について
志村直毅
志村直毅(SHIMURA Naoki) 本日の一般質問、傍聴・視聴してくださった皆様ありがとうございました。こちらのサイトで少し映像をご覧になれます。
知事の政治資金収支報告書の不記載問題については、取材規制ともとられる県の対応や、政治とカネの問題についての知事の見解を質すとともに、毎年、政治資金収支報告書の提出のほか訂正も何度かある中で、使途不明金の確認もされず、失念し続けたということを県民に信じていただけるでしょうか、と申し上げました。
カネのかからない政治の在り方を追求し、切り拓いていく姿を見せるべきとの問いかけへの答弁は、範たる見解を述べられていたと思います。
ぜひその思いで、政治とカネの問題がつきまとう県政と言われないように改善をお願いしたいと思います。
【志村直毅議員は、ご自身のサイトでこのようにお書きになっておられる。】
令和6年2月28日(水曜日)
日本共産党 名取 泰【なとり やすし氏はご自身のサイトに記録なさっています】
7.政治資金をめぐる問題について
2月28日に行なわれた山梨県議会2月定例会での日本共産党の一般質問の内、知事の政治資金をめぐる問題についての部分の要旨を紹介します。(以下の図は質問で使用したパネルです。)
【実に長文の記録で、長崎知事との質問・回答も多数の記録を残された】
令和6年2月26日(月曜日)代表質問
未来やまなし 清水 喜美男 【この方はWebページ無いらしい】
1.長崎知事の政治資金収支報告書の不記載問題について
令和6年2月28日(水曜日) やまなし県民会議 志村 直毅
質問・10.政治資金に対する知事の考え方について
志村直毅
志村直毅(SHIMURA Naoki) 本日の一般質問、傍聴・視聴してくださった皆様ありがとうございました。こちらのサイトで少し映像をご覧になれます。
知事の政治資金収支報告書の不記載問題については、取材規制ともとられる県の対応や、政治とカネの問題についての知事の見解を質すとともに、毎年、政治資金収支報告書の提出のほか訂正も何度かある中で、使途不明金の確認もされず、失念し続けたということを県民に信じていただけるでしょうか、と申し上げました。
カネのかからない政治の在り方を追求し、切り拓いていく姿を見せるべきとの問いかけへの答弁は、範たる見解を述べられていたと思います。
ぜひその思いで、政治とカネの問題がつきまとう県政と言われないように改善をお願いしたいと思います。
【志村直毅議員は、ご自身のサイトでこのようにお書きになっておられる。】
令和6年2月28日(水曜日)
日本共産党 名取 泰【なとり やすし氏はご自身のサイトに記録なさっています】
7.政治資金をめぐる問題について
2月28日に行なわれた山梨県議会2月定例会での日本共産党の一般質問の内、知事の政治資金をめぐる問題についての部分の要旨を紹介します。(以下の図は質問で使用したパネルです。)
【実に長文の記録で、長崎知事との質問・回答も多数の記録を残された】
私が記録した限りでは2月議会で知事と議員が政治資金収支報告書の件について話しをされ、議員はもちろん、傍聴の市民や報道人も聞いたと思います。
産経新聞の記事からは、知事との面談を望む報道機関を県庁職員が止めているとしか思えませんが、それを知事はどの程度ご承知なのか。
2024年2月26日 日本新聞労働組合連合(新聞労連) 地方自治体で相次ぐ「質問封じ」に抗議する
山梨、徳島の事案とも首長による直接の取材拒否の指示は確認されていませんが、選挙で県民・市民の負託を受けた公人としての説明責任に背を向ける首長の姿勢が広報担当者に伝染し、トップの顔色を伺う忖度が自治体にまん延していることを伺わせます。【部分引用です】