遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

生きていた証拠

2008-10-13 22:08:39 | PARAGLIDER
昨年7月に死んだ人を悼むエントリーを書きました。亡くなったのは大学院生でパラグライダーサークルに所属していました。彼は屋久島に旅行に行って、そこでダイビングをしているうちに行方不明。そして、翌日水死体で発見されました。彼の所属は医学部ではありませんでしたが、共同研究の関係で医学部キャンパスによく出入りしていて、昼飯時に生協辺りを歩いていると彼に良く会いました。ボロボロのジーンズをはいて楽しそうにキャンパスを闊歩して、大学院生としても充実していたような印象でした。

僕の撮った写真の中でその彼が写っているものをピックアップするようにNちゃんに頼まれていたのを昨日思い出しました。恥ずかしながら失念していて、頼まれてからかなり時間が経っています。今さらという感じがしますが、僕の中で「やらないといけない」という気持ちが湧き上がって膨大な数の画像データーの確認作業を始めました。深夜でしたが2001年にパラグライダーを始めた頃からの画像データーを一枚一枚目で確認。どんなに小さく写っていても見つけ出す気持ちで画像をクリックしました。過去の画像は全てCDに焼いてあります。昨夜はCD7枚で力尽きて寝てしまいました。今夜残りのCD9枚の確認作業に入ります。

画像はデジタルデータでして、CDに傷でもつけば一瞬にして消え去ってしまう儚いものです。写真は瞬間を止めて二次元に残したもの。写し込まれたものは自分がそこにいた記憶の残像です。スナップだろうが、芸術志向の写真だろうが、撮影者はそこに居てシャッターを切ったのです。そこに心が残っている。
昨夜、15枚の画像に昨年死んだU君の姿をみつけました。写真の中で彼は一生懸命大倉で走り、獅子吼で笑ってました。僕の画像データーの中で彼は確かに生きていました。

本日のお酒:鹿児島芋焼酎 さつま白波 + ほまれ 純米吟醸
コメント (5)
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