略してTD。テイクオフにいてフライトの申請を取り次ぎ、グライダーのライズアップのチェックと離陸の指導をします。パイロット以上の資格がある人がやることになってます。パイロットは自分の責任で飛ぶのですが、講習生が飛ぶにはTDが必要ということになってます。上の写真でイメージが沸きますかね?
今もそうですが僕が講習生時代はすごい飛びたがりで、無理言って先輩や先生に自分のためだけにTDをしてもらって飛んだことも多かったです。芝TくんやDすけ君、Kシローさんや隣のスクールのM田さんにはいろいろとテイクオフで教えてもらって感謝しています。その時の罪滅ぼしと感謝の意味があって、パイロットになった今TDを時々引き受けてます(他にする人がいればやりませんが)。僕と同様に飛びたい病の患者は獅子吼に何人かいます。彼らにも存分に飛んで欲しいのです。
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2002年5月25日、僕は離陸に失敗し山に突っ込んでしまいました。救助されるまでコアラ状態で1時間以上木にぶら下がり、テイクオフに徒歩で生還できた時にはヘトヘトでボロボロでした。グライダーは回収できず、木に引っかかったまま。惨めでした。その時のTDにかけられた言葉。
「はやしさんはもう何十本も飛んでるんですから、グライダーが傾いたりつぶれたりしてても何も言いませんよ」
その経験以来、僕自身はTDに依存する気持ちは持っていません。講習生だった僕はTD無しに離陸できないというルールは了解していましたが。
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今、僕がTDをやっててミスをしたらフライヤーの方には後であやまっています。最初から完璧な人間などいませんが、ミスはミスですから。事故の多くはテイクオフとランディングで起きるので責任が大きいし精神的に負担もありますが、幸い大きなトラブルを起こしていません。というか、僕が飛び始めてからテイクオフでうちのスクールのフライヤーが怪我すんの見たことない。獅子吼のテイクオフって超簡単だからね。ちゃんと向かい風がきてるのにここでちゃんと離陸できない人は他のどこでも飛べないと思うよ。それでもドキドキものの離陸を何度も見送りましたが・・・。
以前、パラの大先輩Rチャードさんがある掲示板に書いたTDの難しさや重さに関しては本当にその通りだと思います。しかし、今の獅子吼でパラグライダーをやろうとしたらパイロットの誰かがTDをしなければならないことが多いです。それならリスクは分散して管理するしかないでしょう。僕に出来そうなことをやる。それだけです。
ちなみに、うちのTDやってくれてる人で一番信頼できるのはN崎くんだと思う。僕はまだまだです。
本日のお酒:SUNTORY PREMIUM MALTS