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突然の別れ(5)棺桶①

2012-10-24 10:49:47 | 日記(~2023年)
母の時も、父の時も、火葬が終わり、釜(炉)から出てきた遺骨を見て気持ちが冷静になったのが分かりました。
遺体といえども、形があるのとないのとでは全然違います。

「もうこの世にはいないのだ」

他の遺族の方も何か吹っ切れたように見えました。


さて、釜より出てきた遺骨は、バーナーの風によって本来の位置からずれていて、それをまず火葬場の係員によって整えられました。
そして整えられた遺骨の説明を係員の方がしながら、遺族が順に骨を壺に入れていきます。


10年前、母の遺骨を拾う時、火葬場の係員の方が「棺桶は質素なほうが綺麗な遺骨になる」と言っていました。火葬場の係員の方が言うのだから間違いないでしょう。
漆塗りの黒い棺桶などは、漆の色が骨についてしまうことがあるようです。また、有色の装飾がされた棺桶や色のついた装飾品を一緒に入れることで骨に色が付着することもあるようです。
また質素な方が棺桶の素材が燃えやすいのかもしれません。

そのことを思い出し、父も質素な棺桶を選びました。
そのおかげで、父の遺骨は綺麗でした。若干緑色に変色していたのは花の色が付着したようでした。

係員の方が「立派な骨ですね」と言ってくださり、お世辞でも嬉しかったです。
内臓はボロボロだったけど骨は丈夫だったようです。


綺麗な遺骨を残すには、見栄を張りすぎないのがいいのかもしれません
自分が死んだ時には質素な棺桶にするよう主人に伝えています。