地球散歩♪

いもとなおこのBLOG

モザンビークの楽園編。

アンタルヤの違う景色

2017年02月05日 | middle east

Rixosホテルで気持ち良く寝て、

朝ご飯も美味しく頂き、

今日は月曜日、仕事初めだ。

名前も知らなかったリゾート地のホテルで迎えることになったけれど、部屋にちゃんとデスクもあるし、快適だ。

こうなったら帰ることに慌てず、ここでじっくり落ち着いて仕事するのだ。

休み明けで会議もいくつかあったけれど、それも逃れ、メールとスカイプでたったかたったかと必要な仕事をこなした。

悪くないな・・・。

他の足止め旅行客もみんなくつろいでいる。

相変わらずターキッシュ空港からの連絡はないので、

夕方にはスパでターキッシュ・ハマム(トルコ式風呂)を予約した。これはもちろん有料。

これが思いのほか、最高に良かった。

ハマムは以前モロッコ旅行で一度だけ経験したけれど、

大理石みたいなお風呂場でゴシゴシと垢を擦ってくれて、

最後に大きな袋に入った気持ちのいい泡をぶわっとかけてくれる。

泡がこんなに気持ちがいいものだったなんて・・・。

担当のお姉さんのマッサージの技術も最高に良くて、

私の肩こり具合に驚いて、

徹底的にほぐしてくれた。

マッサージに厳しい私が満足することは少ないのだ。

すっかり気持ちよく上機嫌になった私は、仕事を続けるのを諦め、時差ボケも手伝って、早々に眠りに着いた。

 

朝の6時くらいに目が覚め、良く寝たなあ、と思っていたら、電話がなった。

「7時半の空港行きのバスに乗ってください」

 

やっとだ!3泊足止め後、やっと光が見えてきた!

このときの喜びと言ったら。

時差ボケも幾分解消し、気持ちも軽い。

一昨日の夜とはエラい違いだ。

ウキウキと朝食を済ませ、7時半前にバスに乗り込むが、なかなか発車しない。

もー、ブラジル人ってば!

聞くと、ツアー客御一行様のうちの一人がまだ起きてきていないという。

そういうの、添乗員さんがちゃんと事前に確認しておいてよ・・・。

はやる気持ちを抑え、再度アンタルヤ空港へ着き、チケット売り場に並び、

1時間半くらい並んだところで、ようやくチケットが発券された。

 

あああ・・・!

 

誰かと喜びを分かち合いたかったけれど、

一匹狼だからさっさとその場を去り、荷物を預けて登場ゲートへ向かった。

 

雪のイスタンブールに飛行機が着陸したとき、

乗客は拍手喝采となった。

 

イスタンブールでもまだあちこちで長蛇の列があった。

イスタンブールの滑走路はここ数日ずっと閉鎖されていたから、多分、あのときに手際良くアンタルヤからイスタンブールへと発ったベルギー人も日本人たちも、

きっとイスタンブールでまた足止めを食らっていたと思う。

そう思ったら、アンタルヤのゴージャスなホテルで2泊できた私は、ラッキーだった。

そう思うことにして、飛行機はようやくイスタンブールを経ち、私はアテネに着いた。

日本を出てから、5日くらい経っていた。

また一つ、私の海外珍道中のネタが増えた。

さあ、明日からまた仕事だ。


まだまだ遠い帰り道。

2017年02月05日 | middle east

な、なんということだ・・・。

怒りで震える私は、私は引き下がった。

「あなたがイスタンブールまでのチケットしか発券できないことはわかりました。

とりあえずイスタンブールまでで良いので発券してください。あとは自分で何とかしますから」

「いや、それはできません。あなたはアテネ行きのチケットを持っているのですから。あなたの気持ちは十分に察します。でも私にはあなたのチケットを発券することはできないのです。」

「なんでそれを、2時間前に列に並ぶ前に言ってくれなかったのですか?」

もう、ターキッシュ航空に文句を言っているのか、

トルコ人の配慮のなさに文句を言っているのか、

どうでも良くなっていたが、とにかく怒りが収まらない。

圧力鍋みたいになった私は、泣きそうになりながら(いや、多分泣いてた)、

意を決してチケット売り場に並んだ。

あと2時間か、3時間か・・・。

みんな怒り心頭で、誰かがターキッシュ航空のスタックと口論になって怒鳴る度に、

みんな拍手喝采で応援を送る。

この穏やかな私でさえこんな状態なのだから、

誰かが発狂したり、窓口のガラス戸を叩いたりしても、もはや何も不思議ではない。

 

少し時間が経ったところで、誰かが大声で怒鳴った。

「今日のイスタンブール行きの便はすべて欠航になりました」

 

なんてこったよ・・・(涙)

 

もう怒りと悲しみと疲れでヨレヨレになった私は、

放心状態になりかけたけれど、

ターキッシュ航空ではない他の航空会社の便が飛んでいることを知り、

それを使ってとりあえずイスタンブールへ行こうと決めた。

アテネへの便はそれから考えよう。

 

100ユーロくらいの便を買い、荷物の超過料金まで払い、

1時間くらい待った。

イスタンブールに着くのは夜の11時くらい。どこに泊まろう。

知り合いに連絡したけれど、連絡が着かない。

夜遅いし、雪だからあまり動きたくないから、空港の近くの格安ホテルに泊まろう・・・。

 

ふと思い立って、明日のイスタンブールからアテネの便を何とかおさえるため、

再びターキッシュ航空のチケットカウンターに並んでみた。

例の日本人グループを助けていた、優しそうな、しかも仕事ができそうな、髪の毛をソフトモヒカンに立てたお兄さんの列に並んだ。

何となく、この人なら、何とかしてくれそうな気がしたのだ。

お兄さんは、親切で同情的で、しかし説得力のある声で言った。

「サンライズ航空の便で行くと、イスタンブールの郊外の空港に到着し、面倒なことになりますよ。

今日は私たちの指定のホテルに泊まって、明日のイスタンブールの便で行った方が良いですよ。

今からアテネ行きを取っておきますから。ビジネスクラスを用意します」

「いや、でももうサンライズで取っちゃったから・・・」

「私が返金してもらえるように一緒に頼みます」

なんて頼もしくて優しい・・・。

このソフトモヒカンのお兄ちゃんは、酷い酷いターキッシュ航空の、輝く星だ。

間違いなく、今この世で私が最も信頼する男だ。

 

結局ヤクザみたいなサンライズ航空は返金を固辞し、

私は争う気にもなれず、

ホテル行きのバスを待った。

いつの間にか、もう夜遅い。

アテネの友人に電話したら、涙が出てきた。

あのベルギー人は、日本人たちは、無事にイスタンブールに発ったのだろう。

私だけ置いてけぼりでまだここにいる。

 

スペイン人の団体客と一緒にバスでホテルへ向かった。

添乗員さんが、「明日は帰りますよ!」と元気にマイクで話している。

日本のツアーからの帰りらしく、私が日本人だと告げると、「日本は素晴らしいね!!!」と興奮して声をかけてくる。

こんな褒め言葉はいつものことだから慣れていて、いつもなら「ありがとうございます」と謙虚に微笑むのだけれど、

今だからしみじみ噛み締める。

本当に日本は最高だ。

 

45分後にホテルに着くと、歓声が上がった。

Rixosという海沿いの、一流のホテルだった。

「屋内プールまであるらしいわよ!」

あまり関係ないけれど、何となく気持ちが和んだ。

昨日のゴテゴテホテルと違い、インテリアのセンスはいいし、インターネットも通じるし、食事のビュッフェは100種類くらい品が揃っていた。

「バーもすべて無料です」

ワイン一杯で、かなり気持ちが和んだ。

ターキッシュ航空は私の扱い方をわかっていた・・・。

血迷ってサンライズ航空に乗り換えなくてよかった。


再びアンタルヤ空港へ。

2017年02月05日 | middle east

なんとびっくり!

前回の投稿から一ヶ月近く放置してしまい、

数少ない読者の皆様がもしかして続きを期待してくださっていたかも知れないのに

新年早々いい加減さを露呈してしまいました。

もし待ってくださっていた方がいらっしゃいましたら、本当に申し訳ございません・・・。

言い訳としましては、

新年早々、面白いブログを!と気合いを入れてしまったため、

ギリシャに帰国して続編を書くまとまった時間を作ることを怠り、

自分で自分の首を絞めたような形になったままズルズルと時間が経ってしまったという訳です。

というわけで、まずはかなり錆び付いてしまった続編をどうぞ。

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お昼になったので、レストランに行きがてらロビーに下りると、

何だか様子が違う。

あんなにうじゃうじゃ人で埋まっていたロビーが、

少し閑散としているではないか・・・。

受付に聞いてみると

「あ、みなさんもうバスに乗って空港へ向かっていますよ。あなたも早くバスに乗ってください」

「は?えっと・・・今って・・・ 今?!」

 

なんで教えてくれないのーーー!!!(怒)

 

慌ててエレベーターに乗って部屋に戻るも、カードキーが効かなくなっていて、

また急いで受付に戻る。

こういうときのこういう手間!!!

ぎゃーーーーーー!

落ち着いて、落ち着いて・・・

再度部屋に戻って重たいスーツケースをがちゃがちゃと締め、

やっとこさ転がしてロビーに戻ると、

最後のシャトルバスは行ってしまったところだった。

忌々しい気持ちをコントロールして、タクシーで一人空港へ。

ここは日本ではないのだ・・・。

もう十何年も日本を離れているのに、

何を今になっても母国と比べているのだ・・・。

 

昨日も居たアンタルヤ空港に着くと、

相変わらず人でぐちゃぐちゃだ。

全体的に昨日よりも動揺の量は減り、

怒りが増えている模様。

チェックインカウンターには長蛇の列ができていて、

また相当待たされることになりそうだ。

私は気長に待とう、と、読みかけの本を取り出して、読み始めた。

 

ふと横を見ると、チケット売り場にももっとうなだれるような長蛇の列があった。

あそこには行きたくない。

絶対に・・・。

 

今思えば、なぜあそこで周りの人に聞かなかったのだろうかと思う。

例のベルギー人の即席相棒を失ってから、

私は孤高の一匹狼と化していた。

私の列のすぐ隣に日本人のグループがいたというのに、

私は声をかけられなかった。

昨日今日会ったばかりの見知らぬ人同士がこんな災難を経験するうちに、

彼らはぐっとチームワークを高め、

うまく言葉で言い表せない、日本人独特のノリで盛り上がっていたのだ。

大学時代に3年間アメリカに留学し、

日本の大学に戻った時に感じた、あの溶け込めない雰囲気、まさにそのものだ。

あれからほとんどの時間を海外で過ごしている私には、

このノリがとても異質のモノに感じてしまい、

「いえーい」と記念写真を撮ったりしている彼らに、ついつい声がかけられなくなってしまった。

ああ、何をやっているのだ、私は・・・。

 

彼らのうちの一人が、どこかから興奮してやってきた。

多分、チケット売り場から来たと思われる。

何やら歓声をあげ、盛り上がっている。

一人をチケット売り場に派遣し、

他の者はチェックインカウンターで並んで待つというそのチームワークの良さ。

私は同郷の迷い人を誇らしく思った。

誇りに思っている場合ではない。

私も多分、何とかせねばならないのだが、

すでに一時間以上並んでしまっていたため、

今さらこの時間を水の泡にして、チケット売り場に行く気に到底なれなかった。

前後の人たち(日本人ではない)に聞くと、彼らも同じ口で、

「今さら向こうに並び直すなんてそんなことできないよな」

ということで安心し、さらにあともう1時間並んだ。

そしてとうとう自分の番になったところで、

目を瞑って祈ってみたが、

こう告げられた。

「ここではイスタンブール以降のブッキングはできません。チケット売り場に並び直してください」