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日本財団HEROsアワード。
アスリートによる社会貢献活動を推進するためのアワード。
スポーツの価値・・・。
最初にこのアワードにご推薦頂いたとのお話を聞いた時、正直言うとピンと来ませんでした。
自分はスポーツ界、それも日本の、とは無縁の世界にいると思っていたから。
この人道支援の世界でキャリアを踏み出してから、16年。
その間、元アスリート、元オリンピアンであることを使ったことは一度もありませんでした。
そして私は、評価があいまいで、評価=次のポスト獲得、それも必ずしも能力ありきとは限らない、という今の環境において、幸か不幸か、他人の評価をあまり気にしないようになってしまいました。
自分の価値観で、何が良くて、何が凄いのかを判断する。
そう考えたら、今の私なんてまだ全然、評価されるほどの実績を残していない・・・。
それでも今年のファイナリスト4組の中に選ばれ、
日本に帰る航空券は出してもらえるし、
ドレスコードは「ブラック・タイ」、
超有名アスリートにお会いできて、
さらにそんな煌びやかな場に母まで招待!(しかも母までちゃっかりヘアメイクしてもらえるってそんな。)
それだけでも、とホクホクと日本に帰国しました。
多分一年で一番忙しい時期で、同僚たちは「本当に今、帰るの?」と何度も聞いてきました(笑)。
「に、日本でもちゃんと仕事対応するからさ!」と私。
でも蓋を開けてみると・・・
ホテルのボールルームにひしめく、250人強の出席者。
それも、超有名アスリートの皆様方ばかり。
そしてずらりと並んだ報道陣。
ドレスに着替えて、ヘアメイクをしてもらって、待合室に上がって取材を受け、
会の進行の説明を聞いていても、
事の重大さをイマイチ理解していない私は、
説明係の人「ここで檀上に上がっていただきます」
私「えっ、一人で上がるんですか」
私「私、なんか喋るんですか?」
がくがくブルブル・・・。
隣にいらした北澤豪さんに、
「緊張しすぎちゃったことってあります?」と聞いてみた。
「あるよー」と優しい北澤さん。
「テレビで、頭が真っ白で何も言葉が出なくなっちゃって、とりあえずわけもわからず喋った」。
どーしよーどーしよーどーしよー!
(次に続く)
※写真は、甥っ子が撮ってくれた、ヘアメイクの後、会場に乗り込む前の私