松下電器産業、現パナソニックの創業者、「故・松下幸之助 氏」の本や、生の講演を収録したカセットテープなどを昔読んだり聞いたりしていた。
その中で、松下家生家のお手伝いさんだった人が、成功した松下氏のもとを訪ねてきた時の内容を、氏本人が語っていた。
お手伝いさん曰く、「あんたが成功できたんは、あんたが幼かったころ、庭に出たヘビを殺すのに、あんたが参加しなかったからや」と。
当時、松下家の庭にヘビが出て、松下氏の兄弟たちは、みんなでヘビを殺したそうだ。
その行為に、松下氏は参加しなかった「ため」、「あんたは成功できたんや」と言うこと。
松下氏曰く、「それが真実かどうかはわかりまへんが、兄弟たちは、みんな早逝 (そうせい=若くして亡くなること) した。ヘビの殺害に参加しなかった私だけは、成功したと、こういうわけであります」。
私が子供だった頃は、「ヘビを殺したら祟られる」から、「絶対に殺してはいけない」と言う民間信仰が、まだあった。
「祟られる」云々はともかく、「無益な殺生」は、殺生した者にいずれ業として返っていくのは道理である。
真実はどうかは私にはわからないが、「ヘビを殺した兄弟たちは、早逝し」、「参加しなかった松下幸之助氏は、実業で大成功した」これは事実である。
( 私は前述したように、ヘビは怖くないし、そもそも鳥獣や昆虫には優しいので、殺すことも傷つけることもしない。)
高野山の体育館や茶室を作るのに多額な寄付をした松下幸之助氏。
その時の話を、岡山県某所・高野山真言宗寺院の住職から直接聞いた。
当時の住職曰く、「私が高野山に務めておった時に、松下さんが多額の寄付をしてくれて、体育館を作ってくれましてなあ、そのお礼を松下さんのお宅に言いに伺ったんですわ。それでですなあ、お茶出してくれまして、茶碗を見て、≪ これは、いい茶碗ですなぁ ≫ と、褒めたらですなあ、松下さん、嬉しかったんでしょうなあ、ニコーっと笑って、≪ 高野山には茶室はありまっかいな? ≫ と、こう聞くんですわ。 ≪ いえ、茶室はないんですわ ≫ と、こう言いますとな、≪ ほなら、茶室も作ってさしあげまひょか ≫ と、言われましてですなあ。茶室も作ってくださったんですわ」とのこと。
松下氏は、功成り名を遂げた後は、伊勢神宮や高野山はじめ、様々な神社仏閣へ浄財を寄付したりして、「神仏への道へと」進んでいった。
その松下氏の名言。
「こけたら、立てばええんや」(倒れたら、起き上がればいいのだ)
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