おばさんの落書き部屋

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人権特別講演会「認知症になった波平」

2012-01-20 19:14:01 | 日記

千種生涯学習センターで13:30~人権特別講演会があった。
題して「認知症になった波平」  講師は中日新聞『老いの風景』の執筆者:渡辺哲雄氏
『老いの風景』は1994年から12年間にわたって500編も続いた読み切りの短編小説で
私も愛読していたが、この時世の高齢化社会の断片を切り取った物語に考えさせられることが
多かった。

ところで「波平さん」と言えば漫画サザエさんのお父さんだが、彼は最後は認知症になっていたんだっけ・・。
そう思いながら、講演を聞いていたがどうやら、講師が「羊頭狗肉」で興味を引くようにテーマにつけたものらしい。
波平さんの仕事は何? 生きがいは? 趣味は盆栽 髪型も変わらず家の中ではいつも着物、
外出のときは帽子にグレーの背広、同じかばんを持って出かける。
人とのつながりも余りなく、変化のない単調な暮らしをしていると認知症になりやすいということを
波平さんに置きかえられたようだ。

「認知症」は大きく二つに分けられ
     1.脳血管性 ・・脳の血管障害。脳梗塞や脳出血によっておこる認知症
     2.アルツハイマー型認知症・・脳の中に特殊変化が起こり、次第に脳が委縮し、痴呆になる

いつまでも呆けずに長生きをしたければ長生きをしているひとの真似をするのが良い。
政治家、実業家、芸術家、宗教家などに長生きが多いのはなぜか?
それは「欲」が強いからであり、一般的に「スケベジジイ」「ゴウヨクババア」は長生きをする。
高齢化社会の中、人生の「生涯現役」を実現するために必要なことは、人と人のつながりを大切にし、
生きがいを見つけて生き生きとした暮らしをすることと結ばれた。
お話は、テーマから暗い重たい内容かと想像していたのだが、直腸がんや胆のうを手術した時の
ご自分の体験も交え、ユーモアに溢れていて面白おかしく漫談を聞いているように
会場は終始、笑いの渦であっという間の2時間だった。

若い頃に一度読んだ有吉佐和子著「恍惚の人」を最近、再度読み直してみた。
細かい内容はほとんど忘れていたが、認知症の家族を抱える家庭は大変だと思った
のを思い出した。 
私は「恍惚」が「耄碌」の婉曲表現として使われるのを初めて知ったのがこの小説であるが、
認知症老人と介護をいち早く取り上げ(1972年発表)て問題提起しており、今日の社会でも
ますます高齢化が進む中、老後をどのように過ごすかは大きな命題だと思う。
 
   






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