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⚠️ 2030年代に確実に起きる!「西日本大震災」その被害は東日本大震災の10倍【防災を知る一冊】202109

2021-09-26 20:29:00 | 気になる モノ・コト
2030年代に確実に起きる!「西日本大震災」その被害は東日本大震災の10倍【防災を知る一冊】  
    JCastニュースより 210926

 9月1日は「防災の日」。1923(大正12)年9月1日に関東大震災が起きてから、まもなく100年になろうとしている。また、近年は9月に大型台風が上陸したり、長雨が続いたりして、各地で風水害も発生している。9月は防災、自然災害、気候変動、地球温暖化をテーマにした本を随時、紹介していこう。

 日本の地盤は1000年ぶりの「大地変動の時代」に入ってしまい、これから地震や噴火の地殻変動は数十年というスパンで続くというのが、地球科学者の共通認識だという。
 言うまでもなく、東日本大震災が引き金となって地盤が不安定になったのだ。本書「日本の地下で何が起きているのか」(岩波書店)は、「科学の伝道師」を自任する著者が、市民の不安を払拭するために、これから何を準備すべきかを提言した本である。

「日本の地下で何が起きているのか」(鎌田浩毅著)岩波書店
「過去は未来を解く鍵」
著者の鎌田浩毅さんは、京都大学名誉教授。専門は火山学、地球科学。テレビ、雑誌などで科学を明快に解説することで知られる。著書に「火山噴火」「富士山噴火」などがある。

 鎌田さんが大学の講義や市民向けの講演会で話す最も重要なテーマは、これから日本を襲う海の巨大地震である「南海トラフ巨大地震」である。南海トラフの北側には3つの「地震の巣」があり、それぞれ東海地震・東南海地震・南海地震を起こしてきた。古文書などの記録から緩い周期性があることが分かり、3回に1回は超弩級の巨大地震が発生したことも判明した。

 1707年の宝永地震、1361年の正平地震、887年の仁和地震が知られている。過去の西日本ではおよそ300~500年という間隔で特に規模の大きい地震が起きていたことになる。

「南海トラフ巨大地震」の発生時期について、地震学者は2030年代には起きると予測しており、鎌田さん自身も2040年までには確実に起きると考えている。その根拠になっているのが、南海地震が起きると地盤が規則的に上下するという現象だ。

 高知県室戸岬の北西にある室津港の地盤の隆起データは規則的であり、2030~2040年の間に「南海トラフ巨大地震」が発生すると予測している。もう一つ、内陸地震の活動との関連からも説明している。この方法では2038年頃という予測だ。

 地震予測は難しいとされてきたが、「過去は未来を解く鍵」という地球科学で用いる方法論によって、ある程度は予測されることを理解した。

⚫︎口コミで国が想定する被害の8割まで減らせる
 そこで「科学の伝道師」たる鎌田さんの出番である。「南海トラフ巨大地震」では、どこで起きるのかが市民に伝わりにくい。「西日本大震災」と呼ぶことによって、危機感を伝えている。「東日本大震災と同規模の地震。でも被害は10倍」と説明しているそうだ。

 東日本大震災を起こした巨大地震は、今から1100年前の869年に東北地方で起きた貞観地震とよく似ている。それだけでなく、1960年以降に日本列島で起きた地震や火山噴火の発生と規模が、貞観地震が起きた9世紀とよく似ているという。日本列島は約1000年ぶりの「大地変動の時代」に入ったと地球科学的にはみなすことができる、と考えている。

「南海トラフ巨大地震」=「西日本大震災」が身近に起きることとして伝えるために、鎌田さんは以下のことを提案している。

「手帳に20年先のスケジュールを記入する想像をしてほしい。20年手帳の20年目に、南海トラフ巨大地震発生と書き込んでみよう」と講義や講演会で語りかけるそうだ。

 企業向けでも同じだ。20年先を見越した長期計画として、本社や工場の耐震補強、津波対策、インフラ整備、工場移転、人員配置、本社機能のバックアップなどの計画を今から始めるように勧める。

 こうして「自分の身は自分で守る」考え方と、「20年後に東日本大震災の10倍の被害」が口コミでどれだけ広まるかで、国が想定している被害の8割まで減らすことが可能になるという。

⚫︎東京は「砂上の楼閣」
 日本を襲うと予測されているのは、「西日本大震災」だけではない。鎌田さんは4つの巨大地震が首都を襲うと書いている。国の中央防災会議は、首都直下で発生する自信を具体的に予想し、4つのタイプに分けている。詳しく書いているが、これだけのリスクが首都圏にあることを知ると、戦慄するしかない。

 鎌田さんは「戦後の日本が復興できたのは幸運以外の何物でもない」と書いている。それは高度成長期に、たまたま日本列島で地震が少なかったからだ。こうしたラッキーな時期は1995年で終わった。すなわち、阪神・淡路大震災以降の日本列島は、次の南海トラフ巨大地震に向けて再び地震活動期に入ったからだ。

 太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレートの3枚のプレートがひしめき合う低地に構築された首都は、地球科学的には「砂上の楼閣」という表現が最も適している、と書いている。

 東日本大震災以後の首都圏では地震活動が活発化し、震災前と比べて発生頻度は約3倍に上昇し、首都直下地震が「いつ発生しても不思議ではない」状況だという。政府の地震調査研究推進本部は、首都直下地震が今後30年以内に70%の確率で起きると予測している。

 これに加えて、日本列島の活火山は活動期に入ったことにも触れている。2014年の御嶽山噴火や2015年の箱根山噴火はその幕開けであり、東日本大震災に誘発された動きの一つだという。地下のマグマも活発になり、富士山噴火の可能性にも言及している。政府も富士山のハザードマップを公表している。鎌田さんはハザードマップをどう読むかの解説書(「富士山噴火」(講談社ブルーバックス))も書いている。

 自然災害を防ぐ最大のポイントは、「前もって予測し備える」ことであり、「自分の身は自分で守る」ことは、何度も出てくる。

本書が書かれたのは2017年だから、もう4年過ぎている。本書では「20年先」と書いていた「西日本大震災」だが、「16年先」になってしまった。あなたは準備を始めていますか?(渡辺淳悦)

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「定年後に本を読みまくりたい」そう思っている人が、絶対に知っておかないとマズいこと  202109

2021-09-26 20:20:00 | なるほど  ふぅ〜ん

「定年後に本を読みまくりたい」そう思っている人が、絶対に知っておかないとマズいこと
 現代ビジネス より  210926 堀井 憲一郎

⚫︎老後に「夢の時間」はやってくるのか
 定年後は本当に本が読めるのか!?
これは、ある雑誌で特集されていたテーマである。

 たしかにある年齢層にとっては興味のあるテーマだろう。

 いま、働くことで時間がないが、もしたっぷりの時間ができれば、自分の好きなことをしたい、それは可能だろうか、という特集である。

 読書好きにとっては「ただひたすら好きな本だけを読み続けられる時間」が夢であって、定年すれば、つまりいままでどおり働きに行かなくなれば、老後は夢の時間がやってくるのだろうか、という問いかけである。

人によって事情は違う。

 かつてもう30年以上前だとおもうが、だから昭和が終わってすぐくらい、テレビで、キャスターだかコメンテイターだか、記憶が定かではないのだが、その人がいまどんどん映画を録画している、という話をしていたことがある。

 テレビでは、昔はいまよりもっと映画を放送していて、それを全部ビデオテープに録画して、どんどん溜め込んでいるんだ、と言っていたのだ。誰だったか覚えてないのだが、当時、50代から60くらいの人だっただろうか。

 いま見るためではなく、この先、老人となり、働かなくなって時間が余ったときのために、せっせと大好きな映画をどんどんビデオに録画しているのだ、という話である。

 妙に覚えている。
 そして、ときどきそれをおもいだしてしまい、そのビデオテープの山は無駄になったのではないか、とぼんやりと考えてしまう。

 2021年現在、ビデオテープを再生して見ている人は少ないだろう。いまの大画面高画質テレビでVHSで録画した映像を見たら、かなり哀しい気分になるとおもわれる。
 ビデオデッキとビデオテープは、2000年代(00年代)はまだ使われていたが、テレビがデジタル放送に変わった2011年を境に、みごとに消えていった。
 あの人ははたしてビデオデッキが現役の時代に老後を迎えて、きちんと録画した映画を楽しめたのだろうか、ちょっと胸の痛みを覚えつつ、つい想像してしまう。

 この話が示唆的で、もの哀しいのは「10年から20年先の将来のために準備したものは、ときにまったく無駄になる」、その可能性を示しているところである。

 1990年時点の日本人が、何年かするとビデオテープで録画再生をする習慣は完全になくなる、というのはなかなか想像できなかった。できなかったわけではないが、でもその代わりどんな世の中になるのかは想像できない。小さいビデオテープになるんじゃないかというくらいが限度で、リアルな別の未来が浮かばないから、思考を停めていた。
 機器は代わっても「早い準備が未来に無駄になる」という危険は、いつの時代も変わらないだろう。

⚫︎本も同じかもしれない
 たとえば機器とは言えない「書籍」でさえも、時間が経つと読めなくなる可能性がある。

 本もきちんと古びていく。
 本をたくさんお持ちの方はご存知のことだとはおもうが、書籍はいろんな方向から古びていくのである。

 管理が悪ければ、物理的に悪くなる。どんどん黄ばんでくるし、ぼろぼろになっていく。
きれいに保管していても、何だかいろんなものがまとわりついて、なかなか「読んでもらえない状態」になってしまう。
本もまた、鮮度が命だと言える。

 読みたいとおもって買った本も、それがもっとも鮮度を保っているのは1ヵ月くらいじゃないだろうか。いろんな状況によるだろうけれど、鮮度は持って3ヶ月くらいだとおもう。ジャガイモくらい。

 時間が経てば、いろんなものがまとわりついてくる。読めなくなってくる。1ページ目から読み出すのを邪魔するものがまとわりついてくるのだ。

⚫︎捨てられない人の心理
 読まない本は捨てればいいのだが、おもいきれない。

 ときめかないものを捨てていくというメソッドでいえば、いまはもうときめかないけれど、「かつてこの本にときめいたときの記憶」が表紙を見るたびに蘇ってしまって、だから読みさえすればときめきを取り戻せるだろうとおもって、捨てられない。
ものが溜まってしまう人がみんなする言い訳である。

 かつて本がまったく買えなかった時代の記憶が強すぎて、なかなか捨てられない。
この「古びたかたまり」である蔵書を、定年後に読めるのかと問われた場合、かなりむずかしいのがわかる。

「定年後は本当に本が読めるのか!?」という雑誌特集を読んでも、「読める」とも「読めない」とも結論は出ていない。もうちょっと違う問題に触れている。

 そもそも「本を読むのが好きだから、定年後は楽しみとして、ゆっくりと読み続けたいというタイプ」と、「定年後も仕事ないしは何かしらのインプットのために読まなければいけないとおもっているタイプ」とでは、読める量が違ってくるだろう。

「楽しみのために読む」のが読書家の王道のようにおもう。自分がそのタイプではないので何となく憧れがある。

ただ「老後のお楽しみ」としての読書には大きな障壁がある。
「目」の問題だ。

⚫︎読書が楽しめない?
 ある程度年を取れば、小さい文字が読みにくくなっている。昭和のころ買った本の字はおそろしく小さくて、読みづらい。

「定年後は本当に本が読めるのか!?」という特集を組んでいたのは『本の雑誌』の2021年10月号なのだが、現状報告のかなり多くが、「小さい字が読めない」報告になっていて、老眼鏡や高い目薬の効果などの記事まである(高い目薬にはそれなりの効果があるらしい)。

 定年あたりの年齢の読書家にとっては、目の老化と本の文字の小ささはかなり切実な問題なのだ。
 仕事の読書でない場合、つまり、お楽しみで読もうとしているのに「とても読みづらい」となると、それはあきらかに楽しくない。苦痛を耐え忍びながらお楽しみにたどりつこうとするのはなかなか大変である。

 若いときに買い求めた「高橋和巳全集」や「世界SF全集」をまとめて読もうとしていたののなら、かなり厳しいことになる。

「定年後は本当に本が読めるのか」という問いに対して、むかし買って、取り置いていた書籍に関しては、メガネやルーペや照明など、いろんな状況を慎重に整えるしかないということになる。それでも厳しいだろう。

 永江朗は「老後読書と電子書籍」という一文を寄せていて、これを読むと、老人こそ(老後の読書こそ)電子書籍が便利であると書かれている。

 たしかに「電子書籍は自分の都合でどんどん字を大きくできるから」という一点だけでも老人向けなのだろうとおもう。かなり説得力がある。もっと電子書籍を活用しようと、これを読んでおもった。

ただ、問題は、自分が抱え込んでいるややマニアックな書籍群である。

 いまデジタル化されて気軽にダウンロードできる書籍は捨ててしまっていいだろうが、すべての過去の書籍が電子化されるわけではない。うちにあるもののうち、マニアックな一群はどう考えても電子書籍化されないはずだ。
 そういう書籍によって、うちの蔵書の山の大半は築かれており、それは実物を読むしかないわけで、手放したら二度と読む機会を逸するだろうとおもって、その可能性を確保したまま、ずっと読まないで積まれている。
どこかできちんと決断しないといけないだろう。

⚫︎蔵書家たちの悩み
 そういう意味でも、おもいきって電子書籍だけで老後の読書を楽しむ、というのはひとつの正しい決断なのかもしれない。

 ただ、ほとんどの「蔵書家」はその勇気を持っていない。
たくさん読書する人でも読んだらすぐ処分する人もいて,読書家と蔵書家は別の存在である。

 蔵書家とて、いろんなものが不自由になるほどに本を溜めようとおもったわけではなくて、人生の結果として本を抱えてしまっただけである。その結果、身動きが取れなくなってしまっている。そこがおもいきれないだけである。区切りを決めて、処分するしかないのだろう。

「定年後の読書」のもうひとつの問題は、定年後に果たしてそれほど自由な時間があるのだろうか、ということになる。また、自由な時間があったとして、それをきちんと読書に充てられるのか、ということでもある。

 やや忙しいときのほうが、本が読める、ということはよく経験することである。死ぬほど忙しいときはダメだが、軽く拘束が続いているくらいのほうが、すき間を見つけて何とか好きなことができるものである。

 そもそも読書にもちょっとした体力と、あと頭の中がかなり活性化していることが必要だ。弛緩しきった状態ではあまり読書は進まない。だいたい寝てしまう。

 つまり、定年後、時間ができたとしても、ほかのやりたいこといくつかも並行しておこないながら、そのあいまに読書ということがいいようにおもわれる。

また、いまからいろんなものを用意すると、2030年の世界では通用しないかもしれない。

⚫︎「楽しみ」+αが必要かも
 未来は予測しきれない。『アリとキリギリス』のアリが蓄えているのは、この冬の食糧であって、10年ぶんを溜めているわけではない。そんなことをしない。あれはあれで、未来に備えようという教訓を含みながら「いまを生きろ」とも教えているはずである。

 定年後に本は読めるのかという雑誌の特集を読んで、もっとも問題なのは「目が衰えていったらどうすればいいか」という点だと知れる。

 定年後も本をたくさん読みたい人は、そこを考えた環境を準備しておくのがいいようだ。
そして実際に読めるのかどうかは、本を読むことにたいしてどれぐらい強く熱いおもいを抱いているかによるだろう。

「楽しみ」に加えた何か社会性がついてないと、途中で衰えてしまうようにおもわれる。
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🗾 日本人は3つの祖先をもつ 金沢大学などが古人骨をゲノム解析   202109

2021-09-26 20:06:00 | 気になる モノ・コト

日本人は3つの祖先をもつ 金沢大学などが古人骨をゲノム解析
  大学ジャーナルオンライン編集部 より 210926

 金沢大学などの国際共同研究グループは、日本列島の遺跡から出土した縄文人・弥生人・古墳時代人の「パレオゲノミクス」解析を行い、現代日本人集団のゲノムが3つの祖先集団で構成されていることを世界で初めて明らかにした。
 共同研究にはダブリン大学、鳥取大学、岡山理科大学、富山県埋蔵文化財センター、船橋市飛ノ台史跡公園博物館、愛南町教育委員会が参加している。


 日本人の起源に関しては、縄文人(狩猟採集)と弥生人(稲作)という文化的な違いから2つの異なる祖先を持つとする「日本人の二重構造モデル」が提唱されていた。また、縄文時代・古墳時代にもヒトの流入の可能性が指摘されているが、実態は不明だった。

 今回、日本列島の遺跡出土人骨から新たに12個体(縄文人9個体・古墳人3個体)のゲノムデータの取得に成功。加えて、先行研究で公開されている縄文人および弥生人のゲノムデータと大陸における遺跡出土古人骨のゲノムデータを用い、大規模な集団パレオゲノミクス解析(古い生物遺体から抽出した全遺伝情報の比較解析)を実施した。

 その結果、縄文人の祖先集団は2万~1万5千年前に大陸の基層集団から分かれ、初期集団は千人程度の小さな集団サイズを維持していたことが分かった。そして、弥生時代には北東アジアに起源をもつ集団が、古墳時代には東アジアの集団がそれぞれ日本列島に渡ってきたことが明らかとなった。

 今回、これら3つの祖先を持つとする「日本人の三重構造モデル」を新たに提唱した。これらの知見は、今後日本列島に眠る膨大な遺跡出土古人骨のゲノムデータから日本人の成り立ちを探る上での基盤データとして活用されることが期待される。

論文情報: 【Science Advances】Ancient genomics reveals tripartite origins of Japanese populations
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🚶‍♀️…向島農道… 特に無し 210926

2021-09-26 17:43:00 | 🚶 歩く
🚶‍♀️☂️…右岸河川敷…隠元橋…左岸堤防道…同:47km碑+…伏見区向島清水町⇆…左岸堤防道47.4km碑…隠元橋…右岸堤防道+…>
🚶‍♀️10195歩2kg+85歩

☂️:隠元橋20℃:流石に寒い,急に秋日
服装も耐寒で

🚙〜🚉👭





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🐍 小惑星の衝突による「大量絶滅」を生き延びたヘビの生存戦略と多様化  202109

2021-09-26 01:03:00 | なるほど  ふぅ〜ん

小惑星の衝突による「大量絶滅」を生き延びたヘビの生存戦略と多様化
  SORAE  より 210926   吉田 哲郎

 ある特定の時期に何らかの原因で、多くの種類の生物が同時に絶滅することは「大量絶滅」と呼ばれています。
 地球の歴史上で大量絶滅は何度もあったと考えれていますが、繁栄を極めていた恐竜を突然絶滅に追いやった中生代白亜紀末(約6,600万年前)の大量絶滅はよく知られています。

 その大量絶滅の原因は諸説あるものの、小惑星が地球に衝突(隕石が落下)したことによるとする説が有力視されています。当時生存していた生物種の内、どの程度の割合が絶滅したのか、これも諸説ありますが、恐竜はほぼ完全に絶滅したと考えられています。

(関連:地球の生命は「15パーセント」の確率で今日まで生き延びてきた可能性)

 この度、バース大学(University of Bath)の科学者が主導した研究では、この大量絶滅を生き延びたヘビの進化について興味深い知見が紹介されています。この研究では、化石を用いて現代のヘビの遺伝子の違いを分析し、ヘビの進化を再構築しました。この分析により、現代のヘビが進化した時期を特定することができました。


【▲ 競争相手が絶滅したことで,ヘビは新たなニッチに進出し,膨大な多様性を獲得しました】

 現在、ヘビは4,000近い種が知られています。その内の約20%は過去10年間に発見されたものであり、さらに毎年十数種が新たに発見されているとのことです。ヘビは砂漠、熱帯雨林、草地、深海など、生息地も多様です。ヘビは昆虫、無脊椎動物、魚、カエル、鳥、小型哺乳類などの小さな脊椎動物を捕食し、数種のヘビは大型哺乳類(時には人間)も食べます。ヘビはまた、這う、穴を掘る、登る、泳ぐことができます。空を飛ぶ(滑空する)ヘビもいます。

 ヘビの祖先は1億年以上前にまで遡ります。従来の知識では、この大量絶滅により恐竜は絶滅しましたが、両生類や爬虫類のような他の多くのグループには比較的影響を与えなかったと考えられていました。大きな生物が絶滅しただけで、小さな生物は大きな影響を免れていたというのです。
 しかし、ヘビの化石の記録はそうではなかったことを示唆していると言います。本研究結果によると、現在のヘビの祖先は、6,600万年前の小惑星による衝突を生き延びた、ほんの一握りの種(5、6種)にまで遡ることを示しています。

 小惑星が衝突した後の世界は、がれきが積もり塵が舞い、食物も不足していたと考えられます。日射量は大幅に減少し、その結果、地球の寒冷化を引き起こしたと考えられています。光合成が停止し植物も生長できなくなりました。。
 そのような環境の中で、ヘビは地下に身を隠し、寒さから身を守ることができました。長期間食べ物を食べずにいられる能力を持っていたことも、破滅的な影響から生き残るのに役立ったと論文の著者らは主張しています。

 白亜紀の恐竜を含む捕食者や競争相手が絶滅したことで、生き延びたヘビは新たなニッチ、新たな生息地、新たな大陸へと移動することができたのです。
 その後、ヘビは多様化しはじめ、毒ヘビ、コブラ、ガーターヘビ、ニシキヘビ、ボアなどの系統を生み出し、新しい生息地や新しい獲物を利用するようになりました。現代のヘビの多様性は、恐竜が絶滅した後に出現したものなのです。

 著者らは、この壊滅的な大量絶滅事件は「創造的破壊」(creative destruction)の一形態であり、ヘビがそれまで競合相手によって満たされていたニッチに新たに進出し、多様化することを可能にしたと述べています。

「現在生きているすべての生物は、1億年に一度の大災害を生き延びただけでなく、その余波の中で競争し、繁栄することができた種の子孫なのです。
 新生代での成功は、破壊に直面しても並外れた回復力を発揮することではなく、災害の後にチャンスを見つける能力によってもたらされているようです」と、論文の著者の一人であるNick Longrich氏は研究結果を記したブログを結んでいます。

Image Credit: Joschua Knüppe Source: University of Bath、Nick Longrich Blog / 論文  文/吉田哲郎
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