テレビとインターネットの融合ビジネスは早い者勝ち

2005年03月28日 19時30分50秒 | 経済
「北尾氏から出資要請」と日テレ会長 ITファンドに (朝日新聞) - goo ニュース

 テレビとインターネットの融合ビジネスは、いまや「早い者勝ち」の様相を示している。いまの段階で、テレビ業界では、ライブドアに狙われたフジテレビがトップランナーということになる。
 ソフトバンクインベストメント(SBI)の北尾吉孝CEOが、日本テレビの氏家齊藤一郎会長に投資ファンドへの参加を2月下旬に申し込んでいたことを氏家社長が28日明らかにした。
 氏家社長が消極的で、その後、北尾CEOがフジテレビの要請に応じて、投資ファンドを設立することになったという。
 テレビ業界は、テレビ朝日(朝日新聞社系)、日本テレビ(読売新聞社系)、TBS(毎日新聞社系)、フジテレビ(産経新聞社系)、テレビ東京(日本経済新聞社系)の大手により、系列化されているが、ライブドアの堀江貴文社長が提案した「テレビとインターネットの融合ビジネス」においては、皮肉なことに、「フジテレビ」が先陣を切っている形となっている。
 ソフトバンクはテレビ朝日とは「いわくつきの関係」にあり、いまさら手を結ぶのはムリ。日本テレビは野村證券の瀬川元社長以来の深いつき合いがあり、しかも野村ホールディングスの氏家純一会長と、日本テレビの氏家社長とは縁戚関係にあり、野村證券出身の北尾CEOが日本テレビに一番先にアプローチしたのは理解できるが、相手の感度が悪かった。TBSは貧しい毎日新聞社が親会社なので、ハナから相手にされていない。
 ということで、結局「フジテレビ」が幸運をつかむ可能性が高まってきた。堀江社長も、あまり焦らず、テレビとの融合を図っていったほうが得策かも。
 ちなみに、産業界というのは、ひとつの業界を一社が市場独占するというのは、独占禁止法で禁止されている。少なくとも、3社くらいがお互いに拮抗しながら競争することが必要である。ソフトバンク一社がダントツで市場を独占することは、許されない。テレビとインターネット融合ビジネスにおいても、ソフトバンク、楽天、ライブドアの3社が競争する状態が最も望ましい。この意味においてライブドアの堀江社長を潰す必要はなく、むしろ育てるほうが業界にとっても、また日本にとっても、利益になる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホリエモン「現代版・義経」となるか

2005年03月28日 14時49分32秒 | 経済
ライブドア堀江、SBI北尾両氏の会談が中止に (読売新聞) - goo ニュース


 ライブドアの堀江貴文社長とソフトバンクインベストメントの北尾吉孝社長とのトップ会談が、キャンセルとなった。
 このニュースを耳にしながら、現在放映中のNHK大河ドラマ「義経」の映像がだぶってきた。
 ライブドアの堀江貴文社長が2月8日にニッポン放送株を35%取得したと報道がされたとき、「これは奇襲攻撃だ!」と叫んだ人が少なくなかった。
 「奇襲」と言えば、日本の戦史上の「元祖」は源義経である。源平合戦の末期、源義経が、「一の谷の奇襲」と「屋島の奇襲」により、平家を滅亡に追い込んだ。その「義経」をNHKが大河ドラマで放映中というのも奇遇である。
 ところで、「一の谷の奇襲」に成功した義経に対する当時の評判は決して芳しくはなかったという。「遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にもの見よ」と、まず、双方が名乗りを上げ、どんな家柄の者であるかを先祖から順々に述べ合った後に、一騎打ちで勝負を決めるのが作法だった。義経はそれを無視して、いきなり背後から平家を襲った。「誠に卑怯で汚いやり方」と不評を買ったのだろう。
 しかし、その後、「奇襲」が、有効な戦法として評価されるようになり、後世に引き継がれていく。
 【奇襲戦法の戦史】
□源義経の「一の谷の合戦」〔1184年(寿永3)2月7日未明〕:平家を断崖絶壁から夜陰→奇襲
□源義経の「屋島の合戦」〔1185年(寿永4)3月24日〕:平家を屋島の背後から暴風雨に紛れ→奇襲
□毛利元就の「厳島の合戦」〔1555年(弘治元)10月1日未明〕:陶晴賢を厳島の背後から暴風雨に紛れ→奇襲
□織田信長の「桶狭間の合戦」〔1560年(永禄3)5月19日〕:今川義元を田楽狭間で風雨に紛れ→奇襲
□大石内蔵助の「吉良邸討ち入り」〔1702年(元禄15)12月15日午前4時〕:吉良上野介を吉良邸宅に夜陰と雪に紛れ→奇襲
□山本五十六の「真珠湾攻撃」〔1941年12月8日午前8時〕:米国真珠湾で、夜陰に紛れ→奇襲

 しかし、これらの奇襲を行った英雄や子孫は、いずれも悲惨な最後や悲運にさらされている。本人が悲劇的にならないまでも、その子孫に災いが及んでいる。
 義経は、兄・頼朝に殺され、毛利就成の孫は、関が原の合戦に敗れ、祿高を120万石から35万9千石に減らされ、明治維新までの265年間、萩に遠ざけられた。織田信長は、明智光秀の暗殺され、大石内蔵助以下47士は、切腹・打首となり、山本五十六は、戦闘機で移動中に米軍により撃墜されて戦死している。
 悲劇の英雄は、悲劇なるが故に、後世まで語り継がれている。義経に向けられた人々の「判官贔屓」の心情は、現代にまで引き継がれている。
 さて、近鉄の買収に失敗した堀江社長は、ソフトバンクインベストメントの北尾吉孝社長の登場により、今回も失敗すれば、「悲劇の人」となって世間からの同情を向けられるに違いない。
 堀江社長が、「現代版の義経」となるか否か、推移を注視したい。

にほんブログ村 政治ブログへ
ブログランキング
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする