憲法9条の改正には若者達の血の犠牲を伴うとの相当な覚悟と、しっかりした世界的軍事戦略が必要となる

2005年03月30日 14時48分28秒 | 憲法問題
9条改正「否定せず」が多数 衆院憲法調査会最終報告案 (朝日新聞) - goo ニュース

衆議院憲法調査会の最終報告書案が、ようやくまとまってきている。「憲法9条改正」について「否定せず」「集団自衛権行使容認」が大勢になってきているようだ。
 日本が有史以来初めて、「国民の手による憲法制定」を果たせる意味では、民主主義上、大変喜ばしいことである。
 だが、日本国憲法は、「9条」を持ちながら「最終戦争」と言われた「核戦争」の危機を孕んだ「米ソ東西冷戦」という厳しい風雪の時代を乗り切ってきた「世にも希な」しかも「世にも不思議な」憲法である。それをあえて改正しようとするのであれば、「国軍の再建」と「集団自衛権行使」に当たっては、日本国民は、相当の「固い決意」と「国際的軍事戦略」をしっかり持たねばならない。このことを肝に命じ、「改正」に踏み切るべきである。
 日本国軍は、米軍の単なる下請けの「補完的軍隊」であってはならない。しかも、「集団自衛権」という大義名分が立てば、地球規模でいつでもどこへでも緊急展開できる頼もしい軍隊でなくてならない。
 日本国軍が、「国連の要請」なり「国連正規軍への参加」をするなり、海外に出動する機会が多くなれば、日本の若者たちの多くが血を流す危険が高まる。
 そうなれば、志願者だけに出動させるのは不公平となる。「国連への協力」ないし「国際貢献」を行うことを「国民の義務」の一つとして新たに加えなくてはならない。すなわち、「兵役の義務」を明記し、「徴兵制度」を新設するのである。そうでなければ「法の下の平等原則」に反することになる。同時にこれは「男女平等」でなくてはならない。「召集礼状」は、「男女平等に発令」される必要がある。
 そうなると、日本が「少子高齢化」を早く食い止めておかなければ、「国際貢献」への要請には応えられないだろう。
 若者の多くは、「どことも知らないところへ連れて行かれ、犬死にのような戦死はしたくない」と海外派兵を拒否している。その具体的な例が、防衛大学校生の「中途退学者」と「任官拒否者」の増加である。
 「せっかく入学した防大生が逃げてしまう」という極めて憂慮するような深刻な事態が起きていることをわれわれ国民は直視すべきだ。
 国際貢献の頻度が増え、自衛隊の地位の向上が目ざましいなか、幹部の卵たちの自衛隊離れに防衛庁は、頭を抱えて困っている。防衛大学校の入学者のうち、約30%が中途退学と任官拒否していたという防衛大学校創設以来の最 悪の事態となったからである。小泉首相が「苦難に直面している国の平和と復興のために力を尽くし、地道な支援を 継続していく中にこそ、日本の平和と発展がある」と訓示 しているが、防大生たちには、空しく響いているようだ。第49期生の卒業式が3月21日行われ、卒業生325 人(外国人留学生12人を除く)のうち、自衛隊に進む任 官者は303人で、過去最少となった。中途退学者も過去 最多だった昨年春の113人を上回る132人で、入学数 の約30%を占めた。 民間会社への就職などによる任官拒否者は22人。過去最多だったのは、湾岸戦争当時の平成2年度の96人だったが、ここ10年間では、平成11年度と同じ同数で、最も多い。中途退学者と合わせると、合計3割強が任官しないで、防衛大学校を去った計算になる。
 この春の任官者のなかにも、「除隊」を考えている者が少なくない。たとえば、海上自衛隊幹部候補生学校を修了して3等海尉に任官し、3月下旬に遠洋航海に出航した新進の幹部のなかには、「遠洋航海から帰国後に退官する」と決めて参加している者もいる。
 こうした事態に防衛庁は、「イラク派遣などが影響しているのでは」と原因を推測してはいるものの、「このままでは、優秀な幹部の確保に支障をきたす」と頭を抱えている。
 しかし、防衛大学校ばかりでなく、自衛隊のなかには、「自衛隊が海外に出動のに、国際貢献のためという大義名分のそのものに疑問がある」と不満の声が根強くある。というのは、防衛大学校入校者や自衛隊入隊者の大半は、「日本の国土防衛と国民の生命・身体・財産を守ると宣誓して入っているのに、どうして行ったこともない海外に派遣されて貢献しなければならないのか」と疑問を抱いている者が少なくない。要するに、「日本と日本人のために命を賭けているのに、外国のために命は張れない」ということだ。自衛隊の「本来業務」とは別に「目的外流用」そのものへの疑問である。
 自衛隊の国際貢献そのものに対する批判が込められている。「小泉首相や大野防衛庁長官ら政治家たちが、アメリカの言いなりになって、自衛官を犠牲にするのは、許せない」という日米同盟関係重視への不満もある。
 防衛大学校は、4月入校式を行うが、果して、このうち何人が逃げ、何人が残るか?

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