◆「暴走おばさん」、田中眞紀子文部科学相をこう評したのは、小説家・作詞家なかにし礼さんである。テレビ朝日の番組「スクランブル」(11月5日)でコメントしていた。「暴走老人」と言われている石原慎太郎前都知事に引っかけた言葉だ。
確かに、文部科学省の大学設置・学校法人審議会の答申を覆して、3大学の新設を不認可としたのは、従来の慣例から言えば、異常である。3大学とは、秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大だ。
朝日新聞デジタルは11月5日午前11時48分、「不認可3大学、田中文科相に直訴へ 撤回求め7日に訪問」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「田中真紀子文部科学相が新設を不認可とした秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大の3大学関係者が、7日に文科省を訪れ、不認可の撤回を求めることになった。田中文科相に面会を求め、直訴する方針という。秋田公立美術大の開学をめざす秋田市が、5日に開いた緊急会議の後に明らかにした。同市はこの日、田中文科相が不認可を撤回しない場合、行政不服審査法に基づく対抗措置がとれるかどうか、市の顧問弁護士と相談していることも明らかにした。会議では、採用を内定している教員の処遇や4年制大学への移行に合わせて学生募集を見合わせている公立美術工芸短大の募集再開について話し合った。現在4割近くまで進んでいる施設の増改築工事は、続行することを決めた」
◆なぜ、こんな事態が起きたのか。事態が起きた根本には、3つの問題がある。
1つは、「学校屋」あるいは「大学屋」と言われる「学校経営」を商売にしているプロのビジネス集団の「大学新設利権」である。
この利権集団と結託しているのが、文部科学省の大学設置・学校法人審議会である。利権集団からの大学新設申請があると、文部科学相の諮問を受けて、検討するのだが、大体、諮問通りに答申し、文部科学相は、認可する。
私学運営には、毎年、巨額の助成金が国から支出されるので、こんな美味しい商売はない。新設大学の経営者である理事長以下理事のポストは、「利権屋」が独占し、文部科学省官僚の天下り先ともなる。教授以下の教職関係者には、マスメディアの記者、アナウンサーらの再就職先として確保される。利権に群がるのだ。
2つ目の問題は、この「大学利権」は、自民党文教族議員が、支配、掌握してきた。旧文部省時代から文部大臣は、概ね、福田派、三木派、中曽根派の3派閥から送り込まれてきた経緯があり、田中派や大平派からの配置は、少なかった。この結果、自民党国会議員の族議員化が進み、森喜朗元首相(元文相)が、「文教族のドン」と言われて、幼稚園から大学までの「私学助成利権」、日本体育協会を頂点とする「スポーツ振興利権」などを壟断し続けてきた。森喜朗元首相は建設相の経験もあり、大学施設やスポーツ施設建設・増設について、建設業界などと政治資金面で深い関係を築いている。これは、3年前に自民党が野党に転落してからも変わらなかった。
この森喜朗元首相の利権の牙城に、田中角栄元首相の長女・田中眞紀子が文部科学相として送り込まれたのである。田中眞紀子文部科学相が外務大臣のとき、その座から引きずり下ろすよう当時の小泉純一郎首相に進言し、辞任に追い込んだのが、森喜朗元首相だった。いわば、憎っくき宿敵、政敵である。
野田佳彦首相が、この関係を熟知していなかったとしたら、迂闊であった。田中眞紀子文部科学相は、森喜朗元首相の「私学利権」の支配、掌握下にある「新設大学認可問題」に直面して、過激反応してしまったのである。
3つ目の問題は、秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大の3大学が、正式認可も下りていないのに、先走って、学生募集や施設拡充建設などを進めていたことだ。従来通りのやり方で、すべてうまく行くと思い込んできた点は、軽率だった。国家財政が、破綻しているという状況のなかで、大学新設は、控えるべきであった。文部科学省の官僚たちも、安易であった。
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本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
「アサド大統領の政府軍に皆殺しにされてしまう」とシリアの反政府派「自由シリア軍」関係者が、日本国内で武器弾薬の調達に奔走している
◆〔特別情報①〕
中東の軍事情勢に詳しい筋の情報によると、シリア内戦が続いている厳しい状況下、政府軍と戦っている反政府派「自由シリア軍」の関係者が、訪日して盛んに「武器・弾薬の調達」に奔走している。日本は、佐藤栄作内閣以来、「武器輸出三原則」を守り、武器の海外輸出を禁止してきたが、野田佳彦首相が「緩和」したという話を聞きつけてきたのか、「このままでは、邪悪なアサド大統領の政府軍に皆殺しにされてしまう」と必死だという。
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平成24年11月11日(日)
『米国と核戦争』
~悪の戦争経済・第3次世界大戦
【板垣英憲(いたがきえいけん)ワールド著作集】新連載を始めました。

『小沢一郎総理大臣待望論』(1994年11月1日ジャパミックス刊)
※この本は「小沢一郎ウェブサイト」の「著書・関連書籍 小沢一郎について書かれたもの」に紹介されています。
目次
第2章 政治・軍事大国日本の新しい総理大臣像 ②
強力なリーダーシツプが必要
こうした日本の国際的地位の大きな変貌に伴って、日本の最高権力者である首相の責任も大きくなって行く。
国会が自衛隊の海外派遣や派遣先での行動を厳重に制限し、監視するとは言っても、一旦派遣された以上、現地の活動ぶりを一々監視できるはずはなく、行動範囲は、もちろん、徐々に拡大して行くことになる。
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『ロックフェラーに翻弄される日本』(20074年11月20日サンガ刊)
『ブッシュの陰謀~対テロ戦争・知られざるシナリオ』2002年2月5日刊
『民主党派閥闘争史-民主党の行方』(2008年9月16日 共栄書房刊)
『民主党政変 政界大再編』2010年5月6日 ごま書房刊
『国際金融資本の罠に嵌った日本』1999年6月25日刊
『政治家の交渉術』2006年5月刊
『カルロス・ゴーンの言葉』2006年11月刊
「孫の二乗の法則~ソフトバンク孫正義の成功哲学」2007年7月刊
板垣英憲マスコミ事務所
確かに、文部科学省の大学設置・学校法人審議会の答申を覆して、3大学の新設を不認可としたのは、従来の慣例から言えば、異常である。3大学とは、秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大だ。
朝日新聞デジタルは11月5日午前11時48分、「不認可3大学、田中文科相に直訴へ 撤回求め7日に訪問」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「田中真紀子文部科学相が新設を不認可とした秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大の3大学関係者が、7日に文科省を訪れ、不認可の撤回を求めることになった。田中文科相に面会を求め、直訴する方針という。秋田公立美術大の開学をめざす秋田市が、5日に開いた緊急会議の後に明らかにした。同市はこの日、田中文科相が不認可を撤回しない場合、行政不服審査法に基づく対抗措置がとれるかどうか、市の顧問弁護士と相談していることも明らかにした。会議では、採用を内定している教員の処遇や4年制大学への移行に合わせて学生募集を見合わせている公立美術工芸短大の募集再開について話し合った。現在4割近くまで進んでいる施設の増改築工事は、続行することを決めた」
◆なぜ、こんな事態が起きたのか。事態が起きた根本には、3つの問題がある。
1つは、「学校屋」あるいは「大学屋」と言われる「学校経営」を商売にしているプロのビジネス集団の「大学新設利権」である。
この利権集団と結託しているのが、文部科学省の大学設置・学校法人審議会である。利権集団からの大学新設申請があると、文部科学相の諮問を受けて、検討するのだが、大体、諮問通りに答申し、文部科学相は、認可する。
私学運営には、毎年、巨額の助成金が国から支出されるので、こんな美味しい商売はない。新設大学の経営者である理事長以下理事のポストは、「利権屋」が独占し、文部科学省官僚の天下り先ともなる。教授以下の教職関係者には、マスメディアの記者、アナウンサーらの再就職先として確保される。利権に群がるのだ。
2つ目の問題は、この「大学利権」は、自民党文教族議員が、支配、掌握してきた。旧文部省時代から文部大臣は、概ね、福田派、三木派、中曽根派の3派閥から送り込まれてきた経緯があり、田中派や大平派からの配置は、少なかった。この結果、自民党国会議員の族議員化が進み、森喜朗元首相(元文相)が、「文教族のドン」と言われて、幼稚園から大学までの「私学助成利権」、日本体育協会を頂点とする「スポーツ振興利権」などを壟断し続けてきた。森喜朗元首相は建設相の経験もあり、大学施設やスポーツ施設建設・増設について、建設業界などと政治資金面で深い関係を築いている。これは、3年前に自民党が野党に転落してからも変わらなかった。
この森喜朗元首相の利権の牙城に、田中角栄元首相の長女・田中眞紀子が文部科学相として送り込まれたのである。田中眞紀子文部科学相が外務大臣のとき、その座から引きずり下ろすよう当時の小泉純一郎首相に進言し、辞任に追い込んだのが、森喜朗元首相だった。いわば、憎っくき宿敵、政敵である。
野田佳彦首相が、この関係を熟知していなかったとしたら、迂闊であった。田中眞紀子文部科学相は、森喜朗元首相の「私学利権」の支配、掌握下にある「新設大学認可問題」に直面して、過激反応してしまったのである。
3つ目の問題は、秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大の3大学が、正式認可も下りていないのに、先走って、学生募集や施設拡充建設などを進めていたことだ。従来通りのやり方で、すべてうまく行くと思い込んできた点は、軽率だった。国家財政が、破綻しているという状況のなかで、大学新設は、控えるべきであった。文部科学省の官僚たちも、安易であった。
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『政治家の交渉術』2006年5月刊
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