安倍晋三首相の姿は、ヒトラーが「ワイマール憲法」に拘束されない無制限立法権を授権した姿を連想する

2015年09月17日 07時03分57秒 | 政治
◆麻生太郎副総理兼財務相は2013年7月25日、東京で行った講演で「平和憲法の改正のモデルとして日本が戦前ドイツのナチス政権時代に目を向けるべきだと一部の人々に解釈されかねないような発言をした」として批判を浴びた。この発言を地で行っているのが、安倍晋三首相である。その姿は、ナチス党を率いるアドルフ・ヒトラーが、選挙の結果、国会で第1党の勢力を獲得して首相に就任し、その挙句の果てに、「ワイマール憲法」に拘束されない無制限の立法権を授権した姿を連想する。ヒトラーは、第2次世界大戦で、数多くの人々を殺傷した大悪人である。
 安倍晋三政権は、「情勢変化」に即して「憲法解釈変更」を閣議決定、国会は「安全保障法制整備関連法」を制定、安倍晋三首相率いる政府に、「日本国憲法第9条の文言」に拘束されない「武力行使の新3要件」に照らしつつも、「総合的判断」して集団的自衛権行使を決定する権限を授権した。
「武力行使の新3要件」は、集団的自衛権を使う際の前提になる条件=①密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある(存立危機事態)②我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない③必要最小限度の実力行使にとどまる―の3点。だが、「存立危機事態」の定義が曖昧で、政府の「総合的判断」が、恣意的になる危険がある。
 一方、ドイツ国会は1933年3月23日、「民族および国家の危難を除去するための法律案」(全権委任法案=全5条)を制定、ヒトラー首相が率いる政府に、「ワイマール憲法」に拘束されない無制限の立法権を授権した。
◆アドルフ・ヒトラー率いるナチ党は1932年7月の選挙で第1党となり、ヒトラーは、首相就任と全権委任法の成立を要求。ヒトラー内閣が1933年1月30日に成立後間もなく、ヒトラーは国会を解散、4年間の政権委任を訴える選挙キャンペーンを展開した。この選挙中の2月27日、ドイツ国会議事堂放火事件が発生し、ヒトラーは大統領に、共産主義暴動の発生に対応するためとして、「民族と国家防衛のための緊急令」と「ドイツ民族への裏切りと反逆的策動に対する大統領令」の2緊急令を布告させた。ヒトラー政府は、この二つの緊急大統領令の権限で、国会議員を含む多数の共産党員・社会民主党員を逮捕・予防拘禁し、州政府への命令権限を利用し、州政府を次々に掌握した。選挙の結果、ナチス党は288議席、連立を組む国家人民党は52議席を獲得し、過半数を得た。3月21日午後、ナチス党は、「民族および国家の危難を除去するための法律案」(全権委任法案=全5条)を国家人民党と共同で提出し、可決成立。国会による成立後まもなく開催された第二院でも、この法律は全会一致で承認され、3月23日に制定、ヒトラー首相が率いる政府に、「ワイマール憲法」に拘束されない無制限の立法権を授権した。ワイマール共和政は名実ともに崩壊、新たな「憲法体制」が築かれた。ナチ党機関紙「フェルキッシャー・ベオバハター」は、全権委任法の成立を「第3ライヒ(第3帝国)」の始まりであると宣言した。全権委任法の条文は、以下の通り。
前文:国会(ライヒスターク)は以下の法律を議決し憲法変更的立法の必要の満たされたのを確認した後、第2院の同意を得てここにこれを公布す。
 1.ドイツ国の法律は、憲法に規定されている手続き以外に、ドイツ政府によっても制定されうる。本条は、憲法85条第2項および第87条に対しても適用される。
2.ドイツ政府によって制定された法律は、国会および第二院の制度そのものにかかわるものでない限り、憲法に違反することができる。ただし、大統領の権限はなんら変わることはない。
3.ドイツ政府によって定められた法律は、首相によって作成され、官報を通じて公布される。特殊な規定がない限り、公布の翌日からその効力を有する。憲法68条から第77条は、政府によって制定された法律の適用を受けない。
4.ドイツ国と外国との条約も、本法の有効期間においては、立法に関わる諸機関の合意を必要としない。政府はこうした条約の履行に必要な法律を発布する。
5.本法は公布の日を以て発効する。本法は1937年4月1日と現政府が他の政府に交代した場合、いずれか早い方の日に失効する。
◆安倍晋三首相は、自民党、公明党の連立与党が、衆院(自民289議席、公明35議席計324議席=過半数238議席、3分の2は317議席)、参院(自民113議席、公明20議席計133議席=過半数122議席、3分の2は162議席)、それぞれで過半数を確保しているのを「力」にして、衆院で強行採決し可決、参院でも強行採決可決を図る。これに対して、民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたち野党5党は、問責決議案、安倍晋三内閣不信任案など5本を緊急提出して、徹底的抵抗作戦で臨む。

本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
全国民は、「安保法制法案」に賛成した衆院議員、これから賛成する参院議員に対して、厳しい勤務評価を下す

◆〔特別情報①〕
 日本国憲法は、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」(第43条)と規定しており、衆参両院の国会議員は、「全国民の代表者」である。その勤務評価は、全国民が行う。「安全保障法制整備関連法案」は、憲法公布(1946年11月3日)・施行(1947年5月3日)以来、69年~70年続いた「平和憲法」の本質を根本的に改悪することになるので、それだけに全国民は、この法案に賛成した衆院議員、これから賛成する参院議員に対して、厳しい勤務評価を下すことになる。差し当たっては、10か月後にやってくる2016年7月の参院議員に対して、査定が行われる。すでに一部のマスメディアは、「現職参院議員」の実名を出して報道し始めており、今後、続々と実名報道が行われることになる。

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