奈良県明日香村越にある、斉明天皇の陵とされる「牽牛子塚(けんごしづか)古墳」(国史跡)の復元整備が終わり、3月6日より一般に公開されます。
3月5日には、オープニングセレモニー終了後、村民対象に公開されました。完成を楽しみにしていましたので、早速見学に行ってきました。古代衣装を身につけられた村長さん自ら、説明していただきました。
今回は、甦った八角墳「牽牛子塚(けんごしづか)古墳」を紹介します。
「牽牛子塚古墳」は、近鉄飛鳥駅から西に800メートルほど離れた丘の上にある7世紀後半の古墳(対辺長約22メートル、高さ約5メートル)です。飛鳥時代の大王墓に採用されている八角墳です。石室内には二つの墓室が設けられています。斉明天皇と娘の間人皇女(はしひとのひめみこ)が合葬された陵の可能性が高いとされています。また、「牽牛子塚古墳」すぐ脇には、「大田皇女(おおたの ひめみこ)」が葬られていると考えられている「越塚御門古墳」が設けられています。
日本書紀には、667年に「斉明天皇と間人皇女を合葬した陵の前に、大田皇女を埋葬した」という記述があります。
整備を終えた墳丘には、約2500枚の凝灰岩(石川県小松市の滝ケ原石の切り石)を張り巡らせてあります。3段構成の八角墳であることもはっきりと分かります。
古墳は、県などが世界遺産登録をめざす「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産の一つです。その価値を伝えようと、発掘調査の成果に基づいて、2018年1月から整備工事を進めていました。ようやく、2022年3月に完成しました。発掘調査等に基づいて、忠実に築造当時の姿が再現されました。
約1400年前の八角形の古墳(八角墳)の築造当時の姿が、甦りました!
石室も間近で見ることができます。大王墓クラスの大型八角墳の完全復元は、全国初です。
ところで、飛鳥観光協会ではボランティアガイドによる史跡「牽牛子塚古墳」・「越塚御門古墳」前で案内(無料)があります。3月中の土・日・祝の午前9時~16時30分の間です。また、4月・5月中の平日には近鉄飛鳥駅前にある「飛鳥びとの館」発のガイドツアー(有料)も計画されています。
コースは、「飛鳥びとの館」発ー岩屋山古墳ー牽牛子塚古墳・越塚御門古墳ー「飛鳥びとの館」着で、約1時間40分のツアーです。
このツアーは、有料(500円)で事前申し込み制になっています。詳しいことは、飛鳥観光協会に問い合わせされて下さい。
これから、史跡「牽牛子塚古墳」・「越塚御門古墳」は、石舞台古墳・高松塚・キトラ古墳等と共に、明日香村の観光スポットとして、多くの方に見ていただけたらと思っています!
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