グレートノーザン鉄道

アメリカのグレートノーザン鉄道の実物(歴史、資料等)と鉄道模型(HO:レイアウト、車両)に関するプログです。

「Wood's Book」翻訳:第5章 オリエンタルリミテッドとエンパイアビルダー (その12)

2005年08月20日 | Wood's Book翻訳
 個別の客車名は、エンパイアビルダーと、この列車が走る地域とを結びつけるように慎重に選ばれた。多くの客車名は、グレイシャー国立公園の湖、峠、氷河等から名づけられた。ランチカウンターラウンジ車は、Waterton、St. Mary、Two Medicine、Cour d’Alene、Red Eagle Lake等の名前を受けた。食堂車は、Superior、McDonald、Chelan、Josephine、Michigan等の湖の名前をつけられた。展望車は、Mississippi、Missouri、Flathead、Kootenai、Marias等の川の名を有していた。5編成に各4両ずつ配備された寝台車のうち各2両は峠の名前、Gunsight、Ptarmigan、Dawson、Piegan、Logan、Triple Devide、Lincoln、Cut Bank、Red Gap、Swift Current等をつけられた。残りの2両は公園内の氷河の名前、Blackfoot、Ahern、Grinnell、Hanging、Many、Oberlin、Sexton、Harrison、Sperry、Siyeh等の名を有していた。
 インテリアのカラーと装飾もビルダーが走る地域から採用された。プルマンスタンダード社と緊密に協力しつつ、グレートノーザン鉄道とバーリントン鉄道は、北西部の帝国の文字通り数百枚のカラー写真を研究した上で、カラーとデザインを選択した。ここでもグレイシャー公園が支配的で、多くのカラースキームに影響を与えた。座席車や食堂車に使用されたブルーは、氷河湖の色彩にインスピレーションを得たものである。多くの緑系の色も公園の花々や葉々から引き出された。木々の樹皮は、座席車の赤みがかったブラウンのシートカバーの色に生かされた。スプルース(訳注:ハリモミ、エゾマツ等)の木々は、ブルーグリーンを与えてくれた。大平原の小麦は、イエローのトーンを与えてくれた。
 展望車のテーマは、Winold Reissの絵画でインディアンのブラックフィート族に敬意を表し、仕切り壁にかけたCharlie Russellの水彩の複製でパイオニアたちに敬意を表するといったものであった。カーテンはハドソン湾の毛布のレプリカであった。インディアンの絵画とハドソン湾カラーは、コーヒーショップカーにも使用された。
 座席車は、単彩画法のブルー、グリーン、イエローであり、主要なトーンは窓の下側に使用された。タン(黄褐色)、アプリコット、グリーン、グレー、イエローの色合いが寝台車には使用された。
 食堂車には、Walter Loosによるグレイシャー公園の野生の花々の油絵の写真または手書きによる複製が、テーブルの間のパネルに収められていた。精緻な絵画のために氷河ブルーのカーテン、ラグ、装飾がセットとなっていた。